未経験の異業種に2度の転職。業界を渡り歩いた女性が語る「転職成功のカギ」
取材・文:朝井麻由美撮影:洞澤佐智子編集:杉田穂南/マイナビウーマン編集部
なにげなくスマホを触っていると心動かされる広告に出会い、気がついたら行動に移っていた、なんてことありませんか? 私はあります。そんなWeb関連の広告を、日々工夫して運用しているのが、Macbee Planetの森小百合さんです。
ここに至るまでになんと2回も転職を経験。それも、テレビ通販のコールセンター、リクルートで営業、そして現職のMacbee PlanetでWeb広告のコンサルタント、マネージャー……多岐にわたるお仕事を経験されています。
しっかりと自身のキャリアを吟味してここまで仕事選びをしてきた森さんに、日々の仕事の軸にしていることや、転職を経て得てきたものなどを伺いました。
■人の心を動かす仕事をしたかった
ライター朝井:本日はよろしくお願いいたします! 森さんの経歴、面白いですよね。コールセンターから営業、そしてコンサルタント。どれもかなり仕事内容が違うのではないでしょうか?森さん:そうですね。かなり異なるのですが、私の中でのベースはわりと決まっていて。「人の心を動かす仕事をしたい」というのがあるんです。
1社目はテレビ通販を運営する会社でコールセンターのオペレーター、2社目は美容系サロン予約サイトの新規営業、今はWeb広告を使っての集客支援。人の心を動かすという点では共通するところがあるのではないかと思っています。
ライター朝井:確かにそうですね! どれも何かを買いたい、と人の心を動かすお仕事だ。森さん:最初の会社も、ものを実際に手に取っていなくても買いたいと思う人って何が理由でそう思うんだろう、と興味を持ったことから入社しているんです。ただ、配属されたのがコールセンター部門で、希望の部署には行けなかったんですよね。ライター朝井:そして、異動を希望するのではなく、転職へ。森さん:1社目には2年半務めたんですけど、当時、あまり異動が活発ではなくて。もしかしたら、もう少し長く勤めていれば異動できたかもしれませんが、今後ライフステージが変化して思うように働けなくなる可能性を考えたら、20代のうちに自分の得手不得手や興味関心を掘り下げておきたい、というのもありました。自分だけのことを考えて働けるのって、意外と短いんじゃないか、と思っていたんですよね。■強みは、声色ひとつで人の気持ちが分かるコミュニケーション能力
ライター朝井:なるほど、確かに……。でも、まったく未経験の職種に転職するのって、難しいイメージがあって。どういったアピールをされたのでしょう?森さん:確かに、知識の面では0なので、その点では不利なのかもしれません。私が転職の時に自分の強みとして言っていたのは、“職業が違っていても同じように使えるスキルについて”でした。
人に合わせられるとか、コミュニケーションがどうとか、そういうところを伝えていて。例えば、コールセンターでの対面ではなく電話だけのコミュニケーションで、お客さんの声色ひとつで対応を変えていた、という話をしました。
ライター朝井:すごい! 声色ひとつで!森さん:怒ってそうな声だな、とか、急いでそうだな、とか。特に、テレビで放送しているのを見てリアルタイムで電話してくるので、急いでそうな方は多かったかもしれません。声の感じを聞いて、丁寧に説明するよりもスピードを求めていそうだな、とか。■広告から「ファン」を作る方法
はい、まさに。「LTVマーケティング」というのですが、一人のお客さんがどれだけ長くサービスを利用してくださるかに特化したもので。
私が今、携わっているのは美容業界でして、例えば初回キャンペーンで半額の美容液1本買ってくださったお客様が、その後も美容液を継続して買ってくださるかに注力しています。クライアント様の商品のファンを作ろう、という感じですね。
ライター朝井:ファンはどうやって作っていくのでしょう?森さん:新規で購入して、リピーターになっている方が、どういう年代、属性、そしてどの媒体から買ってくださったのか……こういったことを分析しています。
例えばWeb記事なら、リピーターになる方が多かった記事はどういう訴求をしていたのか……。Web記事だけでなく、バナー広告、Instagramのストーリーズ広告、YouTuberさんとのコラボなど、色々です。
これらを分析して、より質の高いお客様を獲得できるような広告を展開していくのです。
■自分や周りの悩みを解決するには?
ライター朝井:現在はマネージャーもやっていらっしゃるんですよね。森さん:はい。1年ちょっと前から、メンバーのサポートや管理もしております。ライター朝井:そういったリーダーポジションをされることは昔から多かったのですか?森さん:いえ……、どちらかというと副部長などのサブ的な立場が多かったです。足りないところに目がいきがちな性格なので、旗振り役というよりも、サポートをするタイプで。中高の吹奏楽部でも、よく部員のメンタルを気にかけていましたね。
その経験は今にも生かせていると思います。基本、人の話を聞いて、私が解決してあげるというよりも、一通り話し切ってもらって、こういうことなんだねって整理して。その上で自分の中で納得感を得る方向に導けるようなコミュニケーションをしています。
ライター朝井:逆に、自分が悩みを抱いたり、落ち込んだりした時には、どのようなことをされていますか?森さん:そうですね……、意識しているのは、「この人と話すと気持ちが上がる!」って人とコミュニケーションを取ることです。今だと上長がそれにあたります。他には、前職で成績を出していた同期とかも。そういう方々と話すと、自分の悩みはちっぽけだな、と思えるんですよね。ライター朝井:おお……! ここでもやはり人と接することがキーワードなんですね。森さん:ですね。一人でいると考えすぎてどんどん落ち込んでしまうので、人と話して気分転換するようにしています。