【観光列車の旅 第2回】ご当地グルメを堪能する奥出雲おろち号乗車体験記

2018年03月21日 15時00分

おでかけ 旅色プラス



ご当地観光列車の旅の2回目は、中国地方の木次線(きつぎせん)の始発・宍道駅から終着・備後落合駅を結ぶ観光列車「奥出雲おろち号」の旅です。近くを走る三江線は2018年3月31日での廃止が決定しているため、日本海を臨む山陰から山陽までを縦断する在来線は貴重になりつつあります。
日本の原風景とも言える豊かな自然のある中国山地の風景を眺めつつ、地元の方による立ち売りの弁当や車内販売グルメで奥出雲の味を堪能するトロッコ列車の旅はいかがですか?

text&photo:猫珠深鈴




中国山地の山あいを楽しめる中国山地の在来線






山陰地方を旅すると、雲が低く垂れこめて山の中腹を覆い、雲をより近くに感じることがあります。山陰から山陽へ向かい中国地方を縦断する、木次線(きづきせん)や三江線(さんこうせん)に乗車すると、まさに雲の中を列車が走り抜けていくような体験ができる場合も。

在来線でのんびり中国地方を楽しむ旅は、過疎化による乗車人数の減少で難しくなりつつあります。残念ながら三江線は2018年3月31日にて運行終了。そんな中で、中国山地の魅力を堪能できる観光列車としてがんばっているのが、快速の観光トロッコ列車として人気の「奥出雲おろち号」です。
日本の原風景とも言える、島根県雲南市から広島県庄原市までの山里の様子、長いトンネルに入る時に灯る電球の温もりなど、その旅程はどこかノスタルジック。直接澄んだ空気を素肌で感じられる点も魅力です。

車内では、豪華な食事が提供されるわけではありません。ですが、ご当地自慢の食材を使った立ち売りのお弁当や、地元の方が直接カートを引いて売る車内販売などを楽しめるので、ご当地グルメ好きの方もきっと大いに満足できる旅となるはずです。



事前予約が重要






奥出雲おろち号は全席指定。トロッコ列車は2両編成ですが、1枚の指定席券で、トロッコ車両の席と普通車両の席が1席ずつ確保されます。「寒い時期のトロッコ列車ってどうなの?」と心配する必要はありません。






また、快速電車扱いなので、青春18きっぷを併用して特急券だけの予約も可能です。おすすめの座席位置は、備後落合方面行きの場合なら車窓から名所の「おろちループ」が見える進行方向右手の窓側席。ただし、おろちループが見える場所では、列車も速度を落として走るので、それ以外の座席でも眺めを楽しんだり、写真撮影も十分可能です。

また、日曜日など特定の日には、出雲市駅から運行が開始されます。そのまま直通で宍道駅から木次線に入っていき、乗り継ぎに便利なのでこちらを利用すると便利。私も今回は出雲市駅から乗車しました。なお、時刻表や料金などの最新情報は公式サイトで確認を。

指定席の予約は全国のみどりの窓口で乗車1ヵ月前から購入可能です。

また、きっぷの予約だけではなく、弁当も事前予約をしておきたいところ。当日車内でいろいろな商品が販売されるため、その場であるものを購入してもよいですが、場合によっては自分が欲しいなと思う商品が残っていない、ということも。さらに、事前予約が必要な弁当として「奥出雲和牛焼肉弁当」「焼さば押し寿し」の2つがあります。その他も予約可の弁当がありますので、気になるものがあればぜひ予約を。



車窓の見どころは何といっても「奥出雲おろちループ」






奥出雲おろち号の見どころは、何といっても「奥出雲おろちループ」です。出雲坂根駅と三井野原駅の間にある、大きな赤い鉄橋ととぐろを巻いたようにループする道路が窓越しに眺められます。






私が乗車した日は、2017年の初運行日だった4月1日で、平地は春の陽気でしたが山にはまだまだ雪が残っていました。写真も、新緑の季節とはまた違った趣になっています。ちなみに、出雲坂根駅周辺では三段式スイッチバックもあり、電車がスイッチバックしていくと先ほどまで停車していた駅が真下に見えます。

出雲市側から備後落合行きに乗車すると、奥出雲おろちループは最後のお楽しみです。そこにいたるまでは、山里の風景を見たり、風情のある駅を眺めたりしてのんびりとした時間を過ごしました。






山あいの路線なので途中結構長いトンネルがあり、真っ暗になった時トロッコ列車内で灯るランプに、小さい子どもたちは大はしゃぎ! 大人の私もムーディーな照明にはワクワクしました。






木次線沿線の駅は風情のある木造の駅から結構きれいな駅までさまざま。松本清張氏の小説『砂の器』の舞台となった亀嵩駅(かめだけえき)など、少し途中下車できる駅もあります。






車内では、途中から地元ボランティアのガイドさんが沿線の名所や見どころを丁寧に紹介してくれました。こういったところから、奥出雲おろち号は地元の方との距離がとても近い観光列車だと感じます。

