「日本はゴジラも含めて大好き!」 世界的監督に抜擢された期待の新星たち

2021年04月07日 20時00分

エンタメ anan

『君の名前で僕を呼んで』や『サスペリア』といった話題作を次々と世に送り出し、世界的な評価を得ている“イタリアの名匠”ルカ・グァダニーノ監督。多くの映画ファンがその動向を見守るなか、今回はテレビドラマに初挑戦して話題となっています。そこで、本シリーズに出演をはたしたこちらの方々にお話をうかがってきました。

ジャック・ディラン・グレイザー&ジョーダン・クリスティン・シモン


【映画、ときどき私】 vol. 372


『僕らのままで/WE ARE WHO WE ARE』というタイトルで描かれているのは、10代の少年少女たちが青春時代に抱える葛藤やジェンダーに対する苦悩。母親の都合でニューヨークからイタリアに引っ越してくるも、新しい環境になじもうとする気のない主人公のフレイザーを演じているのがジャック(写真・右)。いっぽうのジョーダン(写真・左)は、フレイザーと友情を育んでいく同年代の少女ケイトリンを演じています。


『シャザム!』や『IT/イット“それ”が見えたら、終わり。』などに出演し、“第2のティモシー・シャラメ”とも言われるジャックと、演技初挑戦にもかかわらず圧倒的な存在感を見せるジョーダン。今回は、4月8日の最終話配信を目前に控えた注目のおふたりに、本作を通して感じたことやお互いへの思いについて、語っていただきました。


―おふたりともオーディションを経て出演が決定したそうですが、この作品に出演したいと思った理由を教えてください。


ジャック ルカが監督しているからというのもありましたが、まずはとにかく脚本が素晴らしいと思ったからです。特に、フレイザーというキャラクターは、いままで演じたことのない役だったという意味でも、ワクワクしましたね。とにかく、いろいろな意味で惹きつけられる作品だと感じたからです。


ジョーダン ジャックと同じような答えになってしまうかもしれないけれど、私もこのケイトリンという役に惹かれるものがあったからです。特に、彼女のように強さを秘めたキャラクターが、じっくりと自分を見つめていくのが興味深いなと。実際、私も同じようなことを考えていたことがあったので、演じることによって自分自身が救われるようなところもあったと思います。

自分にとっては、表現するのが難しい役どころだった


―いずれも繊細な表現が求められる難しい役どころだったと思います。演じるうえで苦労したのはどのあたりですか?


ジョーダン 表現するのが難しかったのは、ケイトリンが自分に対してすごく自信があるところです。私がオーディションを受けたのは、16歳のときですが、ちょうどその年代って自分に自信がない時期だったりしますよね。しかも、現代のようにSNSがある世界に生きていると、簡単に自信が崩れてしまうことがあるので、そういうなかで自分を愛して、何かを発見しようとするキャラクターを演じることは簡単ではありませんでした。


ジャック 僕も最初はフレイザーのアイデンティティに関する部分や彼の深い内面に、どこまで自分が共鳴できているのかわかりませんでした。でも、撮影を進めていくうちに、演じているキャラクターを通して、自分もいろいろなことを経験できたので、後半はすごく理解できるようになったと思います。最終的には、役者としての自分の能力を高めてくれるだけでなく、自分自身も変えてくれたので、大きな学びを与えてくれた役になりました。

役者として解放されるような感覚を味わえた


―ルカ・グァダニーノ監督といえば、世界的にも注目されている監督ですが、印象に残っている演出方法やアドバイスなどはありましたか?


