「日本に行きたくてしょうがないです」話題の監督ユニットが日本に注目する理由

2021年11月03日 19時00分

エンタメ anan

悪い夢でも見ているかのような生活が長く続くなか、思わず目が覚めるような衝撃体験を求めている人も多いはず。そこで今回ご紹介するオススメ映画は、迷宮に入り込んだような感覚を味わえる話題作です。

『アンテベラム』


【映画、ときどき私】 vol. 425


心優しい夫と幼い娘と幸せに暮らしていたリベラル派のベストセラー作家ヴェロニカ。ある日、謎めいた女性とのオンライン取材をこなしたあと、講演会のために単身ニューオーリンズを訪れる。現地では親友らと合流し、ディナーに繰り出すが、そこには公私共に順風満帆なヴェロニカを奈落の底へと突き落とす恐ろしい罠が待ち受けていた。


一方、奴隷制度を信奉する南軍の旗が掲げられたアメリカ南部にあるプランテーションで、囚われの身となっている女性エデン。脱走を試みた者は監視役に殺され、焼却炉で処分されてしまう。過酷な労働を強いられ、屈辱と恐怖の日々を耐え忍ぶなか、エデンは脱出のチャンスをうかがっていた。同じ境遇の女性ジュリアを巡る出来事をきっかけに、エデンは奴隷仲間のイーライと脱走計画を実行するが……。


これまでに『ゲット・アウト』『アス』といった衝撃作を世に送り出したプロデューサーが、新たに手掛けた“パラドックス・スリラー”として話題の本作。今回は、こちらの方々に見どころなどをうかがってきました。

ジェラルド・ブッシュ & クリストファー・レンツ


現代社会を揺るがす問題に焦点をあてた作品を数多く発表し、映像作家として注目を集めているブッシュ監督(写真・左)とレンツ監督(同・右)。ユニットとして長年一緒に活動をしているおふたりに、長編映画デビュー作となった本作が誕生した裏側や社会に対する思い、そして2人だからこその強みについて語っていただきました。


―本作は、ブッシュ監督が見た悪夢がきっかけだそうですが、どういった内容だったのでしょうか?


ブッシュ監督 僕が見た夢は、ほぼこの映画の通りと言えると思います。インスピレーションというのは、夢や白昼夢から来ることもあるので、普段からこういったものに注意をしているほうですが、今回は本当に悪夢でしたね。犯罪の様子を目撃してしまったかのようなショックがあったので、目が覚めた瞬間にいろいろとメモをしたほど。次元を超えて誰かが僕に助けを求めているような気さえしました。超自然的というか、自分の祖先から語りかけられているような感覚もあったので、それをそのまま映画にしようと考えたのです。


―その話を聞いてレンツ監督は、どう思われましたか?


レンツ監督 そのストーリーは書くべきだと言いました。実際、すぐに2人で短編を作ったのですが、それがこの映画のもとになっています。


―『アンテベラム』は直訳すると、「南北戦争前、戦前」という意味になります。このタイトルに決めたいきさつやここに込めた思いを教えてください。


ブッシュ監督 実は、「アンテベラム」という言葉もサインとして僕の夢に出てきたものです。この映画では、夢の話になるべく忠実に描きたいと思っていたので、そのまま使いました。僕たちとしては、観た方に「はたしてこれは実際にアメリカの南北戦争前のことを指しているのか」それとも「これから起こるであろう南北戦争のような出来事のことを指しているのか」という疑問を投げかける意味も込めています。

人々の心から憎悪が消えないと同じことが繰り返される


―本作にも関わりのある南軍司令官のロバート・E・リー将軍の銅像が先日バージニア州で撤去されたこともあり、非常にタイムリーな作品になったと思います。このことでアメリカは変わっていくと思いますか? それともこれからもまだ過去に縛られたままの状態が続くとお考えですか?


ブッシュ監督 非常に面白い質問だと思います。あの銅像は南北戦争の象徴的なアイコンで、戦後50年近く経ってから建てられたわけですが、それを人々が受け入れたことも驚きではないかなと。僕が思うに、リー将軍はヒトラーのような人物でしたからね。


今回、銅像は撤去されましたが、社会がした醜い行為にきちんと直面しない限りは、いくら物理的な行動を取ったとしても、同じようなことが起きてしまうと考えています。実際、今年の1月にはトランプの支持者たちによってワシントンの連邦議会議事堂が襲撃される事件が起きました。公共の場所から銅像を撤去するかどうかではなく、人々の心のなかから憎悪が消えない限りは、これからもこういったことはずっと繰り返されることだと危惧しています。


―確かにその通りだと思います。撮影時のことについてもおうかがいしますが、レンツ監督は毎日大変で、ときには涙を流したこともあったとか。なかでも印象に残っていることは?


