痩せるどころか太る!?危険なダイエット法6つをプロが徹底分析![マーティー流ダイエット特集㉚]
「お金もかからず短期間で痩せられる」と聞けばやってみたくなりますが、間違った方法でダイエットを行うと、かえって太りやすい体を作ってしまいます。今回はオンラインダイエットで指導しているMartyさんに、話題のダイエット法からリスクの高い6つを選んで問題点を教えてもらいました♪コロナ太りで悩んでいる人もぜひ参考に!
短期間で楽痩せできるダイエット法はない!?
「痩せればキレイになる」と信じて、10代のうちからダイエットに励む女性は多いですよね。私も大学生の頃は人から良いと聞いたダイエット法はトライしていました。コントレックスや春雨、キュウリだけの単品ダイエットをして、1カ月で7kg瘦せたことも……。でも結果的に低栄養で貧血になり、肌はボロボロ。リバウンドもして、体重は前より増加。体重の数値だけにこだわって、その方法が体に良いかどうかは後回しになっていたんです。その時、失敗したダイエット法をこちらで紹介しているので、ぜひご覧になってください。大学時代にトライ&失敗したダイエット法はコレ![Marty流ダイエット特集①]89.9kgが1年半で-40Kgに!そのおデブ歴とは!?
ここが問題!危険な6つのダイエット法を分析
万年ダイエッターの中には間違った方法でダイエットを行って、リバウンドを繰り返している人が結構います。私もかつてはそうでした。そこで「これは危険!」と思えるダイエット法をリスクの高い順に6つ取り上げて紹介します。
CASE1食前デザートダイエット
「食前デザートダイエット」は食前に甘いものを食べ、血糖値が上がった状態で食事をすれば満腹中枢が働き、食欲が抑えられるという考え方です。まず、お腹が空いた状態で甘いものを食べれば、血糖値が急激に上がります。特に血糖値を急上昇させる食品が、白砂糖や精製された白い穀物。ケーキはまさにこれに該当します。その結果、次のような現象が体の中で起きてきます!
① お菓子やジュースなど甘いものをとる② 血糖値が急激に上がる③ インスリンが大量に分泌される④ 急激に血糖値が下がり低血糖に⑤ 正常な血糖値に戻すために、副腎皮質からアドレナリン、ノルアドレナリン(※)が分泌され、もっと食べたくなる⑥ 食べてまた血糖値が急上昇⑦ ③に戻って同じ作用繰り返す※アドレナリンは心臓の収縮力を強め心拍数を上げ、血糖値を上昇させて代謝を亢進(こうしん)する働きがある。ノルアドレナリンは抹消血管を収縮させ血圧を上げるなどの働きがある。
この状態が続けば、肥満&糖尿病予備軍の完成です!また、血糖値を急激に上げた状態で、食事をすればものすごいスピードで細胞にブドウ糖が押し込まれます。その際に細胞膜のダメージが繰り返し起こり、AGE(最終糖化産物)と呼ばれる物質が生成されて、老化も促進させてしまいます。AGEについてはこちらで詳しく紹介していますの、でご覧ください。家時間が多い人は要注意!糖質の摂り過ぎが肌の老化を招く!?[Marty流ダイエット特集㉘]
CASE2 ゼロカロリー食品に依存したダイエット
カロリーゼロや糖質ゼロとうたったゼロ系食品は「食べても太らない」といった心理的な作用が働きやすく、結果的に摂取量が増えがちです。本来、食品の中にあるカロリーや糖質をゼロにするということは、代わりに何かを添加しているということでもあります。例えば、カロリーゼロの食品に含まれている人工甘味料は摂取しても血糖値は大して上がりませんが、エネルギーとして変換できないため、空腹感が増して、脳がより多くの甘味を欲して、食べ過ぎて太ってしまう傾向があります。また、こうしたゼロ系食品は依存性があるともいわれています。それだけ食べていると、体に必要なタンパク質やビタミン、ミネラルが不足していきます。味覚もおかしくなり、栄養失調やホルモンバランスが崩れて病気になる場合もあります。
CASE3 空腹時の運動ダイエット
空腹時に運動をすれば、脂肪が燃えて痩せやすいと思って実践している人がいます。「消費するものがないから脂肪が燃える」という考え方からきているようですが、この方法は脂肪だけでなく筋肉も使われてしまいます。つまり、痩せることはできても、脂肪を燃やす時に必要な筋肉まで分解して減ってしまうので、代謝が鈍り、リバウンドをして痩せにくい体になってしまうんです。
POINT!