出雲坂根駅では10分程度の停車時間があり、臨時売店「延命の里」で絶品の焼き鳥(1本100円)をはじめとした地元の特産品やJRグッズを購入できます。






乗客の皆さんはそれぞれ焼き鳥を楽しみ、和やかなひと時に。何だか10分しかないのももったいない、もっと楽しみたいと思うほど魅力的な停車駅でした。






先ほどまで炭火で炙られていた焼き鳥は食欲をそそる香りで、秘伝の甘辛いタレも私の好みでした。



車内販売や駅売りが豊富!地元の売り子さんとの会話も楽しい






地元の方との交流は、ガイドさんだけではありません。弁当などの販売もまた、地元で作られているお店の売り子さんが手売りする形です。弁当やクリーム大福は駅での立ち売り形式で、トロッコ列車に乗ったまま手渡しで購入している方もちらほら見かけました。車内販売は、木次乳業の乳製品から始まり、笹すし、地元の名産品(そろばんグッズや一味唐辛子)など、すべて地元の方がカートを押しています。

私も事前予約していたお弁当を2種類購入しました。事前予約が必要な『奥出雲和牛焼肉弁当』は、「奥出雲おろち号」の始発駅でもある木次駅で受け取ります。出雲市駅から電車に乗って何も食べていなかったので、朝食代わりに食べました。お肉が本当に柔らかくておいしく、あっという間に完食。






八川駅では「八川そば」の『トロッコそば弁当』。出雲そばでよく見かけるもみじおろしやのりなどの薬味とともに舞茸がたっぷり入って食べごたえ十分。そばの駅弁はこれまで食べたことがなかったのですが、そばはダシでほぐしながら食べましたが、香りが良くさっぱりとした味わいでした。






実は、亀嵩駅でもそば弁当が購入できます。駅長さんが打つそばが有名で、弁当にもしてもらえるのですが今回はたまたまお休みになっていたので予約ができず……。本当は2種類のそば弁当を食べ比べたかったのですが。

デザートには、出雲八代駅で立ち売りされている『クリーム大福』を購入。幸せな気持ちになれる、とても優しい味わいでした。出雲八代駅の売り子さんたちは横断幕で奥出雲おろち号を出迎えた後、販売に忙しそうでした。とてもにこやかですてきなお姉さま方でしたよ。







ここからは車内販売! 木次は低温殺菌の牛乳が全国各地の高級スーパーなどに置いてあるほど乳製品が有名な町なので、車内販売で売っている牛乳・ミルクコーヒーはもちろん、チーズやヨーグルトなどもおすすめです。私は『牧場のカスタードプリン』『ヤマタノオロチーズ』『ナチュラルスナッカー』を購入しましたがプリンはとてもなめらかで食べやすく、ヤマタノオロチーズはトウガラシが効いていてお酒が欲しくなる味わいでした。ナチュラルスナッカーは割けるチーズで、ほんの少し燻製の香りがあります。味そのものはあまりクセがなく食べやすいチーズでした。






後から食べるために、別の車内販売で6種類の具が入った『笹ずし』も購入。こちらも笹の香りが爽やかでとてもおいしかったので、もう一つ買っておけばよかったと後悔したほどでした。






出雲市駅から約4時間の奥出雲おろち号の旅でしたが、次から次へと楽しみがあり、あっという間に備後落合駅に到着です。

実は、備後落合駅に到着する前に、そろばんのかわいいキーホルダーなどを車内販売で売っていた売り子のおばさんに、帰りの電車を乗り継ぐ秘訣を教えてもらい、その通りに実行。駅で寒い思いをせずに済みました。いろいろと親切に話しかけてくれたおばさんに感謝!






そろばんの玉のキーホルダーと一味唐辛子を購入したら、袋にメッセージを書いていただきました。旅の貴重な思い出となりました。



奥出雲おろち号のついでに乗りたい在来線






奥出雲おろち号に乗車して備後落合駅で降りたら、そのまま奥出雲おろち号で折り返して出雲市・松江方面に戻るというパターンが多いかもしません。でもせっかくここまで来たからには、他の在来線にも乗ってみませんか?

備後落合駅から広島市方面へは、乗り継ぎがよければ芸備線で3時間ほど。広島方面に向かう芸備線は特に乗り継ぎが悪いのですが、奥出雲おろち号からの乗り継ぎは良いので山陰から山陽まで1日で縦断可能です。福山・尾道方面へは同じく備後落合駅から芸備線で塩町駅まで行き、福塩線に乗り換えて福山まで4時間半ほど。

米子方面は少し乗り継ぎが悪く、備後落合駅で2時間程度過ごしてから、芸備線で備中神代駅へ乗り換え、伯備線で米子へ。電車に乗っている時間自体は3時間半程度で、18時半前には到着できます。



地元に愛され支えられている観光列車






奥出雲おろち号は、今年で運行20周年を迎えた歴史ある観光列車です。最近多く出ているクルーズトレインのような豪華さとは違い、地元の方がもっと直接的に関わりながら、乗客がより「奥出雲」らしさを感じられるような工夫をしている点に、とても好感が持てました。

出雲大社や宍道湖、玉造温泉も素晴らしいですが、奥出雲おろち号の旅で、普段着の出雲の優しさを感じられる地元の方との交流でほっこりしながら、自然の恵みを豊かに受けたご当地グルメを堪能してみませんか?


◆奥出雲おろち号
問い合わせ:全国のJR主要駅みどりの窓口・旅行代理店





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