レンツ監督 冒頭のシーンを撮っているとき、ジャネール・モネイを始めとする俳優たちの演技が素晴らしくて涙を流したことはありました。仕事としては大変なことが多かったですが、とてもやりがいのある現場でもあったので、そういう意味でのストレスはなかったです。みんなで一緒に、目的や大義に向かっていくことができました。

最後にはものすごいカタルシスが味わえる


―映画のなかで、隠されたメッセージなど、注目すべきポイントを挙げるとすれば? 


ブッシュ監督 映画のなかには隠しメッセージはもちろん、過去から現代までのアメリカ文化におけるさまざまシンボルもたくさん散りばめています。なかでも注目してほしい場面のひとつとして挙げるなら、奴隷仲間となるジュリアが最初にプランテーションに着いたときの言動も、ある種のヒントになっていると言えるのではないかなと。


観客のみなさんにはなるべく劇場に行って、最初から最後まで何も見逃すことなく、じっくりと観ていただきたいです。そうすれば、ラストにはものすごいカタルシスを味わえると思っています。


―みなさんには、ぜひ隅から隅までしっかりと観ていただきたいですね。主演のジャネール・モネイさんは圧倒的な存在感を放っていましたが、実際にご一緒されてみていかがでしたか?


レンツ監督 今回はあらゆる瞬間に、彼女のすごさを感じました。なかでも、彼女がジュリアを小屋で見つけたときに浮かべる表情は、本当に素晴らしかったですね。それからクライマックスで、夫にあることを告げるシーンでは、彼女の希望でもう一度撮り直しましたが、おかげでインパクトのあるいいシーンにすることができました。


―これまでユニットとして活動されていますが、うまくやっていく秘訣はありますか?


ブッシュ監督 僕は子どもの頃に、画家のディエゴ・リベラとフリーダ・カーロのパートナーシップを見ていて、「何てすごいんだろう」と思っていましたが、僕たちも一緒に暮らしながらアートを作る生活を14年送ってきました。仕事だけでなく、私生活でもパートナーとして本当に幸せな日々を過ごしています。これは非常にユニークであり、ラッキーなことだと思いますが、それができているのはおそらくお互いの意見を尊重し合えているからです。


つまり、自分がしていることと同様に2人でしていることも、僕は信じていますし、それぞれの独特な視点があるからこそ、それが僕たちの形を作っているのだと感じています。これは本当に、恵まれたことですよね。

異なる視点を持っているのが2人の強み


―2人だからこその強みといえば、どんなところでしょうか。


レンツ監督 僕たちは全然違うタイプの人間なので、異なる視点を持っているのは大きいことかなと。そのおかげで、観る人にとっておもしろくて、よりリアルな作品ができるのだと感じています。


ブッシュ監督 確かにそうだね。あと、彼はコネチカット州出身の白人で、私はテキサス州出身の黒人とまったく違うけれど、同じ価値観を分かち合っています。もしかしたら、それが絆となっているのではないでしょうか。作品を生み出す大きな要因となっているのも、そういった価値観から来ているものですから。完成するまでは、激しい議論を交わすこともありますが、それがあるからより良いものが生み出せると思っています。


それに僕たちはやりたいことに対して、2人の考えはいつも完全に一致しているので、違う意見が出てきたとしても、同じ情熱や価値観を持ち、それについて話し合えるというのが僕たちの強みと言えるのかもしれませんね。


―それでは、日本で公開されることになったお気持ちや観客に伝えたい思いについて、お聞かせください。


ブッシュ監督 実は、僕たちのやりたいことリストのひとつは、日本に行くこと。というのも、東京が世界で一番お気に入りの場所だというジャネールから、どれほど素晴らしい街なのかという話を僕たちは延々と聞かされていたからね(笑)。おかげで、いま行きたくてしょうがないんです。そういったこともあって、この映画が日本で公開されることには、本当にワクワクしています。日本の観客というのは非常にレベルが高いので、この映画を純粋にアートとして楽しんでいただけることを願っているところです。


レンツ監督 日本には非常に興味があるので、次の映画では絶対に来日したいですね! 次回作では、グローバルな気候変動について描いているので、日本をはじめ、いろいろな国から得たインスピレーションを入れ込みたいと考えています。

驚愕のクライマックスに息を飲む!


一瞬たりとも目が離せないストーリー展開と、極限状態の緊張感にどんどんと引き込まれてしまう本作。得体の知れない恐怖の正体が明らかになったとき、衝撃の大きさに誰もが打ちのめされてしまうはず。信じがたい“悪夢”が見せる真実とは?

取材、文・志村昌美

心拍数の上がる予告編はこちら!


作品情報

『アンテベラム』

11月5日(金)より全国ロードショー

※TOHOシネマズ シャンテは11月7日(日)より

配給:キノフィルムズ


©2020 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

©Ryan DeForeest

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2021年11月03日 19時00分

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