“育児あるある”から『鬼滅の刃』の再現まで...シルバニアを通して表現される“平和な世界”が癒しに
2020年で誕生から35周年を迎えたシルバニアファミリー。公式ではシルバニア村村長選が開催され、人気商品とのコラボや35周年記念イベントの開催などで賑わいを見せた。今年はコロナに見舞われ自粛生活を余儀なくされたが、SNSを見ると好きなアニメのコスプレや日常あるあるなどをシルバニアで表現するアカウントが。ユーザーに“癒し”を与え、“新たな楽しみ方”を発信していた。ORICON NEWSでは、そんな話題の“シルバニアアカウント”を取材。投稿者それぞれのシルバニアの愛で方や魅力について話を聞いた。
【写真】「さあ!年末はみんなで大掃除だー!!」雑巾がけするシルバニア赤ちゃん
■シルバニアは「日々の活力」、息子の寝てる間に癒しを紡ぐ育児中ママの思い
大量のお菓子を自分たちの家へと運び込むシルバニアの大行列を投稿したひよこ(@h1natan0h1y0k0)さんは、もともと幼い頃からシルバニアファミリーで遊んでいたという生粋のシルバニア愛の持ち主。妹の結婚を機にもともと遊んでいたシルバニアを仕分けしたときに懐かしさがこみ上げ、シルバニアへの思いが再燃したそう。
SNSで12万いいねの大反響を呼んだ“シルバニア赤ちゃんたちによるお菓子の大名行列”は息子さんとの散歩中に、発見したあるものからの着想だったとか。
「アリの行列が目に入ったことがきっかけでした。帰宅して息子とおままごとをしながら、この食材をシルバニアがアリの行列みたいに運んだら可愛いんじゃないかと思ったんです。でも、おままごとの食材では大きいので、お菓子にしてみました。お菓子はパッケージも可愛く、シルバニアとの相性もとってもいいんですよ」(ひよこさん)
現在育休中だというひよこさんがシルバニアを楽しむのは、息子さんが眠りについたわずかな時間のみ。限られた時間のなかで遊ぶシルバニアは、ひよこさんにとって「生きる原動力」なのだという。
「息子のお昼寝と夜寝た後に遊んでいます。制作中のときには夜更かしをすることも…。1歳の息子は、シルバニアを見つけると目をキラキラと輝かせて、欲しいと泣いて訴えてきます。息子には私と同じようにシルバニアを愛してほしいので、思いっきり一緒に遊べる年齢になるのが待ち遠しいです」(ひよこさん)
■「こんな優しい世界の未来があったらよかった」戦わない鬼殺隊が平和すぎるシルバニア版『鬼滅の刃』
今年大ヒットした『鬼滅の刃』を見事にシルバニアで再現したらぐどーる(@ragdoll3377)さんは、映画版主題歌であるLiSA『炎』の歌詞から、「こんな優しい世界の未来があったらよかったな」という願望をシルバニアで形にしたという。シルバニアと『鬼滅の刃』を親和させるために、衣装から日輪刀まで細部にこだわった。
「シルバニアをコスプレさせる上で大切にしているのは、なるべく忠実に衣装を再現することです。人形の顔貌ではなく、衣装だけで「あのキャラだ!」と認識してもらう必要があるからです。義勇さんや胡蝶さんの羽織の柄なども、できるだけ本物に近づけるようにIllustratorで一つずつ作成しました」(らぐどーるさん)
ほかにも『コードギアス』や『銀河英雄伝説』などのキャラクターコスチュームをシルバニアで見事に再現。そのクオリティーの高さに「いいね1000万回押したい」「商品化してほしい」という声も。そんな、らぐどーるさんにとってシルバニアは「自分の好きなことを全力で楽しんでいいと教えてくれた存在」だという。
「SNSを見ると、年齢性別国籍関係なく、それぞれの方法でシルバニアを楽しんでいる方が大勢いらっしゃいます。また、シルバニアの可愛さのおかげで多くの方に作品を見てもらえている部分があるので、創作活動の幅を拡げてくれた存在でもあります。シルバニアは可愛いだけでなく、クスっと笑えるような面白さや格好良さなど、色々な面を持っているので、幅広い遊び方ができる魅力があると思います」(らぐどーるさん)
■「シルバニアのみんなを藤井二冠と対局させてあげられる…!」“世紀の対局“の裏に溢れ出るシルバニア愛
藤井聡太二冠のアクリルスタンドとシルバニアの赤ちゃんたちとの対局の様子を投稿し「夢のコラボすぎる」「聡太先生を含め可愛い世界」と話題になったほづみ(@hhhina_)さん。現在大学生というほづみさんは「友達にその可愛さを共有したい」とシルバニアとともに大学に通う筋金入りのシルバニアンだ。
「基本的になんでもシルバニアにも使ってみよう!って思ってしまうんです。藤井聡太二冠のアクリルスタンドも、日本将棋連盟のツイートで知り、『これがあればシルバニアのみんなを藤井二冠と対局させてあげられる…!』と、翌日には将棋会館に走りました。人よりも幼少期にシルバニアに触れてこなかったこともあり、いい意味で縛られてないと思います。これからも世界観を大事にしながら、様々な形で彼らの可愛さを伝えたいと思っています」(ほづみさん)
そんなほづみさんにとってシルバニアの魅力は「自分だけのパートナーになってくれる」ところだという。
「一見、同じ物でも意外とお顔に個体差があります。しかも一緒にいるうちに顔つきが変わってくるんですよ。それでより愛着がわいてくる。それは他のシルバニアを大切にしているファンにとっても同じで、その人にはその人の大切なシルバニアです。他の方のお写真を見るのも楽しいですし、同じようでも全く違った個性を感じます」(ほづみさん)
■シルバニアは「魔性! 悪魔的エンタメ性!」家族も呆れる投稿者の猛烈“シルバニア愛”
「#大人のシルバニア」というハッシュタグを用い、時事ネタやあるあるネタなどを可愛らしいシルバニアファミリーの人形を使って再現する投稿が話題のシルバニア大使(@sylvanianwriter)さん。「デートあるある」や「食券制あるある」、「セルフスタンドあるある」、また「学校で信用してはいけない言葉」や「職場がブラック化する過程」など、さまざまなシチュエーションでの出来事をシルバニアで細かく表現している。
「パロディというよりは『再現』です。いかに忠実に再現するかが勝負。「あの作品のワンシーンをシルバニアで再現するとこうなるのか」という、ちょっと方向の違った笑いを提供できるように、日々制作に取り組んでいます。なお、この投稿形式が、ネタ切れによる苦し紛れからひねり出されたということは内緒です」(シルバニア大使さん)
投稿には「再現度が高い」「これ本当によくやっちゃう」などの共感コメントのほか「資金力や発想力がすごい」との声も。実際にシルバニアに「軽自動車1台分(カーナビ付き)」つぎ込んだとか(!)。それほどまでシルバニア大使さんを夢中にさせるシルバニアファミリーとは。
「沼ですね、それも底なし沼。『ちょっとだけなら…』つもりが…陥っている…! 肩まで浸かっている…! 逃れられない…! シルバニアの魔性…! 悪魔的エンタメ性…!」(シルバニア大使さん)