【インタビュー】高橋メアリージュン 私が本当に伝えたかったこと
15歳からモデルとして活躍し、女優としても注目を集める高橋メアリージュンさん。そんな高橋さんが、これまでの人生を赤裸々に綴った初の著書「Difficult? Yes. Impossible? …NO. わたしの『不幸』がひとつ欠けたとして」を出版。借金生活や過去のがん告白など、衝撃的な内容ばかりがクローズアップされる中、彼女がこの本を通じて、本当に伝えたかったこととは――?
最初から、本を出すならエッセイと決めていた
――今回、この本を書こうと思われたきっかけから教えていただけますか。
【高橋メアリージュン】 5年前、潰瘍性大腸炎という病気になった後くらいから『いつか本を書いて、この病気のことを広く知ってもらえたらいいな』という思いがずっとあったんです。今年でちょうど30歳になるし、デビュー15周年という節目が重なることもあって、このタイミングで実現できたらと思っていたところに、偶然、出版社さんから「本を出しませんか?」というお話をいただいて。片思いだと思っていた彼から告白されて、両思いになれた。まさに、そんな気持ちでした。
【高橋メアリージュン】 5年前、潰瘍性大腸炎という病気になった後くらいから『いつか本を書いて、この病気のことを広く知ってもらえたらいいな』という思いがずっとあったんです。今年でちょうど30歳になるし、デビュー15周年という節目が重なることもあって、このタイミングで実現できたらと思っていたところに、偶然、出版社さんから「本を出しませんか?」というお話をいただいて。片思いだと思っていた彼から告白されて、両思いになれた。まさに、そんな気持ちでした。
――写真集やライフスタイルブックなどではなく、最初から、ご自分の体験を元にした本を書こうと決められていたんですね。
【高橋メアリージュン】 はい。ただ、内容については、すべて決めこんでいたわけではなくて。書きながら「こんなこともあったな」って、記憶の引き出しをひとつひとつ開けていった感じです。昔、歌手になりたくて、歌詞やポエムを書いていたこともあるくらい、文章を書くのは好きだし、人見知りの私にとっては、話すより文章にするほうが、自分の気持ちを出しやすいんですよね。書いてみて、「自分はこんなふうに考えていたんだ」って、気づいたこともたくさんありました。
【高橋メアリージュン】 はい。ただ、内容については、すべて決めこんでいたわけではなくて。書きながら「こんなこともあったな」って、記憶の引き出しをひとつひとつ開けていった感じです。昔、歌手になりたくて、歌詞やポエムを書いていたこともあるくらい、文章を書くのは好きだし、人見知りの私にとっては、話すより文章にするほうが、自分の気持ちを出しやすいんですよね。書いてみて、「自分はこんなふうに考えていたんだ」って、気づいたこともたくさんありました。
――本を出されることについて、ご家族の反応は?
【高橋メアリージュン】 家族には、出すことが決まってから「本を書くことになりました」とだけ、報告したんですが、父からは「えー! あのお姉ちゃんが本出せんねやー」「信じられへんなー」みたいな反応が返ってきました。母は、いつもそうなんですけど、「おめでとう」みたいな気楽な感じでしたね。
【高橋メアリージュン】 家族には、出すことが決まってから「本を書くことになりました」とだけ、報告したんですが、父からは「えー! あのお姉ちゃんが本出せんねやー」「信じられへんなー」みたいな反応が返ってきました。母は、いつもそうなんですけど、「おめでとう」みたいな気楽な感じでしたね。
――中学生のときにご家業が倒産して生活が一変したことや、そのときの借金を未だに返済し続けていることなども、包み隠さず綴っていらっしゃいますが、芸能界でお仕事されている妹の高橋ユウさんや、プロサッカー選手として活躍されている弟の高橋祐治さんから、難色を示されたりはしませんでしたか?
