産後深刻な脱毛症になった女性が“丸坊主”の決断 「髪が抜けるくらいなら」と前向きに考えられた理由

2023年01月30日 07時30分

ヘア eltha



脱毛症の症状に苦しみ、バリカンで髪を刈った、ひかみりリットルさん


 原因不明の脱毛症になってしまい、その経験をYouTubeで配信しているひかみりリットルさん。5歳と2歳の子どもがいる彼女が脱毛症を発症したのは、下の子を妊娠・出産したときのことだった。病院に通い、飲み薬やステロイド注射、新しい療法などを試したものの、効果が出ても再発をしてしまう状況に。抜け落ちる髪が床に落ち、それを見るのも掃除するのもツラいーー。いっそ髪を刈ってしまおうと、丸坊主にすることを選んだ。そんな選択をも明るく前向きに発信する彼女は、症状とどのように向き合ってきたのか。


【写真】動くだけで抜け落ちる髪…脱毛箇所を見せるひかみりリットルさん


■“恐怖感”でいっぱいでも「可能性が1あるなら諦めるのは早い」


――症状が出た当初は、抜けていく髪を見てどのような思いでしたか?


【ひかみりリットル】最初は円形脱毛症の小さいものでおさまってくれたらいいなと思っていました。でも、髪に触れると抜けた毛の束が絡んだり、日常でちょっとした動作をしただけでも髪がパラパラと落ちる。「どこまで抜けちゃうんだろう」という恐怖感でいっぱいでしたね。


一方で、この抜け具合でいくとすべて抜けてしまうかもという予測もあったので、いよいよ来たなと冷静に考えている自分もいました。すべて抜けちゃった後、この先どうやって生きていこうかと今後のことも考えていました。


――日によって感情も揺れ動いている感じだった?


【ひかみりリットル】脱毛症の原因が不明なので、髪が抜ける以外にもっと大きい病気が隠れている可能性もありました。病院でできる検査はすべて済ませて、命に関わる大きなものではないと分かったところで、よかったという気持ちになれました。「髪が抜けるだけで済んでよかった~」って思っていました。


――YouTubeでは、治療の経過や再発についてポジティブに語っているのが印象的です。前向きに考えるきっかけはどんなところにあった?


【ひかみりリットル】私は15歳のときに母親を突然の病死で亡くしているんですけど、その経験が大きいと思います。大切な人の死を受け入れるのは、すごく時間がかかります。「どうしたら生き返ってくれるんだろう」などと考えてしまう。その可能性は0%ですけど、脱毛症に関しては治る可能性が1%はあるわけで…。できることが0なのか、1なのかで全然違うし、1でもあることが有り難いと感じるので、諦めるのはまだ早い。「私はまだ0じゃないぞ!」という気持ちでいろんなことを受け止めています。


■頑張りすぎていた産後、「自分はやれる」思いだけで突き進んでいた


――下のお子さんを授かる前、2度の流産を経験されたと動画で打ち明けられていました。当時は体調の悪い時期がずっと続いていたのでしょうか?


【ひかみりリットル】1年のうち、3回つわりを経験したことになります。吐いてしまうので、食べ物の栄養バランスを気にすることができていませんでした。ホルモンバランスや出産で体質が変わるということもあまり信じていなかったので、産後も妊娠前と変わらず動き続けていました。今思えば、そこで頑張りすぎたことが原因としてあるだろうなと思っています。


――当時の生活は、どのような感じだったのでしょうか?


【ひかみりリットル】髪が一番抜けたのが長男(第2子)を出産した後なのですが、ちょうどコロナが流行り始めた時期で、家族と面会ができませんでした。出産後4日ほど入院しなければいけないところを、上の子に会えないのがつらすぎて、2日で自分から退院してしまったんです。コロナで上の子の保育園も休園になり、サポートに来てくれるはずだった親も来れなくなって…。みんな家にいる状態だったので、出産直後でも私が動き回らなくてはいけませんでした。


そのあとすごく就きたかった仕事に転職して、赤ちゃんが4ヵ月のときからフルタイムで働き出しました。仕事から帰宅をしてご飯を作って、夜中にはおっぱいをあげて、たまった仕事・家事もして、早朝に起きて子どものお弁当を作ってみたいな、わけがわからない生活を送っていましたね。


――今思うと、もう少し休んだりペースを落としたりしてもよかったなという思いはありますか?


【ひかみりリットルさん】ありますね。体の声に耳を傾けるというのを今まで考えたことがなかったので、もっと聞いてあげれば違っただろうなとは思っています。完全に「やれる」という思いだけで突き進んでいましたから…。


――病院に通い始めたのはいつ頃からなのですか?


【ひかみりリットル】産後半年が経ったくらいです。最初は塗り薬と飲み薬をもらったのですが、あまり効果がなくてステロイド注射をしました。そこで髪が生えてきたんですが、しばらくするとまた抜けてしまって…。注射は髪の生えていない20~30カ所に打っていきます。声が出てしまうくらい痛くて惨めで涙も出ました。


ステロイド注射でも治る見込みがなかったので、次の治療法として“オーソモレキュラー療法”を選びました。治療というよりは、自分に足りないサプリメントを飲むことと、生活指導が主です。私の症状はストレスや心因性のものではなく、睡眠や食生活に問題があると感じていたからです。


――体質を改善する動きをとってみて、どう感じましたか?


