新婚の妻より義母を優先する夫... マザコン男性と結婚した「30代妻の苦悩」【前編】
知人を通じて知り合った10歳年上の男性とゴールイン
理恵さんは37歳のときに、知人を介して出会った10歳年上の男性と結婚。婚活をしていたわけではなく、たまたまカジュアルなお酒の席で意気投合したのを機に交際がスタートし、1年間のお付き合いを経てゴールインしたそうです。
「夫は高収入で仕事もしっかりしていたし、見た目も清潔感があるタイプ。47歳まで独身だった理由がわからないほど、第一印象では素敵な人だと思いました。今の時代は、特別な事情がなくても“なんとなく結婚しないで50歳目前になっていた”という人も結構いると思うので、夫もそのタイプなのかなと、当時はあまり気にしていなかったんです。
ですが、夫がなぜその歳まで独身だったのか、結婚してから嫌というほど思い知らされました…」
入籍前まで猫をかぶっていた夫と義実家
結婚前に同棲はせず、お互いの家を週末に行き来する交際を続けてきた理恵さん。結婚が決まってから義実家に挨拶に行った際にも特に問題は起きず、順調に結婚まで進みました。そんな理恵さんが夫や義実家に違和感を覚え始めたのは、入籍した直後のこと。夫の様子が入籍前と入籍後でガラリと変わってしまったのだとか。
「入籍してすぐ、夫が義実家との電話中に『ママ~』と言っているのを聞き、“あれ?”と思ったんです。それまで夫は母親を『おふくろ』って呼んでいたのに、なんだか変だなって。それからしばらくして、夫が週末になると義実家に泊まりがけで出掛けてしまい、私だけが新居に残されるという生活に。休日に夫婦でどこかに行くこともなく、ものすごく寂しい毎日でした」
その後も夫と義実家の距離感がだんだんと縮まるにつれ、理恵さんの不信感は増していきます。耐えかねて友人に現状を相談したところ、「それって典型的なマザコンなんじゃない?」と指摘され、ハッとしたそうです。
「まさか夫がマザコンだとは思っていなかったのですが、友人の言葉で“これがマザコンってことなのか!”と気づきました。確かに、結婚後の夫は私よりも義母を優先してばかりだし、夫が義実家に入り浸っているから夫婦の営みもなくて…。時々、義母と私を比較して私を非難するような発言をしていたのも嫌だったのですが、すべては夫がマザコンだからなのかと気づき、妙に納得しました」
夫が筋金入りのマザコンだと気付いたものの、どう対処すべきなのかがわからなかったと理恵さんは当時を振り返ります。
マザコン男性との結婚では、妻が苦しむケースが少なくありません。相手がマザコンかどうかは、義実家との距離感を近くで観察しないとわからないことも多く、結婚前にはなかなか見抜きにくいのも現実といえます。理恵さんの夫のように、入籍後に本性を出すマザコン男性も少なからずいることから、見抜くのにも限度があるのは事実でしょう。
©maruco/Maki Nakamura/gettyimages
文・並木まき