【高橋メアリージュン】 はい、まったく。妹は驚きながらも「楽しみー!」って言ってくれましたし、ふだん「高橋メアリージュンの弟としてではなくサッカーの実力で有名になりたいから、SNSとかで自分がサッカー選手であることをあまり書かないでほしい」って言っている弟も、この本に関しては全面的に応援してくれました。もうひとりの、一般人の弟も含めて、兄弟に対してはいいやつ達だなーって、ことあるごとに実感しますね。
【高橋メアリージュン】 はい、まったく。妹は驚きながらも「楽しみー!」って言ってくれましたし、ふだん「高橋メアリージュンの弟としてではなくサッカーの実力で有名になりたいから、SNSとかで自分がサッカー選手であることをあまり書かないでほしい」って言っている弟も、この本に関しては全面的に応援してくれました。もうひとりの、一般人の弟も含めて、兄弟に対してはいいやつ達だなーって、ことあるごとに実感しますね。
⇒桐谷美玲 これまでも、これからも“ゴーイング・マイ・ウエイ”
この本を通じて、生きる希望を見い出してもらえたら…
『Difficult? Yes. Impossible? …NO.わたしの「不幸」がひとつ欠けたとして』より
――書くことを迷われたり、ためらわれたエピソードはありましたか?
【高橋メアリージュン】 亡くなった初恋の彼のことですね…。そのことがあったからこそ、彼の分まで「生」を大切にしたいと思うようになりましたし、その思いは演技にも活かされているんですが、彼のご家族のこともありますから、どこまで、どんなふうに書いたらいいか、最後まですごく迷いました。
【高橋メアリージュン】 亡くなった初恋の彼のことですね…。そのことがあったからこそ、彼の分まで「生」を大切にしたいと思うようになりましたし、その思いは演技にも活かされているんですが、彼のご家族のこともありますから、どこまで、どんなふうに書いたらいいか、最後まですごく迷いました。
――こうしてお話していても、高橋さんのまっすぐな思いが伝わってきます。一方では、借金生活や病気の告白について、心無いことを言う人も必ずいると思うんです…。
【高橋メアリージュン】 こういう本を出すことで、いろいろ言われるのは覚悟の上というか、仕方のないことだと思うんです。たとえネガティブな意見であっても、話題にしてくれる人が多ければ多いほど、たくさんの方にこの本のことを知っていただける。その結果、子宮頸がんの検診を受ける人が増えたり、ひとりでも心が救われたと思ってくださる方がいたのなら、私はそれでいいと思っています。
【高橋メアリージュン】 こういう本を出すことで、いろいろ言われるのは覚悟の上というか、仕方のないことだと思うんです。たとえネガティブな意見であっても、話題にしてくれる人が多ければ多いほど、たくさんの方にこの本のことを知っていただける。その結果、子宮頸がんの検診を受ける人が増えたり、ひとりでも心が救われたと思ってくださる方がいたのなら、私はそれでいいと思っています。
難しいこと=不可能なことじゃない
――今、こうしてできあがった本を手にされて、どんなお気持ちですか?
【高橋メアリージュン】 私も一昨日、はじめて手にとったんですけど、本になる前に見ていたものと、全然違いますね。文字ばかりの原稿を読んでいるとグサグサと心に突き刺さって、あら探しばかりしていたんですが、本になったらマイルドに感じられて、スッと中に入ってきました。
【高橋メアリージュン】 私も一昨日、はじめて手にとったんですけど、本になる前に見ていたものと、全然違いますね。文字ばかりの原稿を読んでいるとグサグサと心に突き刺さって、あら探しばかりしていたんですが、本になったらマイルドに感じられて、スッと中に入ってきました。
――ご家族の反応も楽しみですね。
【高橋メアリージュン】 どんな感想が聞けるか、今からドキドキです。父だけは、執筆過程で事実確認のために一部だけ読でいるんですけど、きっと“家族LINE”ですごく長い感想を送ってくると思います。母は、日本語だったら「いいね」とか。英語だったら「ベリグッ」ぐらいじゃないかな。いつも1行で、2行になることはまずないので。
【高橋メアリージュン】 どんな感想が聞けるか、今からドキドキです。父だけは、執筆過程で事実確認のために一部だけ読でいるんですけど、きっと“家族LINE”ですごく長い感想を送ってくると思います。母は、日本語だったら「いいね」とか。英語だったら「ベリグッ」ぐらいじゃないかな。いつも1行で、2行になることはまずないので。
――こういう本はセンセーショナルな部分ばかりクローズアップされて、高橋さんが本当に伝えたいことが埋もれてしまう危惧もあるかと思います。そこで、高橋さんがこの本を通じて一番伝えたいことを、改めて教えてください。
【高橋メアリージュン】 「Difficult? Yes. Impossible? …NO.(それは難しいこと?はい。それは不可能なこと?…いいえ。)」、本のタイトルにもなっているんですけど、100人中100人が「それは無理でしょ、難しいでしょ」って思うようなことでも、自分の中に少しでも可能性を感じたり、叶えたいという強い思いがあるなら、決して不可能じゃないと思うんです。私自身、そう信じることで、何度も困難を乗り越えてきたので、皆さんにも、あきらめないでほしいなって思います。
【高橋メアリージュン】 「Difficult? Yes. Impossible? …NO.(それは難しいこと?はい。それは不可能なこと?…いいえ。)」、本のタイトルにもなっているんですけど、100人中100人が「それは無理でしょ、難しいでしょ」って思うようなことでも、自分の中に少しでも可能性を感じたり、叶えたいという強い思いがあるなら、決して不可能じゃないと思うんです。私自身、そう信じることで、何度も困難を乗り越えてきたので、皆さんにも、あきらめないでほしいなって思います。
いつかハリウッドでアクション映画に出演したい!
