セックスレス見事解消!...マンネリ同棲カップルの「愛が再燃する会話」
文:三松真由美 イラスト:犬養ヒロ
【レスなひとびと】vol. 55
亮子(27歳)同棲セックスレス。マシンガン男は今やお地蔵さま。
女子友、和香奈と銀座の映画館から出る。おしゃれなファッションビルがそびえ立っているのでワクワクするが、併設のカフェやレストランはお高めだ……! 給料日前の亮子にはきつい。和香奈は平気な顔で「ここにしよー」とのたまう。なんちゃらフランボワーズ2800円! ケーキ1個でガス代が払える。まあいいか。こんな素敵な店、ヒロノブは一生連れてきてくれないだろう。
亮子はヒロノブと暮らし始めて2年半。街コンカップル。郊外の食品工場で働く亮子と、スーパーの倉庫でバイトをしているヒロノブは、意気投合。お互いのアパートを行き来していたが、一緒に住めば生活がラクになるだろうと、亮子の1Kで同棲開始。
最初はラブラブラブ×2だった。仕事から帰るとまず一戦。スーパーの弁当食べたあとでまた一戦。早く目覚めたときは朝から一戦。ヒロノブはマシンガン男だった。亮子もそれなりにエッチが好きだったので、夢のような同棲の幕開け。それなのに、ああそれなのに……。
ヒロノブの趣味のバイクを咎めたことがきっかけでだった。生活費のことで口ゲンカが始まるように。
「結婚費用貯めようよ。バイクにお金使わないでよ」
「はあ? 亮子だって高いシャンプー使ってんじゃねえよ」
「こまめに電気消してよ。今月の電気代高くなってる」
「うざいんだよ」
てな感じの棘がある生活。そしてこの1年、セックスレス。日々節約の質素な暮らしのうえにセックスレス。おもしろくない。あのマシンガン男はどこへ消えた? 今やスマホゲームに夢中で部屋の隅から動かない。お地蔵さまに見えてしまう。
今の亮子の楽しみはヒロノブに内緒で女子トモ和香奈と月に一度の贅沢外出。しかし、このままヒロノブと結婚できるのか。生計は成り立つのか。そして、マシンガン男に蘇ってくれる日は来るのか。
身の丈以上のケーキをつつきながら、和香奈にぼやきまくる亮子であった。
【三松さんからのコメント】同棲アルアルですよ。亮子さん。恋愛と結婚は別腹と割り切るか、恋愛の先にラブラブ結婚があると夢見るか、それはそのひとの人生観なので、とやかく言いません。
ただ、ずーっと一緒に暮らしているとマンネリ化するのは当然のこと。お互いが空気のような存在になるとか、遠慮しなくなるとか、喜ばせようとがんばらなくなるとか、移ろってゆくものです。それを「一緒にいると安心するから相性がいいよね!」と思わなければ結婚生活など続きません。いつもドキドキ緊張していたら疲れるからです。マシンガンセックス、40になっても50になっても仕掛けられたら、たまったもんじゃありません。
亮子さんのように結婚前から馴れ合いになり、セックスレスとなると挽回するには労力を要します。まず、セックスレスをぼやく前に、棘がある生活を立て直す!! いざこざしそうな会話を回避するのです。マンネリ化しているから遠慮せずに叱ってしまうのです。言い方を変えよう。
バイクにお金使うなら、二人の趣味のための口座を作ろうとかポジティブ提案に変換してみる。否定的な小言として伝えない。ケンカが多いなと思ってるカップルは、自分自身が小言を一日何回言ったか数えてみてください。息をするように小言を言う女性がいますが、顔は怖いし声は低いし、男性にとって「抱きたくないオンナ」ナンバー1に位置づけられます。
カレが嫌な感じのことをした時、小言を発せず、いかに上手に注意できるか。これを意識すると口ゲンカに歯止めがかかります。
「セックスレスをぼやく前に、棘のある日常を立て直せ! マンネリ同棲カップルが結婚前にやるべきことは式場探しではないのだ」
三松 真由美
恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。日本性科学会会員。ED診療ガイドライン作成委員。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。
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