高熱と咳で寝込む妻に「俺は熱があっても会社に行く」、夫のありえない一言に反響「本当に腹立たしい」
モラハラ夫から抑圧された日々を過ごす妻が、異世界に転生する物語を描く『異世界で最後の恋と革命を』(マンガアプリ『comico』で連載中)。子育てを完全放棄し、高熱で寝込む妻に「飯を作る時間だそ」「俺は熱があっても会社に行く」と主張して家事を強要する夫に対して、読者からは「主婦なめんな」などと大きな反響を集めた。一方、Instagramで話題の『バイバイ!クソ旦那』は、ワンオペ育児とパートに追われる多忙な日々のなか、夫の不倫によって心身ともに疲弊していく妻の物語が描かれている。女性の生き方を考えさせられる話題の2作を紹介する。
【漫画】高熱で寝込んでいたら体をゆすられ…「飯作る時間だぞ」 苦しむ主婦に起こった驚きの展開
■性別が異なる時点で「平等」ではない、価値観や選択は無限のはず…作者のメッセージ
日々モラハラ夫に抑圧されていた専業主婦が交通事故をきっかけに異世界転生し、恋愛や結婚から距離を置く人生を歩もうとする『異世界で最後の恋と革命を』。恋愛や結婚から距離を置く人生を歩もうとする主人公を通じて、「女性の自立」や「結婚や恋愛の常識は本当に正しいのか」といった問いかけも散りばめられた異色の内容だ。
たとえ高熱で寝込んでも、妻は育児と家事をこなすべき…そんなモラハラ夫をフックにした理由について、作者のKIYUMiさんは次のように語る。
「主にSNSで、いろんな方の体験談を目にして、『ああ日本って、こんな問題が潜んでいたのか』と、シンプルにその流行に乗っかった感じです。今、モラハラを受けていると感じている日本人女性たちに、本作を読んでいただくことで、何かヒントを得たり、考えが変わったり、もしくは物語に登場するあのクズ夫(誠司)に向かって『ざけんなよ!!』って、日ごろのうっぷんを晴らしてくれればなと」
妻を上から目線で威圧して自身のステータスだけを気にする。そんな夫の“異常な”価値観いついて、読者からは「本当に腹立たしい」「モラハラ許せないけど、めちゃくちゃ多いらしいな」という反応もあった。
「男女平等に関しては、性別が異なる時点で私は“平等”ではないと思っています。ですが、“対等”になることは可能だと思います。ワンオペやイクメンという言葉がありますが、夫が仕事も育児も家事もしているのであればワンオペですし、育児をしている女性にはどうして『イクメン』のような言葉が無いのか不思議に思っています」
同作には、立場も考え方も異なるさまざまなキャラクターが登場する。『価値観や選択や“形”は無限のはず』、そんな作者のメッセージも込められている。
■夫が若い部下と職場で不倫、「悪質でハイリスク」軽蔑した妻の決断
Instagramで注目を集めている漫画『バイバイ!クソ旦那』。原作者であるマリコさんの実体験をもとにしたエピソードが描かれる。
主人公のマリコは、イヤイヤ期真っ只中の子どもをワンオペで育てながら、パートや家事に追われクタクタな毎日。そのなかで、夫のスマホに表示されたLINEメッセージをきっかけに、若い女性と不倫していることを知る。
さらに、パートを休んで自宅で子どもの看病をしていると、突然、夫と不倫相手の女性がやってきた。真昼間に鉢合わせ状態となった妻は、「悪質なうえハイリスク」と2人を軽蔑。インパクトのあるタイトル通り、“クソ旦那”の仕打ちに立ち向かうマリコのリアルな心情が描かれている内容だ。
日々の生活に追われる中で、マリコは問い詰める気力が湧かない。原作者のマリコさんは自身の物語について、「ここで見て見ぬふりをすれば、また元に戻れるんじゃないかという淡い希望もありました」と、日々に追い詰められた苦労を語る。子どもを片親にしたくないという思いもあったのだろう。
マリコさんは作品を通じて、人生を「自分で決めること」の重要性についても伝えている。
「子どものために離婚するかどうか悩んでいる方も大勢いると思いますけど、母親の精神の安定が子どもの精神の安定につながるって、よく言われますよね。本当にその通りだと思います。実際、どちらを選んでも後悔すると思うんですよね。経済的な面とか、子どもから父親を奪うという後悔とか。だけど、どんなに悩んでも結局は、“人生を自分で決める”ということが大事なんじゃないかと思います」
漫画は現在も連載中で、この先も怒涛の展開が待ち受けている。そんな中で描かれる、前向きに強く生きるマリコさんのポジティブなメッセージに目が離せない。