イヤイヤ期の2才娘に愉快に対応する父“海苔ご飯おじさん”に170万再生「楽しまなきゃやってらんない」
8才の息子と2才の娘を育てる子育てインフルエンサーの木下ゆーきさん。“イヤイヤ期”真っ只中の娘さんは、海苔ご飯の完食にも一苦労。この日もいきなり叫び出したり立ち上がったりと落ち着かない娘さんに対し、「これはもうおいしくておいしくてテンションが上がってしまっている子どもの象徴であります」「こっちに“乗り”移る?海苔だけに。やかましいわ!なんつって」などと愉快に対応するお父さんの姿に、「幸せの塊」「こんなパパになりたい」「大変な時期なのに微笑ましい」などの反響が寄せられた。かつてはシングルファザーとしてワンオペ育児に四苦八苦していたというが、育児を楽しめるようになったきっかけを聞いた。
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■子育て中のイライラは、子どもとちゃんと向き合って真剣に子育てをしている証拠
――「子どもがご飯を食べない時に現れる、海苔ご飯おじさん。」という投稿に大きな反響がありましたが、“海苔ご飯おじさん”が誕生した経緯を教えてください。
子どもがなかなかご飯を食べてくれない時に、子どもの気を紛らわすために始めたのがきっかけです。イヤイヤ期の子どもに対して、真っ向から「食べて」と要求を出しても、「イヤ」と拒否されてお互いにストレスになってしまいます。そのため、【ご飯がスプーン飛行機に乗って飛んできた】という設定で食べさせたり、【食べられたくないご飯くん】という設定の子芝居をしながら食べさせたりしています。【海苔ご飯おじさん】もそのうちのひとつです。
――大きな反響が寄せられていましたね。
たくさんの方が拡散して下さったおかげで多くの方に笑顔の輪が広がったと思うので、とても嬉しく思っています。「ご飯中に子どもが立ち上がってもイライラしないで怒らないママになりたい……」というコメントを頂きました。子育てにイライラは付き物ですし、僕も毎日のようにイライラして大声で怒ったりしています。子育て中のイライラは、子どもとちゃんと向き合って真剣に子育てをしている証拠だと思うので、自分を責めずにゆる~くラク~に子育てしてもらえたら嬉しいです!
――普段からお子さんとこのようなやり取りをされているのでしょうか。
普段からしています。子ども達もとても嬉しそうな反応を示してくれます。大人も上から高圧的に指示されることを嫌うように、子どもも同じ目線に立ってうまく誘導してもらう方が好きなんだと思います。最近では、小学2年生の息子が僕のマネをしながら娘にご飯を食べさせてくれたり、娘の機嫌を上手にとりながら遊んでくれたりしています。その様子を見て「あ、この子はいい父親になるな」と思いました(笑)。
――いつもお子さんと何して遊んでいますか。
子どもたちよりも子どもになって遊んでいます!公園では子どもたちより全力で走り回るし、おままごとではしっかり役に入り込んで演じます。おままごとで犬の役を命じられたら、「大型犬なのか小型犬なのか、何歳くらいでどのような性格の犬なのか」を自分で考え、軸がブレないよう役になり切ります。
■虐待ニュースをきっかけに“子育てインフルエンサー”に「育児は適当にゆるく、が大切」
――“子育てインフルエンサー”として日々育児に関する情報を発信されていますが、そのきっかけは何だったのでしょうか。
テレビの報道番組で、虐待のニュースを目にしたのがきっかけです。夜泣きをした当時11か月の子どもを母親が床にたたきつけ、その後子どもは死亡したというものでした。このニュースで僕が強いショックを受けたのは、その子どもが三つ子だったということでした。子どもが1人でさえ大変なのに、三つ子を育てることがどれだけ大変かは想像に難くありません。僕自身、シングルファザーとして長男を育てていた時期があったため、子育ての大変さや辛さは痛いほど分かりました。「小さな命を、そして苦しんでいるパパやママを救いたい……」という思いがきっかけとなり、SNSを通じて笑いを交えた子育て情報の発信を始めました。
――情報発信を始めて、気づいたことやご自身の変化はありましたか。
SNS総フォロワー数は約25万人なのですが、その多くが女性です。このような男女比からも、『子育て』に対する男性の関心度の低さというのは感じました。また、とても嬉しいことに街で声をかけてもらえることが多くなったので、外出前に鼻毛が出ていないか入念にチェックするようになりました。
――子育てをされる上で意識されていることはありますか。
子どもは親の背中を見て育ちます。親が汚い言葉を使っていると子どもも汚い言葉遣いになるし、親が誰かを非難していたら子どもも同様の思想になります。そのため、自分の言動は常に子どもたちの人格形成に繋がるということを意識して生活しています。『子どもが育つ』ためには、『親が育つ』ことが大切だと考えています。
――とても楽しく子育てをされている印象ですが、楽しめるようになったきっかけがあれば教えてください。
日々子育てに追われ、家事に追われ、仕事に追われ……「楽しまなきゃやってらんない」と思ったのがきっかけかもしれないです(笑)。僕のSNSの投稿を見て頂ければ分かるのですが、部屋は散らかっているし、服装はスウェットをズボンにインした状態で写っています。すべてを完璧にこなそうと思ったら苦しくなってしまうのですが、これくらい適当にゆる~くやるのが楽しめる秘訣だと思います。部屋が散らかっていても、子どもが極度の偏食でも、着替えるのがめんどくさくて一日中パジャマ姿の日があってもいいんです。笑顔でいられるなら、それでいいんです。
――外出自粛やリモートワークなどにより子育てにも影響が出ているかと思いますが、工夫されていることなどがあれば教えてください。
コロナ対策としては、周知されている予防策をしっかりと行うこと。これは大前提として大切なことです。加えて、このような大きな環境の変化というのは、精神的にも大きな負担となるシーンが多々あると思います。そのため、家族でしっかりと会話をするよう心掛けています。些細な不安や不満を言葉にして外に出すことで、お互いの気持ちを知り、支え合うことが出来るからです。また、新型コロナウイルスの影響で産後うつの割合が例年の倍以上になっている恐れがあるという記事も目にしました。辛い思いをしている方を少しでも救えるよう、笑いを交えた発信を今後も継続して行っていきたいと考えています。
――子育てにおいて大切なことは何だと思われますか。
完璧にやろうとしないこと。ゆる~く適当に頑張るくらいがちょうどいいと思っています。「子どものために……」っていつも子ども第一で頑張っているママも、たまには自分のためにケーキでも買って、お皿にも移さず全部ひとりで食べたらいいと思います。子育てのことは一旦忘れて、「クリームはおいしいけどスポンジぱっさぱさだな……」なんて思う時間が大切だと思います。