踏んで痛いだけじゃない...レゴで「360度天井扇風機」を作った5歳児、好きの一歩先に進むことができた親の声掛け
5歳の息子さんがレゴで作った「360度天井扇風機」に注目が集まり、TikTokで3.4万を超えるいいねを集めました。プロペラがモーターで動く仕様になっており、「俺が5歳の頃はレゴが歯形だらけだったのに…」「仕組みがわかってそうなのも凄すぎる」「機械工学の先駆者になりそうな予感」とコメントが寄せられました。お子さんの興味をどう引き出すか、どう集中して取り組むか…。興味の一歩先に進むためにどうするか悩む人も多いかと思いますが、投稿者(@kisk_cr)である親御さんは「一緒に驚き、説明すること」がミソだったと話します。
【写真】5歳にして『二重反転機構』を理解し、レゴで再現する息子さん
■2歳になる前に出合った”扇風機”、「最初はとても怖いものという認識でした」
ーーTikTokにアップされていた「360度天井扇風機」について、たくさんの反響コメントが。あらためて、反響について、息子さんの作品について、どのように感じましたか。
「たくさんの好意的な反響をいただき大変ありがたく思っております。ギフテッドではというコメントもありましたが、私たちにとって息子は弟思いの優しいお兄ちゃんです。2歳になる弟のために、モーターを使わない手回しの洗車機など作ってあげたりしています。基本的に作品が1週間以上残っていることはありません。たくさん作品をあげていますが、残しておけるほどのレゴブロックがあるわけでもないので、壊してまた作って…と繰り返し遊んでいます」
ーー動画には、設計図のようなものも映っていました。息子さんがどのような手順で作っていったのか、経緯や工程、親御さんの関わり方などについてお聞かせください。
「息子はYouTubeでよく扇風機の動画を観ております。その中で、天井でぐるぐる回転している扇風機を見つけて興味を持ったようです。また、鉄道館に遊びにいった際、昔の電車の中に360度天井扇風機があり、食い入るように見ておりました。その後X(旧Twitter)で、レゴで360度天井扇風機を作っている方と知り合い、その動画を見せたところ制作意欲に火がつき、1週間の試行錯誤ののち完成させていました。親は進捗を報告してくれた際に褒めたり、どのように考えて作っているかを質問し回答を求めた程度です」
ーー息子さんは幼い頃からクルクル回るものに興味を示していたのですか?
「息子がよちよちと歩き始めた時期、扇風機と出会いました。最初は『とても怖いもの』という認識だったようで、扇風機があると近づいてもこない子でした。そのおかげで、テレワークが捗ったりもしましたが(笑)。しかしすぐに『扇風機は怖くない』ことがわかったようで、それからは一転し、大好きなものとなりましたそれが2歳になる前だったと思います」
■「このパーツがないから作れない」欲しい理由をしっかり説明し、親を説得
ーー扇風機が好きそうだな…というところから、モーターの原理や構造など、もっと奥深いところまで学んでいくきっかけは、どのようなものだったのでしょうか?
「近くに科学館があり、よく遊びにいっていたこと。また電気街も近くにあるので積極的に連れて行ったこと、アンテークショップに定期的に行き1920年代〜のレトロ扇風機を眺める趣味があったことが、それらに興味を持ったきっかけだと思います。息子が首振り機構を発見した際には、一緒に驚き、そしてそれとなく回転が正弦波に変わることをYouTubeの動画を見せつつ、説明した覚えがあります。本人もその動きについては感心しておりました」
ーー息子さんは作品をつくりはじめると、どのくらい集中して取り組みますか?
「集中しはじめると、それこそ寝ても起きてもそのことを考えているようで、幼稚園に行ってもお菓子の箱で扇風機を作り、家に帰ってレゴで扇風機を作り、食事中に扇風機について語り、夢の中でも扇風機について語っています」
ーーレゴの費用、個別で購入しているモーターなどの費用も出費としてかかるかと思いますが、ご家庭ではどのようにとらえていますか?
「定期的に購入はしておらず、本人が『欲しい』と言った時に、どうして欲しいかを説明してもらい納得したら購入しています。親を納得させる手段としてレゴで欲しいのものに近しいものを作り、『このパーツがないから作れない』と説明するので、創作物の数も増えているのかなと感じております。金額的には決して安いものではないですが、お金では変えられない経験を親子ともにさせていただいていると思います」
ーーこのような環境を作ってあげられることも、すごいことだと感じます。息子さんには、今後どのように作品づくりに取り組んでいってほしいですか? どんなサポートをしてあげたいですか?
「息子にはやりたいことをのびのびとやってもらえれば良いと思っております。作品作りもたくさんして欲しいと思いますが、同じくらいお友達や社会とふれあっていけるサポートをしていきたいです。あえて私の直近の要望をいうならば、私が子どもの頃、親が連れて行ってくれた建造中の『スーパーカミオカンデ』の見学に息子を連れて行けたらと思っています。宇宙のことも好きな息子。最先端に触れてこそで何かを感じ取ってもらえれたらと思っています」