朝食を抜く方法もNGです。エネルギー不足で倒れやすくなるうえに、代謝も落ちるので、そのあと昼・夜と食べると余計に太りやすくなります。
CASE4 ハイヒールを履いて脚痩せ
「ハイヒールを履けば脚の筋肉が鍛えられるから、ふくらはぎが細くなる」という人がいますが、これはまったくナンセンスです!ハイヒールは前が低くて、かかとの部分が高く作られているので、足の先で体重を支えるようになります。この状態で立ったり、歩いたりすれば、ふくらはぎの筋肉が張り、次第に太くなっていきます。足のアーチも崩れやすく、外反母趾のリスクも高くなります。また、前かがみになって姿勢も悪くなるので、骨盤が歪み、腰痛になったり、血流が悪くなって冷え性になったり、さまざまな症状が出てきます。脚だけでなく体全体の健康被害につながるということに、気づいていただきたいです。
CASE5 お米をサツマイモに置き換えるダイエット
サツマイモは食物繊維やビタミンC、カリウムが多く、便秘にも効果があるので女性に人気があります。満腹感も得やすく、炭水化物の中では血糖値が上がりづらい食品の代表です。ただ、お米をサツマイモに置き換えても、それほどカロリーオフができるわけではありません。ご飯1膳(約250kcal/150g)をサツマイモに置き換える場合は、Mサイズを1/2本(約190kcal/150g)。1本300gのサツマイモを全部食べてしまえば、約380kcalとなりカロリーオーバーです。サツマイモのぱさつきをなくすために砂糖で煮たり、バターをつけたりすれれば、糖質やカロリーはさらに増えます。一般的にサツマイモに含まれるビタミンCは、熱に強いといわれているものの、加熱したら減少します。
POINT!
白米を置き換えるなら、ビタミン、ミネラルなどが豊富に含まれている玄米の方がおすすめです。白米をサツマイモに置き換える場合は、エネルギーが消費されやすい朝と昼に食べるようにしましょう。夕食で置き換えると、消費されなかった糖質が脂肪になる可能性が高いですよ。
CASE6 代謝を上げるために立って生活する
海外の研究機関では「座り過ぎると血流が悪くなって死亡リスクも高まる」というデータも出ており、最近は立って仕事をしている会社もあるようです。確かに座っているより、立っていた方が消費カロリーは高くなります。ただ、ずっと立ったままでいると脚に疲労がたまり、姿勢も悪くなってきます。そのうち片方の脚に重心がかり、ハイヒールと同様に骨盤が歪み、血流が悪くなって冷えや痛みの原因に。立ちっぱなし、座りっぱなし、どちらの場合でも長時間続けていれば、インスリン抵抗性(※)が悪化したり、血中の中性脂肪が増加したりして、生活習慣病などのリスクも高くなります。
※インスリン抵抗性…膵臓から分泌されたインスリンが働きにくい状態。インスリン抵抗性があると、食事をして血糖値が上がってインスリンが分泌されても、筋肉や肝臓がブドウ糖をうまく取り込まないため、血糖値が下がらず、糖尿病の発病につながる場合もある。
普段、座っている時間が多い人は、30分に1回立つか、1時間に1回、お尻の周辺をマッサージしたり、股関節を動かすワイドスクワットをしたりして体を動かすようにしましょう。
Martyからのアドバイス
他にクレンズジュースなどのファスティング(断食)ダイエットも流行っていますが、お金をかけて摂取カロリーを落とすなら、普段の食事で量を調節し、糖質やカロリーを抑えるだけで十分です。ダイエットは正しい方法で継続していくことが大切です。一時的に体重を落とすことができても、リバウンドをして過食や拒食を繰り返す人も多いです。まずは栄養バランスの良い食事と適度な運動を行って、健康美を目指しましょう。次回は夏太りを防ぐ、暑い時期ならではの温活方法です。お楽しみに♪撮影/川畑里菜(Marty スタジオ撮影)監修/Marty