「顔より個性が出る」局部の“差異”は比較できないからこそ悩みに...いま“婦人科形成”の必要性が問われるワケ

2022年07月06日 07時30分

ライフスタイル eltha



局部の悩み…なかにはパートナーから指摘されて悩む人も


 ここ数年、日本でも大きな注目を集め始めている「婦人科形成」。女性器などのデリケートな部分のさまざまなお悩みに対する施術を行う診療科目である。大きさや色などのコンプレックス的な面から、擦れや臭いなどの機能的な面まで、女性が抱える悩みや不安を解消するための治療を行ってくれる。湘南美容クリニックの鶴田優希先生は婦人科形成エキスパートドクターでありながら、InstagramやYouTube、TikTokなどのSNSを駆使して、婦人科形成に関する情報も日々発信し続けている。婦人科形成ではどういった施術が行われるものなのか、どのような方が施術に来られるのか、話を聞いた。


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■コンプレックスや機能面での不快感で施術を希望する人が増加


――「婦人科形成」は、ここ最近目にする機会が増えた印象がありますが、そもそもどういった目的で生まれた施術なのでしょうか?


【優希先生】もともと海外では保険診療として行っているところもたくさんあり、例えば「小陰唇肥大」などと病名をつけて、産婦人科や外科の先生が普通に治療をしています。日本ではまだそういうことが進んでいないですし、保険診療のシステムも整っていないので美容の範疇にあって、ここ数年で一気に伸びてきているという感じですね。


――ゆき先生のところへ来る患者さんは、どういったお悩みで来られる方が多いのですか?


【優希先生】さまざまなケースがありますが、「小陰唇のヒダのところが大きくて嫌だ」とか「色が黒ずんでいるのがコンプレックスだ」など、見た目でのコンプレックスから施術を受ける方が多いです。あとは、擦れるとか臭いなどの機能的な部分が原因で施術をされる方もいます。いずれにせよ、コンプレックスや不快感を解消するために施術を受けるというイメージですね。解決策はないかと自分で調べるうちに、当院のホームページや私のInstagramにたどり着いて来てくださるようです。


――顔などと違い、女性器は自分しかわからなくて比べようがない部分だと思うのですが、みなさんそれぞれバラバラなものなのですか?


【優希先生】顔よりも個性が出る部分だと思います。本当に人によって違っていて、左右で大きさが全然違うなんてこともよくあります。「ほかの人と比べられないからどうなんだろう?」という思いでみなさん来られますね。ホームページなどに局部の写真は載せられないので、来てくださった方に症例写真をお見せして説明しています。


――ちなみに、どういう施術が多いですか?


【優希先生】8割くらいの患者さんが「小陰唇縮小手術」、お股を閉じたときに飛び出てしまうヒダをカットする手術です。水着とかトレーニングウェアを着た際に出てしまうことがあるんですよね。あと、人間はどうしても膣が緩んできてしまうものなのですが、それを引き締める施術をされる方も結構います。


■1日3~4人施術も 初めての性交渉を経験する10代から介護を考える年配の方まで需要が伸長


――現在、美容整形の中で「婦人科形成」はどのぐらいの需要があるのですか?


【優希先生】数としてはかなり多いです。私も毎日3~4人くらい施術をしています。海外の学会などに行くと、美容外科学会とかで「婦人科形成」というのはすごく大きな一部門でメジャーなエリアなんです。日本はまだちょっと遅れていますが、それがもうそろそろ来るのかなとは思います。


――年齢層はどのへんが多いでしょうか?


【優希先生】本当に色々です。私の経験だと、一番若い方は10代の高校生。多分ですが、初めての性交渉を経験するくらいやVIO脱毛を始めたくらいの頃で、新たな悩みが出てきたみたいな…。平均だと30代くらいですかね。20代も多いですし、年配の方でも緩みとかの悩みでいらっしゃる方もいます。蒸れたり汚くなったりしがちなので、介護される前に綺麗にするという方も多いです。


――婦人科形成によるメリットは、どういったことが考えられますか?


