陣痛に苦しむ妻にモラハラ夫が暴言、子どもにまで被害が及び...「一生恨んでやる」復讐決めた妻の覚悟
家庭内での被害が絶えない夫から妻へのモラハラ。被害者のひとりであり、夫の暴言と支配に耐え続ける日々から抜け出すことができたもちママさんは、被害に気づかない洗脳の恐ろしさと夫から受けた虐待の数々をInstagramで発信し、多くの共感と応援のメッセージを得ている。そんなもちママさんのモラハラ夫との決別の道のりはどのようなものだったのか。
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■被害に気づかないモラハラ夫、「洗脳」の恐ろしさとは
モラハラ夫との実体験を漫画『モラハラ夫に人生を狂わされた話』で描くもちママさん。大学時代にSNSを通じて出会った夫とは、遠距離恋愛から同棲、結婚。そして過酷なモラハラを受けて別居し、離婚に至る。自身のつらい体験を赤裸々に発信することで「モラハラだと気づかないまま苦しんでいる女性に目を覚ましてほしい」と語るもちママさんは、振り返ると結婚前から夫にその傾向はあったという。
「『お前は実家にいたらだめになる、早く家から出ろ』とよく言われていました。思い返せば結婚前にも“兆し”はいっぱいありましたが、当時は恋愛脳で頭の中がお花畑状態だったので、気づくことができなかったんです」
もちママさんを自分の手元に置くことで完全に支配したいモラハラ夫は、とにかく実家から引っ張り出そうと、彼女の母親まで批判する言動を繰り返していたという。冷静に考えれば理解しがたい振る舞いであるが、当時はそれがモラハラへと変わっていくとは想像できなかった。
「『お前の母親はおかしい、その家にいたら成長できなくなるぞ!』など、母を悪く言われてモヤモヤすることもありました。けれど、私のためを想ってくれていい人…くらいにしか思っていませんでした。モラハラの兆しというより、人としてどうなんだ? という部分はかなり出ていましたが、当時は盲目になっていました(苦笑)」
結婚後、過酷なモラハラにさらされることになったもちママさん。それは子どもを妊娠しても変わらなかった。次女の妊娠中に、お腹に向かって夫から「いっぱい金かかったから老後はいっぱい面倒みてもらわないとなぁ」と言われたときは、悲しさとつらさ、切なさが入り混じったなんとも言えない気持ちになったという。
■家計までコントロールされ…子ども服を買うために“OK”のおうかがい
そんな自分のことしか頭にない夫は、お腹の赤ちゃんにダウン症の疑いがあったときは「堕ろせ」と平然と言ってのけ、もちママさんの「まだ生まれてもいないのにそんなこと言うな」という言葉にはまったく聞く耳を持たなかったという。そして、出産後の子育て中もモラハラは続く。もちママさんはその頃の印象的な出来事をこう語る。
「私が働いて得た給料も、スライド式に夫の口座に振り込まれるよう夫がコントロールしていたので、自分でATMに行ってお金を自由に出し入れできない。おうかがいを立てて、夫からOKが出なければ、日々成長する子どものために服も買えませんでした。でも夫は自由にコンビニで好きな食べ物、飲み物を買って、仕事で必要だからと高価な私物も買っていて…。その状況をおかしいと思いつつも、何も言い返せない状態だったのが、つらい経験していたんだなって、いま振り返ると思います」
モラハラ夫の暴言が日常となっていたもちママさんは、いつしか何が起きても「自分がすべて悪いから」と考える“洗脳状態”に陥る。夫に抗うことも離れることもできず、ただつらさに耐える日々を送っていたなか、目を覚ましたくれたのが母親の「あなたは悪くない」という言葉だった。
「その言葉でふわっと肩の重みが取れたことを覚えています。夫に責められ続けて、自分が悪いと思っていた部分を母に否定してもらえたことが自信につながったんだと思います」
それから徐々に洗脳が解けていき、育児家事、仕事をこなしながら国家試験に合格したことで、自分に自信を取り戻すことができたという。それがもちママさんのモラハラ夫との決別への第一歩となった。その後、離別を決意して実家へ戻り、自身の生活を取り戻すとともに夫との離婚へと進んでいく。
モラハラによって失った自信や自己肯定感を回復させるのは簡単なことではない。そんな状況の女性へ「あなたは悪くないんだよ」と伝えていきたいともちママさんは語る。その気づきを得ることが、すべての再生へとつながっていくことだろう。