ストリッパーが経験した「最悪の48時間」...全米でバズった実話ツイートが映画化

2022年08月25日 21時00分

エンタメ anan

SNSとは切っても切り離せない生活を送るなか、たったひとつの投稿で人生が変わってしまうこともあるのがいまの時代。そこで注目の1本としてご紹介するのは、全米でバズったあるツイートを映画化した話題作です。

『Zola ゾラ』

【映画、ときどき私】 vol. 514


デトロイトでウェイトレス兼ストリッパーとして働いていたゾラは、レストランの勤務中に客としてやってきたステファニと出会う。2人は「ダンスができる」という共通点があることで意気投合し、連絡先を交換する。


するとその翌日、ステファニから「ダンスで大金を稼ぐ旅に出よう」と誘われるゾラ。あまりに急なことで困惑するも、ステファニの不器用なボーイフレンドのデレクと、得体の知れない危険人物である“仲間”の Xと一緒に行くことに。しかし、これが48時間の悪夢の始まりになるとは知る由もなかった……。


2015年10月、デトロイトに住むアザイア“ゾラ”キングという名の一般女性が連続投稿した計148のツイートがもとになっている本作。自身のリアルで淫らな失敗談は瞬く間に拡散され、アメリカでは魅了される有名人も続出して大きな話題に。今回は、映画化の裏側について、こちらの方にお話をうかがってきました。


ジャニクサ・ブラヴォー監督

映画やドラマで着実にキャリアを積んだあと、人気ブランドmiu miuの女性監督シリーズに抜擢されるなど、今後が期待されているブラヴォー監督。ハリウッドでもっとも勢いのあるスタジオA24ともに新たなヒット作を完成させ、さらなる注目を集めています。そこで、制作の過程や作品へのこだわり、さらに女性たちに伝えたい思いについて語っていただきました。


―Twitterという限られた短い文章で綴られたものを映画にするのは難しさもあったと思いますが、行間を埋めていく作業は苦労しましたか?


監督 ツイートがあったことによって、助けられた部分は大きかったと思います。というのも、それがあることによって、どこまでやっていいのかという基準になっていたので。本作は友人でもある脚本家のジェレミー・O・ハリスと共同で執筆しましたが、大枠を先に考えてから細かいところを埋めていく伝統的な作り方ではなく、自由に書きながら物語を見つけていく方法を取りました。


―実際、148ものツイートをどのようにして組み立てていったのでしょうか。


監督 もともとこの話には冒頭と中盤と結末がしっかりとありましたが、私たちが考えた物語をベースに、それらをわけていき、順番にメモを壁に貼っていきました。そのなかでも私たちに任されていたのは、それぞれのツイートにどれくらいの時間を使うのかということ。たった1行のツイートを1分にすることもあれば、17分にすることもありましたし、12のツイートをひとつのセクションにまとめることもありました。


ある場所から移動するシーンでは、車で18時間以上もかかるくだりが1つのツイートだけで語られていたので、時間の経過を感じてもらうために、展開を膨らませて物語を追加したこともあったほど。そんなふうにひとつひとつ考えながら、作り上げていきました。


女性には、瞬時に頭を働かせなければならないときがある

―主要キャラクターでいうと女性にはスマートなところがあるいっぽうで、男性はどこかまだ成熟していないように感じました。キャラクターを描く際、男女で違いを出しているのは意図的だったのでしょうか。


監督 おもしろい質問をありがとうございます。これに関しては、実話だからそれに合わせていたというのもありますが、一番の理由は、ゾラ本人から見た彼らがそうだったから。もちろん、人に伝える際に誇張されている部分もありますが、これはゾラが描いたキャラクターなのです。


私が思うに、彼女が知性を感じるかどうかは、自分が相手に対してリスペクトしているかどうかと連動しているのではないかなと。それが各人物像にも反映されているように感じました。たとえば、ゾラはおそらくステファニのことを好きではないけれど、ある面ではリスペクトしていて、それはXに対しても同じような感覚。いっぽうで、デレクは頭が悪そうに描かれていますが、たまたま彼がゾラに見せた姿がリスペクトできないものだったから、ああいう描き方になったのだと思います。


―では、ゾラに対して監督はどのような印象を受けましたか?