――デビュー以来、お給料はすべてご両親に渡されているそうですが、いつか自分のために全額使えるようになるときがきたら、何がしたいですか?
【高橋メアリージュン】 旅行に行きたいです。私にはスペインの血がちょっと入っているので、自分のルーツでもあるスペインに、家族全員で行けたら最高ですね。
【高橋メアリージュン】 旅行に行きたいです。私にはスペインの血がちょっと入っているので、自分のルーツでもあるスペインに、家族全員で行けたら最高ですね。
――女優としても評価が高まる一方ですが、今後の夢を教えてください。
【高橋メアリージュン】 まずは国内の映画祭などで賞をとれるよう、がんばりたいです。そして、いつかはハリウッドに行って、大好きなアンジェリーナ・ジョリーのようなアクション作品に出てみたい。そのために、けっこうハードなトレーニングもしてるんですよ。英語も、もっと勉強しないと。話せるといっても、日常会話程度なので。
【高橋メアリージュン】 まずは国内の映画祭などで賞をとれるよう、がんばりたいです。そして、いつかはハリウッドに行って、大好きなアンジェリーナ・ジョリーのようなアクション作品に出てみたい。そのために、けっこうハードなトレーニングもしてるんですよ。英語も、もっと勉強しないと。話せるといっても、日常会話程度なので。
――高橋さんなら、きっと叶えられるような気がします。最後に、高橋さんが目指す、理想の女性像を教えていただけますか?
【高橋メアリージュン】 愛に溢れた人は強いなと思うので、私も愛に溢れて、芯がぶれない、子どもや旦那さまを守れるような強い女性になりたいです。
取材・文/今井洋子 撮影/徳永徹
【高橋メアリージュン】 愛に溢れた人は強いなと思うので、私も愛に溢れて、芯がぶれない、子どもや旦那さまを守れるような強い女性になりたいです。
取材・文/今井洋子 撮影/徳永徹
INFORMATION
『Difficult? Yes. Impossible? …NO.わたしの「不幸」がひとつ欠けたとして』
(KKベストセラーズ刊/税抜1400円)
借金を背負った家族、いまなお続く返済の日々、潰瘍性大腸炎、子宮頸がん克服発表。女優・モデルとして活躍する高橋メアリージュンがはじめて明かす「衝撃」の半生。「他人から見た不幸は、自分の不幸ではない」――数々の苦難に打ち勝ったメアリージュンが発する「幸せ」な未来を信じるためのメッセージとは。
『Difficult? Yes. Impossible? …NO.わたしの「不幸」がひとつ欠けたとして』
(KKベストセラーズ刊/税抜1400円)
借金を背負った家族、いまなお続く返済の日々、潰瘍性大腸炎、子宮頸がん克服発表。女優・モデルとして活躍する高橋メアリージュンがはじめて明かす「衝撃」の半生。「他人から見た不幸は、自分の不幸ではない」――数々の苦難に打ち勝ったメアリージュンが発する「幸せ」な未来を信じるためのメッセージとは。
PROFILE
高橋メアリージュン 女優・モデル。2004年『CanCam』専属モデルとしてデビュー、以降映画やドラマ、CM、雑誌など幅広く活躍。主な作品に映画『闇金ウシジマくん Part2』『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』『リアル鬼ごっこ』、ドラマNHK『連続テレビ小説 純と愛』、TBS系『コウノドリ』など。現在、フジテレビ系『隣の家族は青く見える』に出演中。