シド「愛を見つめ直して生まれた言葉」で紡ぎ出された挑戦作が完成

2022年03月25日 18時30分

エンタメ anan

【音楽通信】第105回目に登場するのは、来年結成20周年を迎える4人組ロックバンド、シドのみなさん!

音楽的ルーツもさまざまな4人が集結


写真左から、Shinji(G)、明希(B)、マオ (Vo)、ゆうや(Dr)。

【音楽通信】vol.105


マオさん(Vo)、Shinjiさん(G)、明希さん(B)、ゆうやさん(Dr)からなる4人組ロックバンド、シド。


2003年にバンドを結成し、2008年にメジャーデビュー。東京ドーム公演では4万人を動員し、初のベストアルバムはオリコンウィークリー1位を獲得、そしてアジアツアーを行うなどコンスタントにリリースやライブ活動を続け、人気を博しています。


そんなシドが、2022年3月23日にニューアルバム『海辺』をリリースされたということで、音楽的なルーツなどを含めて、お話をうかがいました。


ーー小さい頃に音楽や楽器に触れた経緯と、バンドをやるようになったきっかけから教えてください。


マオ 最初に歌いたいと思ったのは、小学校6年生ぐらいの頃です。カラオケが流行りだして、友達と行くようになると「上手だね」と言われることが多くて、「じゃあ歌ってみるか」という感じで歌を始めました。それまではあまり人に褒められた経験がなかったので、うれしかったんです。


子どもの頃は、(4人組バンドの)LINDBERGの歌をよく歌っていました。カラオケでは、当時流行していた歌をいろいろと歌っていましたね。僕はパンクロックが好きだったんですが、あんまりカラオケに入っていなかったので、幅広く音楽を聴いていました。バンドをやり始めたのは、高校生のときからで、初めて立ったステージは高校の文化祭です。


Shinji 中学2年生になるまでは、あまり音楽には興味がなくて、野球などのスポーツが好きだったんです。でも、中学の給食の時間に有線で日本のヒットチャートが流れていて、B’zの「ZERO」という曲を聴いてビビッときて。その場で友達を集めて、じゃんけんをして担当するパートを決めて、バンド人生が始まりました。


ーーB’zにビビッときたからギターを担当されたのですか。


Shinji いえ、じゃんけんして最後まで負けてしまい、それでギターになりました(笑)。僕はバンドをやりたかったのですが、ただそばにいる友達をかき集めただけのメンバーだったので、みんなそこまでバンドに興味がなくて。ギターは弦が6本もあるから弾くのは難しそうだと言われて、最後まで不人気だったギターを担当して、今に至ります。


明希 最初に楽器に触れたのは、小学生ぐらいのときからやっていたピアノです。それまでは習い事も続かなかったのですが、ピアノのレッスンはずっと続いて、そこからどんどん音楽が好きになって。その後、バンドをやりたいと思って好きになったきっかけは、LUNA SEAを観て衝撃を受けて、それでベースを始めました。


ゆうや 僕はずっとサッカーしかしていなくて、地元でもバンドや音楽が流行っていなかったので、まわりに影響されることもなく、あまり音楽に触れる機会がなかったですね。当時はテレビっ子だったので、初めて買ったCDも、とんねるずさんがやっていたテレビ番組で歌っていた「がじゃいも」でした。


音楽に触れるようになったのは、高校に入ってからです。学校に軽音同好会があったのですが、サッカーの練習が終わった後に、暇だったからそこを覗くようになって、少しずつバンドに触れるようになっていきました。


10の愛の物語をコンセプトにしたアルバム


マオ(Vo)。福岡県出身。10月23日生まれ。

ーー2022年3月23日にニューアルバム『海辺』をリリースされました。今回のリリースにあたっての思いからお聞かせください。


マオ この『海辺』は、10の愛の物語をコンセプトに作りました。コロナ禍の時代に、僕たちもファンのみんなも世の中としても、きっと愛が足りていないんじゃないのかなと。まるで愛を見つめ直すような、ひとりの時間が多くなったこの2年間だったと思うんです。


そういうなかで、僕自身、愛とは何かをあらためて作詞家としても見つめ直す機会がありました。そのなかで生まれた言葉たちを中心に、今回はアルバムを作っていこう、というところから制作が始まりました。


ーーマオさんはすべての作詞を担当されていますが、アルバムのタイトル曲となるドラマチックなナンバーの10曲目「海辺」は、どのような気持ちを込めた曲ですか。


マオ 10の愛の物語が、最後に集まってきて、流れ着く場所。そして最後の曲なので「海辺」というタイトルにしました。タイトルが決まったあとにアルバムタイトルを決める際、あらためて別のタイトルをつける案もあったんですが、僕はどうしても「海辺」というタイトルにしたくて。作っていくなかで、どんどん気持ちが入っていきましたし、今はこのタイトルをすごく気に入っています。