【ひかみりリットルさん】アレルギー検査をして、小麦など自分に合っていない食材がわかりました。それらの食材を摂らなくなっただけで、今まで感じていただるさ、異常なほどの眠気がなくなっていきました。効果が出るまでに3~4週間ほどかかったんですが、それからは髪も抜け具合も落ち着いて、これは合っているのかもと最初は思っていました。


――しかし、また再発してしまったと…。


【ひかみりリットル】おそらく食事だけではない、さまざまな原因が絡んでいるんです。例えば、その頃に使い始めたアイシャドウが合わなくて、目にかゆみを感じることがありました。でも、そんなに気にせずに使い続けちゃうような大雑把さがあったんです。


アイシャドウの成分が合わず、それに反応して髪が抜けたとも考えられます。考えうる原因がまだまだたくさんあったので、絶望というよりはまだやれることがあるという希望を持った状態でした。それと身体に向き合うきっかけを与えてくれて、「少し自分の体を見直しなさい」という声でもあったんだなと感じました。髪が生えてこなかったとしても、今までの自分よりは健康になれるからラッキーだと思っていましたね。


■バリカンで丸坊主に「変わらずにいる家族の存在があったから決断できた」


――バリカンで髪を刈って坊主になった動画も発信していました。坊主にするのはとても勇気がいると思いますが、どういった心境でしたか?


【ひかみりリットル】できれば刈りたくなかったですけど、そのときの髪の抜け方が異常だったんです。最初はちょっとずつ抜ける感じでしたが、一気にバサッと手に取れるくらい抜け始めてからは、すべて抜けてしまうだろうというのが見えていたので…。


歩くだけでも抜けていたので、いちいち掃除をする煩わしさから解放されたいという思いが一番でした。どうせ抜けちゃうのだったら、もう刈ってしまいたいと。「坊主にしようかな~」と夫に相談をしていたら、母の日のプレゼントにバリカンをもらったんです(笑)。


――それは、驚きのプレゼントでしたね(笑)。


【ひかみりリットル】バリカンだけ渡さたので、「カーネーションとかないのかよっ!」とツッコんで…(笑)。でもいざ刈り始めると、これで抜けることから解放されるという気持ちと、「ここから新しい自分になるぞ」という楽しみな気持ちが湧き起こっていました。


夫は「見た目は関係ないよ」って認めてくれる人です。頭を刈ったときも「このほうが絶対にいいね。刈っちゃったほうが楽になるしいいね」と言ってくれました。


――心強い味方ですね。


【ひかみりリットル】父、兄、妹も、私が脱毛症のことを打ち明けたときに、すごく冷静で優しくしすぎずに「大変だったな」で済ませてくれたんです。兄は「これからもいっぱい帰って来い。こっちは何も心配することないよ」って言ってくれました。友達も「そのウィッグ似合うよね」とか「ひかがひかならいいじゃん」と言ってくれたので、そういう人たちに囲まれていて本当に有り難いと感じましたね。


――気持ちが落ち込むことはなかった?


【ひかみりリットル】もう髪のある姿には一生戻れないかもしれないと気分が落ち込みましたが、新しい決断をすることで、きっと何か面白いことにつながるはずだと思っていました。私が見た目にとらわれずにいられたのは、どんな見た目でも変わらずにいてくれる家族がいるからこそでした。しっかり生きていれば、その“生き方”で見てもらえるから。見た目は別に関係がないんだと実感した出来事でもありましたね。


――現在は脱毛症とどのように向き合っていすか?


【ひかみりリットル】サプリを飲むことはお休みしていますが、食生活の改善は続けいます。今、ちょっとずつですが産毛が生えてきているんです。髪が抜け出して半年から1年以内くらいで生え出している人は多いので、食生活改善はこれくらい時間がかかるんだなという感じです。今は白髪の産毛が生えてきているので、この状況をYouTubeでも発信していこうと思っています。


脱毛症とは楽しく付き合っていこうと思っていて、今はウィッグを楽しんでいます。気が緩んでしまったり、生えてきても抜けちゃったりすることも、今後の人生ではあると思うんです。そうなったときは、ウィッグや眉毛シール、まつ毛を描くとかを楽しめば、おしゃれをして女性らしく生きていけるよということを発信していくスタイルでいたいです。


――同じ症状で悩んでいる人に向けて、言いたいことは?


【ひかみりリットル】私はもともと性格的に前向きだから受け止めることもできましたが、髪が抜けるとやっぱり落ち込みます。マイナスに受け取ってしまうのが当たり前で、何も悪くなくてそれが普通だと思います。ただ、私みたいな人もいるんだとか、こういう考え方もあるんだと思ってもらえたらうれしいです。


――ひかみりリットルさんは、きっと心強い存在だと思います。


【ひかみりリットル】「髪が抜けるくらいなら」と私は思っています。自分の中身が輝いていれば髪はそこまで重要ではないし、今の時代はウィッグもあります。「髪が抜けちゃう」と悩んでいるところから、ちょっと頑張って乗り越えて「楽しもう」というところまでいけたら、自分の心は昔よりかっこよくなっている。内側から出るものに目が向いて、この先も生きていけるのではないかなと思います。

eltha

2023年01月30日 07時30分

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