付き合う前に“男女の仲”... 曖昧な関係を終わらせた「彼女の大胆な行動」【後編】
しばらく続く「このままの関係」
「私は彼と付き合う前に関係を持ってしまったことと、その際にフラれてしまったことを友人に相談しました。友人には、“付き合う前にカラダの関係を持ったのがいけなかったのかも”と言われました。
私としては、付き合うものだと思っていたし、自分なりに頑張っての行動だったので、“なんでそんなことしちゃったんだろう…”と後悔しましたね。
優馬とはその一件で終わりかと思いきや、また連絡が来たんです。私は優馬が好きだったので、その誘いを断れず、ズルズルと優馬が望んでいた“このままの関係”をしばらく続けていました」
「付き合っているのではないか」という錯覚
「それからも、優馬と会い、食事をして、楽しい時間を過ごしました。“これは付き合っているんではないか…”と錯覚するほどでしたね。
でも、家に帰ると落ち込むんです。一度、確実にフラれていますから、“付き合っていない”という現実が襲い掛かってくるんです。
彼との関係には、本当に悩みました。“会いたいけれど、このままでは2人の関係はいい方向には向かわない”、“大事な人だからこそ、ちゃんとお別れしなければいけないのかも”と思っていました」
2人で思い出の場所へ
「ある休日、珍しく優馬と昼間に会う機会があったんですね。ふと、優馬と同級生だった中学校生活が懐かしくなり、“中学に行ってみない?”と彼を誘いました。
駅を降りて校舎が近づくにつれ、懐かしい景色、懐かしいニオイがしてきて、不思議な感覚になりましたね。
入口のところに人がいて、卒業生であることを告げると、中に入れてくれました。さらに、教師の方がわざわざ校舎内を案内してくれたんです。
教室を見たり、体育館を見たりしているうちに、当時を思い出して切ない気持ちになりましたね」
当時の感情が蘇り…
「学校を出て、そのあと食事をしました。すると、優馬の様子がいつもと違うんです。俯き加減で、口数も少なくなっていました。
そこで、“ごめん”とボソッと言いました。“俺は歪んじゃったんだな”と。その顔を見ると、若干目元に涙を浮かべていました。そして、“ちゃんと付き合おう”と言われたんです。
中学校に行ったことで、当時の純粋だったころの気持ちが蘇ったのかもしれません。
ただ、私としては狙ってその行動を取ったわけではありませんでした。だから、すごく驚きましたね。
そのときは、何が功を奏すか分からないものだなと思いました。ちなみに、彼とは今でもちゃんと付き合っています」
“一度振られた彼に交際を決断させた女性の告白”をご紹介しました。
恋愛テクニックなどを使うのも1つの手ではありますが、ありのままの自分の思いをぶつけたからこそ、相手にも気持ちが伝わったのでしょう。自分の心に正直に従うことで、後悔のない結果になるのかもしれませんね。
©Eri Miura/gettyimages
©d3sign/gettyimages
文・塚田牧夫