ーー明希さんは、「海辺」を作曲されていますが、どのようなイメージで作られましたか。


明希 今回は、マオくんの考えたテーマというものがあって、そのなかで作曲に取り掛かりました。テーマに沿ったイメージで曲を作っていって、自分としては「最後にふさわしい曲になったらいいな」というイメージを先行して持っているなかで、作っていった曲になります。


Shinji(G)。埼玉県出身。2月8日生まれ。

ーー9曲目「揺れる夏服」は、マオさん作詞、Shinjiさん作曲のキャッチーでポップなナンバーですが、どのように生まれた楽曲ですか。


マオ これは、陰と陽があれば、このアルバムのなかでは陽の曲。キラキラしている曲なんですが、シドの曲の中では、実はキラキラしている曲も多くて。そういう歴代やってきたキラキラした曲の流れを取り入れつつも、やはり新しい挑戦もしたくてたくさん取り込んだ曲と歌詞になっています。


Shinji 今回“令和歌謡”という新たなジャンルを提示しながらも、けっこうライブのことを意識して作ったところもあります。もともとマオくんからの「キラキラした楽曲が欲しい」というリクエストがあって、さらにライブの後半でこういうノリのいい曲が欲しいなと思いながら、作っていきました。


ーー2曲目「大好きだから…」は、マオさん作詞、ゆうやさん作曲の切ないナンバーですが、どのようなテーマから生まれた楽曲でしょうか。


マオ 僕、読書が好きなのですが、ミステリー小説を読んだときに「そういう要素が入っている歌詞を書いてみたい」と書き上げました。一見、普通の悲しい歌詞に見えるんですが、よく見るとある謎が解けていくので、謎解きも楽しんでいただければと思います。


明希(B)。神奈川県出身。2月3日生まれ。

ゆうや この曲は、アルバムの中で最後に作った曲ですね。いろいろなコンセプトが上がっているなかで、これはまだコンセプトがなかった状態で、途中で「こういう曲が欲しいね」となって作り始めて。これまでやったことのないイメージと、和風を合体させたようなテイストにして、新しいタイプの曲を作ってみたいと思い、作り上げていきました。


ーーマオさんは、いつもどのように作詞をしているのですか。


マオ 例えば、本や映画から影響を受けるということは、まれなんです。どちらかというと、インスパイアを受けたとしたらそれを僕の日常に取り入れることで「じゃあ、書くぞ」となったときに、バーっと出てくるというイメージ。フィクションかノンフィクションかも関係なく、自分の頭の中にあるもの、僕でしかないものが、言葉となって仕上がっていくということですね。


ーー歌詞には、女性目線のものと男性目線のものがありますが、何か切り替えがあるのでしょうか。


マオ あまりこのテーマだから女性目線でというような決まりはなく、自然と生まれてくるものなんですよね。それは曲に導かれるときもありますが、リアルタイムで書いてみたいテーマがパッと浮かんだら、そのときに決めているので、自分軸の中でどのような主人公をテーマにして歌詞を書くかは決まるという感じですね。だから、女性目線で書いている曲も、明日書いていたら、もしかすると男性目線になっていたかもということも楽しみながら、リアルに書いています。


ーー歌詞を書かれているときに大事にしていることはありますか。


マオ 歌詞がわかりやすいことは大事ですが、わかりやすいのと、ひとつしか答えがない、というのは全然話が違うと思っていて。自分が詞を書いて、歌って、そこで終了ではないと思っています。お客さんが受け取って、詞を読んでくれて、その人なりの解釈が出てきて、そこで初めてゴールですから。いろいろなゴールが作れるような歌詞を目指して書いています。


ゆうや(Dr)。千葉県出身。12月9日生まれ。

ーー明希さん、Shinjiさん、ゆうやさんは、作曲を担当されていますが、曲作りで大事にしていることはありますか。


明希 大切にしていることは、みんな共通して、メロディの良さだと思います。個人的には、最近はメロディはもちろんですが、アレンジや自分たちらしさ、冒険というか遊び心も同じぐらい大切だと思っていて。


もうすぐ結成20年になりますが、年を重ねるほど、保守的なイメージに見られるのがいやになってきているというか。これまでもいろいろなジャンルや音楽性を表現してきたつもりですが、これからもずっと自分たちらしく挑戦していきたいというのがありますね。


Shinji メロディが一番大事ですね。最近意識するのは、例えば「この曲、10年後、20年後も聴いてもらえているかな?」ということ。曲調によってもキャッチーさを求めるのか、それとも新しさを求めるのかと、視点が違うと変わってきますし、流行っている曲も素晴らしいですが果たしてどれだけの曲が何十年後も聴かれているかというとどうだろうと。日々、残っていく曲、長く聴いてもらえる曲を作りたいと思っていますね。


ゆうや 昔からずっとそうなんですけれども、僕自身は歌を歌っていないので、歌うとどうなるのかを一番意識して作っています。あとは、直感的に生まれた曲は、すぐに手をつけないようにしていますね。直感で曲ができたときは、すごくいいなと思っているんですが、何日後かに聴いてみると全然よくないな、ということもいっぱいあって。そのため、曲ができても、1回寝かせて、その何日後かに聴いてみるようにしています。