ジャック ルカは「こういうふうにやらなきゃいけない」みたいな強制するような演出ではなく、僕たちが自分の本能を通して自然に役を表現できるように、自由を与えてくれました。もちろん、監督なので演出はしていますが、いい意味ですごくゆるい感じだったので、役者として解放されるような感覚を味わうことができました。


キャラクターをずっと演じている僕らこそが一番キャラクターを理解している存在である、というのがルカの哲学。役者として、すごくクリエイティビティがあるユニークで最高の経験となりました。なかなかここまで監督とコラボレーションして作品を作ることはできないので、ルカには感謝の気持ちを伝えたいです。本当に、ルカにしかできない作品になったと思います。


ジョーダン ジャックが言っている通り、ルカは本当にいろいろな新しいものを自由にとらえさせてくれる監督でした。とにかくオープンで優しいし、私の意見も聞いてくださったので、感謝しています。さまざまな挑戦をさせてもらったからこそ、役者としても成長することができましたし、演技や音楽など、クリエイティブなものにたくさんに触れることによって多くのインスピレーションを与えてもらいました。

ウルトラ級のモチベーションを与えてくれる存在


―劇中で、フレイザーとケイトリンはお互いに影響を与え合う役どころなので、2人のシーンが多かったと思います。実際に一緒に仕事をするうえで、相手にどのような印象を持っていましたか?


ジョーダン ジャックは新しいことに何でもチャレンジする精神を持っていて、役者としても才能がある人。人柄も素晴らしいし、自分らしさをしっかりと持っているところにも刺激を受けたので、私ももっとがんばらなきゃと思わせてくれる存在でした。


ジャック みなさんが想像できないほど僕は彼女にインスパイアされたし、たくさん助けてもらったと思います。なので、僕にとっては、ウルトラ級のモチベーションを与えてくれる人ですね(笑)。彼女はこの作品が役者として初めての仕事なので、こういうテーマで演技に初挑戦するのは、ライオンや炎がある檻のなかに放り込まれるくらい大変なことだったはず。


それでも、彼女は最初から最後まで周りに圧倒されることなく現場にいたので、その姿を見てプロだなと感じました。僕の母親役を演じてくれたクロエ・セヴィニーと同じか、それ以上に素晴らしい役者だなと。


ジョーダン (目を見開いて)うそでしょ!?


ジャック とにかく、「何でも来い!」というような強さがある人なので、一緒に仕事ができたことを誇らしく思っています。

ケミストリーを感じるような相性の良さがあった


―では、演じるなかでお互いに化学反応を感じるような忘れられない瞬間はありましたか?


ジョーダン それは、フレイザーがケイトリンの髪を切るシーンですね。実は、あのシーンを撮影したとき、ジャックと会うのは3回目くらいだったので、まだお互いのことをあまり知らない状態だったんです。それにもかかわらず、ケミストリーを感じるような相性の良さがあって、本当に驚きました。


誰にとっても人に髪を切ってもらうというのは大きなことですし、すごく強烈な印象があるシーンでもあるので、そこに彼がいてくれたことは、私にとっては大きな支えだったなと思います。このシリーズのなかでも、最高の瞬間だったと感じているほどです。


ジャック そうだね、僕も同じ意見だよ。オーディションの段階で、読み合わせをして役者同士の相性を見るという方法があるんですが、その時点でジョーダンとはほかの人にはない相性の良さを感じていました。彼女が言っているように、髪を切っている場面は作品を象徴するようなシーンで、すごく大きな意味を持っていると思います。


あのシーンで見ることができる僕たちのあふれ出るような笑顔や不安な感じは、すべて本物。そういうリアリズムをスクリーンに映し出すことができるのが、ルカの手腕なんですよね。いい意味で僕たちを追い詰めて、リアルな瞬間を引き出してもらったと思います。


そのおかげで、本当に美しくて素晴らしいシーンになっているので、僕たち2人の間に起きたケミストリーを感じてもらえるはずです。ただ、僕の切り方が悪かったから、かわいそうなことに、いまでもジョーダンの髪が伸びてないみたいだね(笑)。


ジョーダン あはは(笑)。

この作品が誰かの役に立てたらうれしい


―あのシーンは、本当に素晴らしかったです。本作では、アイデンティティの探求やジェンダーについて描かれていますが、この作品がご自身の考えにも影響を与えたことはありますか? 


