大ヒット作が続々誕生「少年ジャンプ+」 編集部が明かす、面白い作品の共通点は!?

2022年06月17日 19時10分

エンタメ anan

数々のヒット作を創出する漫画誌アプリ「少年ジャンプ+」。編集部の林士平さんが語る、漫画の作り方や媒体の強みとは。

作家の味わいや美学を感じる作品をジャンルにとらわれることなく掲載。



2014年に誕生した集英社の漫画誌アプリ「少年ジャンプ+」の編集者として、『チェンソーマン』や『HEART GEAR』など、多くの大ヒット作品を担当する林士平さん。「少年ジャンプ+」の名が知られるようになったのは『終末のハーレム』や『ファイアパンチ』などの連載が始まった時期と振り返る。


「最初の頃はホラーや、少しエグかったり暗めの作品など、いわゆるウェブに適性が高い作品が掲載されていたイメージがありました。それが、例えば『とんかつDJアゲ太郎』など、扱うジャンルが広がり、幅広い作品の総合力によって集まるお客さんが増え、媒体の力も上がっていきました。読み手には、“こんな作品も載ってるんだ”と楽しく読んでもらい、また、作家には“こんな作品を描いても反応がもらえるんだ”というところを編集部として提示できたことがよかったのかなと思います。“『少年ジャンプ+』らしさ”みたいなものを設けると作品の幅が狭まるので、そこは全く意識しません。作品や作家ごとに柔軟に描きたいもの、面白いものを優先できる媒体であることを大事にしています」


アプリでは新人からベテランまで様々な作家の漫画が読め、ほぼ毎日、読み切り作品などが掲載される。


「新人作家に対してデビューするチャンスや作品を描くチャンスを与えているところも強みだと思います。若い作家や作品が集まらないと、その媒体は緩やかに死んでいくと思うので。伝統的な持ち込みやウェブでの持ち込み、スカウトキャラバンの開催や創作イベントへの顔出し、全国の美大に行くなど、いろいろな作家と会っています。ヒットしそうな作品は時世によっても変わるので一概には言えないのですが、僕個人としては今まで見たことのないものは面白そうだと思います。作家さんの味とか人間性、美学を感じるものは、美味しそうだと思いますね。新しすぎて読者がまったく理解ができないものは売れないのかなと思うし、すべてが簡単に理解できてしまうと退屈に。ちょうどいい塩梅があるのかなとは思っています」


林さんが担当したなかで話題となった作品を尋ねると。


「『にくをはぐ』は、ネットで“ちょっと面白いから読んでみなよ”と広がっていった印象があります。読み手各自の思い入れがストーリーラインに語られる感じで嬉しかったですね。『16歳の身体地図』も、語られることで広がっていった作品です。読んでくださるだけでありがたいのに、さらに深く考えてもらえたとしたら嬉しいことだなと。決して話題になりたいという気持ちが最初にあるわけではなく、そこがゴールでもありません。面白い漫画を届けたい気持ちが一番です」


担当する作品の一つ『SPY×FAMILY』も、大きな話題を呼びアニメ化を遂げた。


「『鬼滅の刃』などもそうですが、昔以上に、漫画とアニメーションの距離が縮まり、クオリティの高いものをていねいに作れば、ちゃんと世界に届くようになったと感じています。以前は、アニメはアニメのルールというものがあって、文脈やキャラクターをそれに合わせて変えていたと思うんですけど、今は漫画で愛されたキャラクターを翻訳しすぎず、守ることを意識して作っていくので。そういう意味では、漫画とアニメのボーダレス化という現象があるのかなと思います。また、『SPY×FAMILY』は、『MANGA Plus by SHUEISHA』というサービスだと、国内と同じタイミングで、世界各国の言語に翻訳されたものが配信され、地球の裏側からもすぐにリアクションが届きます。『SPY×FAMILY』を見た人が日本に『少年ジャンプ+』という媒体があること、ほかにも面白い作品がいっぱいあることを知っていただけたら。『マーベル』映画のように、面白い作品がいっぱいあると思われる媒体になりたいですね」


『ルックバック』藤本タツキ

多くの人が考察を重ね、議論を巻き起こした話題作。



「少年ジャンプ+」において2021年7月に公開された長編読み切り作品。自分の才能に絶対的な自信を持つ小学4年生の藤野と、不登校の京本という、漫画を描くことに自身を捧げる2人の少女のひたむきな思いと人生を描く。公開されるやいなや、ツイッターをはじめとするSNSで大きな話題を呼び、内容に対する議論や考察などが盛んに行われた。『このマンガがすごい! 2022』のオトコ編1位に選出。コミックスが発売中。

©藤本タツキ/集英社


『16歳の身体地図』モリエサトシ

少年漫画では珍しいテーマを描き、読者の幅を広げる。



「少年ジャンプ+」において2021年5月に公開された読み切り作品。バレーボールに打ち込む女子高生たちの青春や成長、人間関係を、重い生理痛や体の変化に悩み、スポーツへの向き合い方が変化していく主人公・キリカを通じて描く。これまで少年漫画で取り上げられたことのない、しかも踏み込んだテーマを扱ったことで注目を集め、登場人物たちに共感する声も多く見られた。現在も「少年ジャンプ+」にて無料配信中。

©モリエサトシ/集英社


集英社 少年ジャンプ+ りん・しへい 漫画編集者。集英社勤務。『ダンダダン』『左ききのエレン』『全部ぶっ壊す』など数々の名作を担当。現在は8本の連載を抱えている。『SPY×FAMILY』のアニメ化においても制作と深く連携。


※『anan』2022年6月22日号より。取材、文・重信 綾


(by anan編集部)

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2022年06月17日 19時10分

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