「4人で健康に楽しく続けていくことがすべて」

ーーお話は変わりますが、みなさんがいまハマっているものや趣味を教えてください。


マオ うちにはトイプードルがいるんですが、犬も行けるカフェやレストランも多くて、一緒に出かけることですね。今は海に連れて行って、一緒に遊んだり、人があまりいないような場所に出かけたりしています。めちゃくちゃかわいいです。


Shinji ラーメンが好きで、以前はお店をまわっていましたが、今はコロナ禍なので全然行っていませんね。家にいても、基本的にあまりテレビは見ないのですが、観るとしたら好きな野球です。野球はまだシーズンが始まっていないんですが、地味ながらキャンプや練習試合の様子をBS番組などで観ていますね。好きな巨人の様子を中心に、巨人の放送がやっていないときは、他の球団のキャンプの様子を観ています。


明希 最近、動画配信サービスを観るようになって、たまたま観たことから韓国ドラマにどっぷりハマっています。面白かったのは『今、私たちの学校は…』という韓国ゾンビドラマと、いまさらながら主役のふたりが結婚したと知ってから『愛の不時着』を観ました。


ゆうや 外出自粛になった2020年の4月ぐらいから、この際、見直そうと思って、家の中の改築をするようになりました。防音の部屋を作ったり、ついていなかった壁に窓をつけたり、二重窓にしたり、オーダーメイドのガラス窓をつけたり。家を見直して「こうしてみようかな」とやり始めたら、わりとけっこうな改築になったのですが(笑)、ゆっくりと自分でやることにハマりました。


ーーいろいろなお話をありがとうございました。最後に、代表してマオさんから、今後の抱負をお聞かせください。


マオ シドは、今年19周年、来年20周年を迎えます。ここまできたら、4人で健康に楽しく続けていくことがすべてだと思うので、そこだけをがんばっていけたら。そのなかでいいアルバムができたり、いいライブができたり、いろいろなご褒美が待っていると思うので、これからもシドを楽しく続けていきたいですね。


取材後記


胸に響く歌詞とメロディで、ヴィジュアル系というジャンルを超えて、さまざまな音楽ファンを獲得し続けているシドのみなさん。ananwebの取材では、マオさん、Shinjiさん、明希さん、ゆうやさんのメンバー全員にいろいろなお話をうかがうことができました。新しい挑戦を続けるシドのみなさんのニューアルバムをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。

取材、文・かわむらあみり


シド PROFILE

2003年結成。マオ(Vo)、Shinji(G)、明希(B)、ゆうや(Dr)からなる4人組ロックバンド。


2008年、TVアニメ『黒執事』オープニングテーマ「モノクロのキス」でメジャーデビュー。 2010年の東京ドーム公演では4万人を動員。2013年、初のベストアルバムをリリースし、オリコンウィークリー1位を獲得。 同年、横浜スタジアムで10周年記念ライブを開催。夏は初の野外ツアーで4都市5公演で5万人を動員し大成功を収める。


2014年、香港・台湾を含む全国ツアーを開催。2018年、バンド結成15周年とメジャーデビュー10周年のアニバーサリーイヤーとして、計50本以上もの全国ライブハウス公演やアジアツアーを行ったのち、 2019年3月にグランドファイナルとして横浜アリーナ公演を大成功に終えた。2021年、5月に河口湖ステラシアターで開催したスペシャルライブ「SID LIVE 2021 -Star Forest-」の同タイトルのテーマソング「Star Forest」をリリース。


2022年3月23日にニューアルバム『海辺』をリリース。


Information

New Release

『海辺』


(収録曲)

01. 軽蔑

02. 大好きだから…

03. 13月

04. 街路樹

05. 液体

06. 騙し愛

07. 白い声

08. 慈雨のくちづけ

09. 揺れる夏服

10. 海辺


2022年3月23日発売

*収録曲は全形態共通。


(通常盤)

KSCL-3353(CD)※各盤の品番ご確認ください。

¥3,190(税込)


(Poetic盤:初回生産限定盤))

KSCL-3348~49(CD+BOOK)

¥4,950(税込)

【BOOK】・ハードカバー 上製本仕様・マオによる全曲解説などを含む、全100ページの『海辺』ブックレット。


(Artistic盤:初回生産限定盤)

KSCL-3350~52(CD+BD+PHOTO BOOK+BOX仕様)

¥6,490(税込)

【PHOTO BOOK】全40ページに及ぶメンバーの写真を収めたフォトブックレット。

【Blu-ray 収録内容】01.“騙し愛” Music Video 02.Making of Music Video “騙し愛” 03.“海辺” Music Video 04.Photo Session & Making of Music Video “海辺”



取材、文・かわむらあみり

anan

2022年03月25日 18時30分

エンタメ anan

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