監督 彼女は、いろんなことを計算できるキャラクターだと感じました。残念ながら女性は社会的な立場や仕事において、自分が望まない状況に追い込まれることがあるので、そういうときにどうやってここから抜け出せるのかを瞬時に考えなければいけませんからね。


特に、相手が男性の場合は怖いと感じることもあるかもしれませんが、そこでいかに頭を働かせられるかが大事かなと。そういう意味では、ステファニのほうがゾラよりも頭が回るので、彼女に対してリスペクトをしているように感じました。


がんばったことがあれば、きちんと祝福すべき

―また、効果音や構成など、細かいところまでこだわっていたと思いますが、なかでも観客に注目してもらいたいポイントがあれば教えてください。


監督 劇中でTwitterの通知音がたびたび聞こえますが、それはいまのセリフがオリジナルのツイートと同じであることを伝えているので、ぜひそれを知ったうえで観てもらうといいかなと思います。そこは、オリジナルのツイートへのオマージュのような意味合いで入れているものです。


―そのほかに、ゾラとステファニの個性的なファッションも女性にとっては大きな見どころだと感じました。


監督 笑われてしまうかもしれませんが、「ハロウィーンのときにこのキャラクターのコスプレをしている人を見かけたら、自分たちの伝えたいことがしっかりと認められる証拠だね」という話を衣装デザイナーやカメラマンなどと事前にしていました。そういったこともあって、キャラクター造形に関しては、漫画や油絵の具で描かれたような強烈な個性をしっかりと表現したいと思いました。


―監督自身も非常にエネルギッシュな方なので、仕事をするうえでのモチベーションについてもお聞かせいただきたいです。


監督 以前はスタイリストをしていたこともあり、私がこの仕事をできるようになるまでは多少時間がかかりましたが、いまは続けていける自信を少しは持てるようになりました。ただ、映画を作っているときは肉体的にも精神的にも疲弊するところはあるので、大変なときもありますよ。でも、「自分がずっとやりたかったことができているんだ」と考えて、難しい顔はしないように心がけています。


私は自分が成し遂げたことに対してお祝いをするのが苦手というか、いいことに対して浮かれすぎないように育てられてきました。でも、いまはがんばったことがうまくいったら祝福すべきだと思うし、喜びに対してしっかりと目を向けるようにも意識しています。


他人と自分を比べ過ぎるのは、有益ではない

―なるほど。ところで、まもなく公開を迎える日本に対しては、どのような印象をお持ちですか?


監督 実はまだ行ったことがないので、今回の映画と一緒に行けるかなと思っていましたが、残念ながらそれは叶いませんでした。この映画の共同脚本家であるジェレミーがつい最近まで3週間ほど日本に滞在していて、すごく日本を気に入ったようなので、いつか一緒に行けたらいいなと。いまの私が日本について知っていることは、表層的なものばかりなので、実際に行ってからいろいろと知りたいです。


―また、仕事や恋愛でいろんな壁にぶつかることもある日本の女性たちに、アドバイスがあればお聞かせください。


監督 まず私が言いたいのは、「他人と自分を比べることに時間を使うことは、有益なことではない」ということです。ただ、それをすることで、自分が正しい方向に進むことができるのであればいいですが、比べ過ぎるのは間違いだと思っています。だって、私たちはみんな独自の道を歩んでいるものですからね。


―確かに、その通りですね。それでは最後に、映画を楽しみにしているananweb読者に向けてメッセージをお願いします。


監督 この映画を通して感じてほしいことは、女性の主体性やセクシュアリティについて。それらを祝福している作品なので、女性はもっと自由であっていいし、自立してもっと自分という人間を表現していいと考えています。


私は80年代生まれということもあって、「こういう格好をすれば周りからこう見られてしまうだろう」と考える社会のなかで育ってきましたが、いまの若い世代には「それを決めるのは自分」という声をしっかりと持てる人が増えました。世界のなかでどうやって舵をとっていくかを自分で決められるのは、とてもセクシーなことだと思うので、ちょっとした反骨精神を持って進んでもいいんだということが伝わればうれしいです。


ゴージャスで、刺激的な世界にようこそ!

最低だけど最高にスリリングな実体験とともに、女性たちが繰り広げるぶっ飛んだ友情を描いた異色の青春映画。SNSと現実が交錯するいまの時代だからこそ誕生した“現代のヒロイン”ゾラの登場に、誰もが熱狂せずにはいられないはずです。

取材、文・志村昌美

ホットでクールな予告編はこちら!


作品情報

『Zola ゾラ』

8月26日(金)新宿ピカデリー、渋谷ホワイトシネクイント他全国ロードショー

配給:トランスフォーマー



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