日本の音楽に興味を持ったきっかけはカセットテープ! Night Tempo「今はMDの収集に夢中」

2023年10月02日 20時30分

ミュージック エンタメ anan

韓国出身のプロデューサー、DJであるNight Tempoさんは、’80年代シティポップやアイドル・ポップスをダンスミュージックとして再構築する。昭和や平成初頭の日本文化やガジェットをこよなく愛する理由とは?

【Night Tempo】’80年代の日本のポップスを時代に合わせてリエディット。



昭和のシティポップやアイドル・ポップスをリエディットした“昭和グルーヴ”の提唱者で、平成生まれの若者たちを熱狂させているNight Tempoさん。韓国出身の彼が日本の音楽に興味を持つきっかけはカセットテープだった。


「小学5年生くらいの頃にカセットウォークマンが流行っていて、僕も欲しかったんですけど、父が買ってきてくれたのはCDウォークマン(笑)。ただ、そのときにお店がおまけでくれたCDに、中山美穂さんとか当時の楽曲が入っていて、そこから日本の音楽を聴くようになって」


高校生になると、カセットテープをはじめ、自身でも日本の音楽やグッズを本格的に収集するように。歌謡曲やアイドル・ポップスにハマるなかで、シティポップとのつながりにも気づいていく。


「ディスコ音楽やユーロビートが日本人好みに改良されていて、それが近くの国(韓国)に住んでいた私にも刺さったのかなと思います。歌詞はわからなかったけれど、アイドルの声質は好きだったし、なおかつオシャレ。好きだった中山美穂さんをプロデュースしているのが角松敏生さんで、そこから角松さんの作品を聴いたり、竹内まりやさんを聴くようになってから、今度は山下達郎さんを知るようになって…」


2017年には仕事を辞め、Night Tempoさんは本格的にミュージシャンとしての活動を開始することに。リエディットした竹内まりや「プラスティック・ラブ」や、松原みき「真夜中のドア~stay with me」は、日本だけでなく海外でもヒットしたが、その理由を彼はこう分析する。


「楽曲への認識が変わったんだと思います。前はおじさんたちがただ昔を懐かしむためのサウンドだったけれど、そういった楽曲がサンプリングされて、若者や外国人でも楽しめるダンスミュージックになった。懐メロじゃなく、新しいものとして認識、支持されたんだと思います」


現在は“昭和グルーヴ”だけでなく、オリジナル曲によるプロジェクト、元アイドル2名と結成した「FANCYLABO」など、その活動領域は“昭和”以外にも広がる。最近は日本にいることも多いという彼が今ハマっていることは?


「今はMDの収集に夢中ですね。あとは喫茶店と、街歩きかな。神保町とか新橋は建物も当時のものが残っているし、大阪だと天王寺や梅田の方も気に入っています。でも、禁煙って書いてある喫茶店で、普通にタバコを吸っている人がいるのはどうにかしてほしい(笑)」


シティポップ


都会の華やかな情景を描いたきらびやかなポップスの総称。

ひとつのジャンルに限定はされていないが、海外のソウルミュージックやAORと呼ばれるジャンルを直訳したような、軽妙洒脱で洗練されたサウンドを指すことが多い。歌詞も、恋愛や都会の情景がウィットに富んだ形で表現され、フォークでは歌われることの多かった政治的・攻撃的なものは少ない。主なアーティストは山下達郎や角松敏生、大貫妙子など。近年は海外でも再評価されており、日本のレコードショップに中古盤を買いに来る観光客も。


VIRAL WORK


元アイドルと結成したレトロ・ポップ・ユニット。



元Maison book girlの矢川葵と、元AKB48/NMB48の市川美織を迎えて結成した「FANCYLABO」。シティポップやトレンディドラマの要素を、そのファッションやサウンドでキュートに表現する。


小泉今日子、早見優など、豪華ボーカリストとコラボ!



9月に発売したオリジナルアルバム『Neo Standard』には、小泉今日子、早見優、中山美穂、野宮真貴といった豪華ゲストがボーカルとして参加。胸が高鳴る華やかなハウスサウンドを聴かせてくれる。


シティポップ100曲を紹介するディスクガイド。



書籍『Japanese City Pop 100, selected by Night Tempo』では、中森明菜や西城秀樹、Winkら有名アーティストからマニアックなアイドルまで幅広く、なおかつ隠れた名曲もピックアップして紹介。


ナイト・テンポ 韓国出身のDJ、プロデューサー。2019年から公式リエディット集「昭和グルーヴ」シリーズをリリース。最新作は第18弾の早見優。10月11日から全国ツアーが開催される。


※『anan』2023年10月4日号より。写真・小笠原真紀 取材、文・森 樹


(by anan編集部)

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2023年10月02日 20時30分

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