ドキドキがなくなる...男が萎えた「女の底なしエッチ行動」 レスなひとびと
文:三松真由美 イラスト:犬養ヒロ
【レスなひとびと】vol. 30
亜希(29歳)エッチ欲高すぎて彼氏ヘロヘロ。エネルギーを吸い取る”恥じらいレス女”になっちゃダメ。
亜希は、ベッドに入って彼氏の隆弘のふくらはぎを自分の足先でツンツンつつく。
「ねえ、しようよ」
「え~~、今日?」
「そうだよ、まさかしないって言うんじゃないでしょうね?」
隆弘は北陸への出張帰りで疲れているようだ。でもでもこっちだって出張の間3日間も禁欲生活をしている。女性用エッチ動画を見ては悶々と過ごしていた。
ananのSEX特集の付録のDVDは4回観た……。
イケメン俳優と隆弘を重ねながら粛々とひとりエッチ。さみしかった。人肌が恋しかった。
今ここでしてくれないと困る。
煮え切らない隆弘の態度に業を煮やした亜希は、隆弘の上に乗っかった。
興奮していない隆弘のソレを強引に。
「隆弘、はやくかたくなって」
なんだかんだと腰を動かし始めた隆弘の動きが気持ちよくて、声が出てしまう。
「ああーーーーぐわーーーーあああ」
獣の雄たけびのような声がリビングに響き渡る。
ドスンドスン。ギシギシ。
性欲旺盛なワイルド女豹が暴れ狂う。
体位を変えて、続きをしようとすると、なんと隆弘はすでに疲労困憊。ヘロヘロしている。情けすぎやしないか。
「もう仕方ないわね」
「今日はここまでにしようよ。俺、もう疲れたよ」
「もうーー。わかった、今日は寝よう。でも明日たっぷりしてよね」
次の日、亜希は勝負下着をつけた。真っ赤なセクシーランジェリー。通販で前から興味があったプレジャーグッズも購入済。これは熱い夜になりそうだ。
だが隆弘が帰ってきたのは深夜1時。
「亜希、起きてたんだ」
「起きてるよ! 約束したでしょ!」
隆弘がぎょっとした顔をする。
「今日は寝かさないわよ」
「……やだ。普通に寝る」
隆弘が冷たい。なぜだ?
テクニックが足りなかったか?
「亜希、もうちょっとさ、恥じらいとか覚えてよ。最初はそんなんじゃなかったじゃん。最近ずっと猛獣みたいに襲ってくるから、ドキドキ感がなくなったよ」
「恥じらいって。なによそれ」
それから、隆弘が手を出してくれることはなく、レスな日々が続いている。
いったい何が悪かったのだろうか。
亜希さん、積極的すぎて、彼氏がトホホなのですね。女性が積極的なほうが嬉しい男性と、そうでない男性がいます。
男性自身の好みの問題ですが、その好みも時と場合で形を変えていきます。疲れているとか、人間関係で落ち込んでるとか、むっちゃ心配事があるとか。
それを察してセックスをしかけないと、相手は逃げてゆく。
男性は女性よりもデリケートな生き物。どれほど時が経とうが身体を重ねようが「恥じらってほしい」「可憐な喘ぎ声で感じて欲しい」という妄想を抱く生物なのです。
セックスは、男性主導のほうがうまくゆく。マークを見てもわかりますね。♂(依存文字だとすると、○に矢印とかで表現)。
攻めてます。古来から男は外で狩りをしたり木を切ったりと興奮して、女は家を守るDNAが脈々と。男女フィフティフィフティになってきていますが、ベッドでは好みに合わせないと。
女性の性欲は付き合う男性のセックスがイケてると年齢とともに高まっていきます。ただ、自分は求められるほうがうまくいくと意識しましょう。
自分が誘う前に求めてくれる彼氏を選ぶことは大前提。性欲イマイチ彼氏が、むこうから襲ってくるように仕向けるのもコツ。
夜の勝率は、駆け引き上手な女が勝つ。
「ジャングルの猛獣に襲われて男性が感じるのはムラムラではなくオドオド。抱きしめたくなる白うさぎになれ」
三松 真由美
恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にhanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。日本性科学会会員。ED診療ガイドライン作成委員。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。