「娘が寝込んでも不倫に出かける父親」、“逆ギレ”する夫と即離婚を選んだ母親の想いに賛否
「夫が娘の名前で不倫」というショッキングな内容を描いた電子書籍漫画『夫が娘の名前で不倫していました』(KADOKAWA)は、不倫された妻が、夫との離婚までの軌跡を綴った内容。実話ベースの怒涛の展開に、Instagramでたちまち注目を集めた小説だ。原作者のSatsukiさんの投稿を乙葉一華さん(著者)がポップに描きあげた本作は、世の中のサレ妻へのアドバイスとメッセージが大きな話題を呼んでいる。実話を投稿したSatsukiさんに、当時の苦悩を聞いた。
■不倫を“逆ギレ”された瞬間、離婚の気持ちが固まった
――本作は、夫に不倫された妻の心境と“対策”が、わかりやすく痛快に描かれていますね。
【Satsukiさん】元夫は家事や育児をほぼしてくれず、それについて何度もケンカや話し合いを重ねましたが変わってくれることはなく、かえってゲームに傾倒していってしまって。夫婦や家族としてもう機能していないなと、私の気持ちが離れかけているところで不倫が発覚したんです。多くのサレ妻さんは、気持ちが揺れるなか、やり直そうと努力することがあると思いますが、私はそんな状況でしたので「離婚か?再構築か?」という揺らぎは少なかったかもしれません。
――娘さんの名前で不倫をしていた経緯は…?
【Satsukiさん】元夫は、そもそも不倫をしようとしてその名前を名乗ったわけではないんです。オンラインゲームを始めるにあたって大好きな娘の名前をつけたら、ゲームの参加者の女性と結果的に不倫することになってしまった、ということなんだと思います。まあ、不倫相手に自分をその名前で呼ばせ続けたのはどうかと思いましたけど…。
――離婚を決定づけたタイミングはあったのでしょうか。
【Satsukiさん】元夫に不倫の事実を突きつけて、どうするつもりか聞いたときに逆ギレされました。謝るならともかく、開き直られたときに「ああ、これはもうダメだな」と思いました。普段穏やかでイライラすることもあまりなかった夫が、あんな風に声を荒げてキレた所を見たのは初めてでした。
――即離婚を決めたとのことですが、お子さんのことを考えて揺れたところもあったのでは?
【Satsukiさん】それはもちろん悩みました。私自身が母子家庭で育ち、父がいないことに寂しい思いをしたり、コンプレックスを感じたりしたこともありましたから。でも単純に「父親がいればよし」というわけではないと思っていて、元夫のようにゲームばかりして、ましてや娘が熱を出していても不倫しに出かけていくような人間が、ずっと家庭の中にいる方が娘にとってよくないと思いました。
■もっともメンタルがやられた“共有名義マンションの売却”
――作中に、「スマホを見るときは離婚する」と決めていたというシーンがありました。
【Satsukiさん】過去に、交際中の彼氏の携帯を盗み見たことがありましたが、見てもろくなことがないと学びました。それ以来「相手の携帯を見るなら別れる覚悟で」というモットーを持っていて。付き合って、結婚してからも、一度も元夫のスマホを見ようと考えたことはありませんでした。でもあのとき、間違いなく不倫の証拠がこのスマホにあるだろうと確信したので、「離婚する覚悟」を決めて、元夫のスマホを開くことにしました。
――現在、元夫と不倫相手はどうしているのでしょうか?
【Satsukiさん】娘と元夫は面会しており、私も同行しているので、それなりに生活していることは把握しています。とくにお互い深い会話はしないので、詳しいことは知りませんが…。月々の養育費は今の所、滞りなく振り込まれています。
不倫相手に関しては、彼女がかつて同棲していたお相手から関係解消したとの連絡をいただきましたが、その後、どうしたかはわかりません。ただ、ギルドを追放された後しばらくは、別のギルドに入ってゲームを続けていたようです。あんなことがあってもやめないんだって思いました。
【漫画】「もしかしてお前、娘の名前で不倫してんの!?」ゲス夫の衝撃の行動と妻のスカッと制裁エピソード
――ご自身の離婚を振り返って、とくに大変だったことは何ですか?
【Satsukiさん】気持ちの面では、始めの方でしっかり決意を固めたので揺れることは少なかったのですが、いちばん精神的にキツかったのがマンションの売却でした。連絡しなければならないことや、揃える書類が多いことなど、家をふたりの名義で持つことが、離婚するときに大変な障害になりました。売却時のやりとりは、本当にドラマかな?と思うくらいありえない出来事だらけで、漫画のクライマックスにもなっています。
自宅を共同の名義でローン購入した後に、このような離婚問題に発展すると、決着をつけるのが二倍も三倍も大変になる…ということも、読まれる方にお伝えしたかったことのひとつです。