宮城県仙台市の温泉リゾート「一の坊」が2023年度「みやぎゼロカーボンアワード」で最優秀賞

2024年03月29日 15時50分

宮城県仙台市でオールインクルーシブの温泉リゾート「松島温泉松島一の坊」、「仙台・作並温泉ゆづくしSalon一の坊」などを運営する「株式会社一の坊」が2023年度の「みやぎゼロカーボンアワード」で最優秀賞に輝きました。同社が手掛ける施設にて温泉の廃熱利用やフードロス対策などが評価されました。

湯船からあふれる温泉の熱エネルギーを回収して再利用

「作並温泉ゆづくしSalon一の坊」で2023年春オープンの源泉かけ流し温泉付客室

宮城県は2030年度までに温室効果ガス排出量を2013年度比50％削減する目標をかかげています。その一環として、地球温暖化対策において功績のあった個人・団体を表彰する「みやぎゼロカーボンアワード」を実施。そして、仙台市で自然環境と調和する複数の温泉リゾートを運営する「株式会社一の坊」は、温泉廃熱利用やフードロス対策が評価され、2023年度の最優秀賞を獲得しました。

21の客室露天風呂と大浴場がある「仙台・作並温泉ゆづくしSalon一の坊」では、湯船からあふれる温泉の熱エネルギーを回収して再利用するシステムを導入。通常は約35度のお湯が毎分約90リットル廃棄されますが、それを二重管式熱交換器に通して回収し、浴槽の保温や貯湯槽補給水の予熱、雪が積もる時期のロードヒーターなどに再利用しています。この取り組みによってボイラーの稼働を抑え、大幅に燃料の使用量を削減することができました。

もちろん、たっぷりの湯で満たされるお風呂の快適さはそのまま。心ゆくまで温泉を堪能することができます。

宿泊客が注文してから調理するオーダービュッフェでフードロスを削減

「作並温泉ゆづくしSalon一の坊」と「松島温泉松島一の坊」ではオーダービュッフェスタイルで食事を提供しています。宿泊客が注文してから調理することで、従来のビュッフェよりも食品ロスを大幅に削減することが可能に。好きなメニューを食べたいだけオーダーでき、利用者にとっても合理的だと好評のスタイルです。

また、調理時に出るムダや食べ残しを分別し「協業組合松島清掃公社」の食品リサイクルシステムで肥料化しています。

オーダービュッフェスタイルのほか、宮城県や隣県の山形県産の食材を中心に使用することでフードマイレージの削減にも貢献。料理長らスタッフは産地を訪問する「ソト活」によって農業や漁業への理解を深め、ホテルでの料理提供を通じて地元資源の保護と発展を目指しています。

「株式会社一の坊」では、社長が責任者を務める「快適エコ活動推進委員会」を設けて全社一丸となってCO2の削減に取り組んでいます。循環ポンプのインバータ化、給湯機へのエネルギー転換、空調の個別化、照明のLED化といった設備の省エネ化を推進中です。

また、客室では歯ブラシをプラスチック製から竹製に変更し、使い捨てシャワーキャップの廃止や紙製ドリンクカップ蓋の採用など、プラごみを削減する「3R+Renewable」を促進しています。「2023年度省エネ大賞」も受賞した「株式会社一の坊」のリゾートで、環境にも自分にも気持ちのいい、ワンランク上の温泉リトリートを体験しませんか？