【優希先生】見た目とかコンプレックスとか以外だと、例えばスキニーなどを穿くと擦れたりすると思うんですけど、そういったことがなくなります。あと、摩擦が生じたり溝が深くてヒダが大きかったりするとバイ菌が溜まって炎症が起こったりしちゃうので、そういったことも防げます。


■「コンプレックスがあるから、勇気を出して解消したときに喜びが得られると思う」医者としてのやりがい


――婦人科形成をされた患者さんの反響は?


【優希先生】満足度は高いと思います。目とか鼻とかの整形だと、ちょっと思ったものと違ったり再手術をしたりとかで、完璧な理想の状態になるのはかなり難しいと思うんです。でも、婦人科形成だと「やってよかったです」と言ってもらえることが多いです。


――施術を行う上で、先生はどういったことを大切にしていますか?


【優希先生】カウンセリングでは、必要以上に引き出してあげないと何をしてほしいのかがわからないので、なるべく時間をかけてフレンドリーに接して突っ込んだ話をするようにしています。性交渉のこととか、いつ頃したいとか、そういった話までして、ベストな選択肢を提示するようにしています。


――そもそもゆき先生が美容整形外科医を志したきっかけは?


【優希先生】私が通っていた大学は女子学生が少なくて、10人に1人とかだったんです。そこでちょっと寂しい思いをしたので、女性としてできること、業界を引っ張っていけることをやっていきたいなって考えていました。最初はなるべく元気で働いている女性たちを相手に仕事がしたいなと思い、乳がんに携わる仕事をしばらくしていました。お胸を取った後、作り直すほうの仕事です。


おっぱいを作っていくなかで、抗がん剤などの治療よりも、綺麗におっぱいを形作ったり、悩んでいる人の話を聞くなどのお悩み解決部隊みたいな仕事が好きだと気づきました。2年前に異動を告げられた際、いろいろなタイミングが重なって「美容に転職しよう」と、去年から美容整形外科医になりました。


――特に印象に残っている患者さんはいますか?


【優希先生】打ち解けないと細かく話してくれないので、カウンセリングではフランクに話すように気をつけているんですけど、若い子だと悩みを話しながら泣き出しちゃうこともあるんです。そういう子たちが施術後に検診に来たときに笑顔が増えていると、やりがいを感じますね。


――先生の存在が本当に大きかったんでしょうね。


【優希先生】あと、結構びっくりしたのが、施術した人からDMが結構来るんです。わざわざ私のSNSアカウントをフォローして、長文で感謝を伝えてくれるって、相当な想いがないとしないですよね。何度か「本当に人生が変わりました」みたいに言われたことがあった時に、「やっぱり私はこの仕事だったんだな」って感じましたね。


――弊社WEBメディア「eltha by ORICON NEWS」は、「コンプレックスを解き放つ」をテーマに掲げておりますが、ゆき先生にとってコンプレックスとは何でしょうか?


【優希先生】私はコンプレックスを抱えている人のコンプレックスがなくなる瞬間にずっと携わっているのですが、逆にコンプレックスがあるから、それがなくなったときや勇気を出して解消したときに喜びが得られると思うんです。あってはいけないものではないと思うし、向き合ってそれを解決したときに喜びが待っているものかなって。


――最後に、婦人科形成で悩まれている読者に向けてメッセージをお願いします。


【優希先生】「自分だけが…」ってみなさん思っているのですが、私の目線では毎日何十人もその同じ診療をしていて、ものすごく日常的なことです。だから、「みんなも同じだよ」ということをお伝えしたい。とはいってもわからないと思うので、話すだけならタダだから、もしかしたらと思ったらクリニックに話を聞きに行くだけでもしてもらえれば、悩みがそれで晴れてしまう方もいるかもしれないので、気軽に受診してみてほしいなと思います。

eltha

2022年07月06日 07時30分

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