ジョーダン 確かに、この作品を経験して、私自身の物の見方は変わったと思います。というのも、ケイトリンを演じていたとき、ちょうど自分のジェンダーアイデンティティとは何かについて考えていて、答えを見出そうとしていた時期だったんです。なので、この役を演じたことで助けられましたし、いろいろなことを模索しているキャラクターを演じられたことに喜びを感じました。


そのうえでいま思うのは、ケイトリンのように白人ではない若者のキャラクターが自分と向き合っていく姿を描くようなドラマや映画がこれからもっと出てくるといいなと。まだまだそういう作品は少ないですからね。なので、何かに好奇心を持ったり、自問したりしているケイトリンの姿が誰かの役に立てたのなら、それはとてもうれしいことだと思います。


ジャック 僕はこの役を演じ始めたころは、自分が経験したことがなかったので、ジェンダーなどに関する悩みを抱えている人の感情についてあまり考えたことがありませんでした。


なので、最初は少しわからない部分がありましたが、役を演じていくなかで、だんだん自分とフレイザーがシンクロしていく感覚があったんです。そうやっていろいろな問いかけを自分のなかでしていったからこそ、演じ終えたあとでもそこで得た感情が残っているのがわかりました。


そして気がついたのは、こういうフィーリングは誰もが持っているものなんだなということ。決してその思いから人は逃げることができないんですよね。だって、タイトルにも込められているように、僕らは僕らのままなのだから。そういった部分がリアルに表現されているからこそ、このシリーズは最高なんだと思います。

日本の文化もアートもすべてが大好き


―日本でも最終話の配信を心待ちにしている視聴者がたくさんいますので、日本に対する気持ちをお聞かせください。


ジャック 僕にとって、日本は“大きな国”なので、すごく緊張しますね。それくらい僕は日本が大好きなんです。美しい場所だし、アートも文化も色彩感覚も、それからゴジラも含めてすべてが好き。今日は桜の季節にいる日本のことを想って、洋服は上下ともにすべて桜柄にしてきたんですよ(笑)。何度も言うようだけれど、とにかく僕は日本が大好きなんです!


ジョーダン 私もジャックと同じでまだ日本には行ったことがないんだけど、ぜひ行きたいと思っている国です。学校でも日本に関することは勉強したことがあるので、とても興味があります。


日本の文化も好きなので、テレビや映画を観て日本語を少し勉強したいなと思っているほど。まだまだ身についていないですが、いつか行くことができたら日本の文化や言葉など、いろいろなことを学びたいなと思っています。次に取材をするときは、日本でみなさんに会えたらいいですね!

インタビューを終えてみて……。


ドラマで見る印象とは違う魅力を放つジャックとジョーダン。オンラインでのインタビュー中、いろいろなフィルターを使いながら顔を加工して子どものようにはしゃぐジャックと、すっかり大人の雰囲気を漂わせているジョーダンのギャップにも楽しませてもらいました。さらなる活躍が期待される2人だけに、今後も目が離せない存在です。

映像から放たれる輝きに心をつかまれる!

アイデンティティやジェンダーだけでなく、さまざま人間関係に深く切り込んでいる本作。誰もがありのままでいることの難しさを感じている現代に生きているからこそ、彼らの葛藤に共感し、心を揺さぶられるはず。イタリアの美しい景色と音楽に魅了され、若手キャストたちによる瑞々しい演技に引き込まれる必見のシリーズです。

取材、文・志村昌美

ストーリー


14歳のフレイザーは、イタリア・キオッジャの米軍基地に司令官として着任した母親のサラと同性の妻マギーとともに、ニューヨークから引っ越してきた。しかし、フレイザーはニューヨークの友人が恋しく、基地にいるティーンエイジャーたちとなじもうとはしない。母親との折り合いも悪く、うっ屈とした毎日を送っていたフレイザーだったが、ある日、隣に住む少女ケイトリンに出会い、彼女に不思議な魅力を感じて近づいていく……。

胸がざわつく予告編はこちら!


作品情報

『僕らのままで/WE ARE WHO WE ARE』

Amazon Prime Videoチャンネル 「スターチャンネルEX -DRAMA & CLASSICS-」にて配信中


Photo by Yannis Drakoulidis © 2020 Wildside Srl - Sky Italia - Small Forward Productions Srl

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