女性を見下す風潮に喝! 傑作『クイーンズ・ギャンビット』人気爆発の理由 レビュー#2

2021年02月17日 19時30分

エンタメ anan

Netflixの大人気作『クイーンズ・ギャンビット』の主人公のベス(アニャ・テイラー=ジョイ)はチェスの天才少女。第2話ではいよいよ公式大会に出場。「女だ、子どもだ」と見下してくる男たちを相手取って、最初の勝利を掴みます。『梨泰院クラス』『愛の不時着』の興奮に匹敵する傑作の見どころを、ドラマを愛するゲーム作家・米光一成が一話ずつ解説していきます。

【『クイーンズ・ギャンビット』全話レビュー 第2話】vol. 2 


地味なファッションを笑われるベス



主人公のベスはチェスの天才少女。Netflixオリジナルシリーズ『クイーンズ・ギャンビット』独占配信中。


Netflixのランキング各国で1位を総なめした『クイーンズ・ギャンビット』(Netflixドラマ全7話)。全話レビューの第2回目。


主人公ベス・ハーモン(アニャ・テイラー=ジョイ)は、ウィートリー夫婦に引き取られる。養護施設時代のままのまじめな服装で高校へ行くベス。白いブラウスは一番上まできっちりボタンを留め、くすんだ青色のカーディガンを重ねる。白い靴下にプレーン・トゥのシューズ。高校のクラスメートから「茶色の靴に茶色の靴ひも結ぶ?」と笑われる。


クラスメートは、明るいピンクやパステルカラーの服を着て、白と茶のおしゃれな靴を履いている。50年代の終わり頃から、上流階級をターゲットにしていたオートクチュールとは別に、一般庶民、若い世代向けの既製服産業が急速に発展した。


そういった流行のファッションを身にまとうクラスメートから、ベスは、地味だと笑われる。この後、ベスはチェス大会で勝利し、賞金を得て、自信を持ち、どんどん高級ファッションを着こなし、立場が逆転していく。



この学校にチェスクラブはないの?とクラスメートに聞くベス。


チェスは男がやるもの


チェス雑誌で大会があることを知るが、参加費の5ドルがない。用務員のシャイベルさんに手紙を書き、参加費を借りて出場する。第2話の後半は、ベスの初めての大会が描かれる。最初の対戦相手は女の子アネット・パッカー(エロイーズ・ウェッブ)だ。 


「なぜ女同士にされたの」


「よくないことよね」


第2戦以降は、すべて男が対戦相手だ。このころのチェスは男がやるものだという雰囲気だった。


「やられたよ」


対戦相手が女性だとあなどっていた男は、自分が劣勢になって急に不機嫌になる。


翌日の第3戦、親切にしてくれていたタウンズ(ジェイコブ・フォーチューン=ロイド)との対局。好敵手で、ふたりとも対局を楽しんでいる表情から、真剣になっていく表情の変化が描かれる。エンドゲームまでもつれこむ。投了したタウンズ。


「君、いくつだ。いや、いい。答えないで。落ち込むだけだ」


「36歳」とベスは嘘をつく。


「ありがとう。君は本当にすごい。自覚してる?」


終わってトイレに駆け込むベス。初めての生理がきてとまどう。



ベスは、街の雑貨屋のチェス雑誌で大会のことを知る。


ベスの実力が偏見を打ち砕く


第4戦。クシで髪をなでつけるイヤな感じの男の対局は、盤面を映すこともない(この辺の観せ方のテンポ、最高!)。ベスが大会で勝ち上がるのと対照的に、養母の状況は悪化していく。養父オールストン(パトリック・ケネディ)は家に戻らなくなり、生活は困窮し、養母アルマ(マリエル・ヘラー)はふさぎこみがちになる。


大会の最終戦、ハリー・ベルティックとの戦い。遅刻してくるハリー・ベルティックは、あからさまにベスをあなどっている。あくびを繰り返す。だが、強い。ベスは、「すぐにもどる」といってトイレに逃げ込む。


精神安定剤を呑み、自らを叱咤する。鏡の奥、天井にチェス盤の幻影が映る。そして、あのふてぶてしい顔になって、チェス盤の前に戻ってくる。驚くベルティック。指した手を見てまた驚く。


「ちくしょう」


「もう終わりよ」


「いや挽回できる」


「そうは思わない……できたかも、遅刻しなければ」


ベスはベルディックに「ボード上で決着をつける」と言う。負けたベルディックは、あなどっていた最初の態度を捨てて、周囲で観ていたみんなの拍手にまざって、ベスに拍手を贈る。


競技(ゲーム)のすばらしいところは、男だろうが女だろうが、年齢も肌の色もどうであろうが、すべての人が平等に、ゲームのルールに従って勝敗が決することだ。だから、最初は偏見を持っていた男たちも、彼女と対局することで、あっという間に態度を変える。頑なに偏見を維持することはない。


ただきれいだからではない


『クイーンズ・ギャンビット』は、フェミニズムを新しい視点で描いた作品だ。ボード上だけで公平に決着がつくチェスを通じて、男性優遇の社会を女性であるベスがのしあがっていく。


養父母の家に初めてベスが来て、ミッドセンチュリーの家具でそろえたきれいな部屋を眺めたとき、養母アルマが動物画を指して「ローザ・ボヌールの絵よ。もちろん複製だけど」と説明する。


ローザ・ボヌールは、動物を写実的に描いたフランスの画家だ。十九世紀のヨーロッパでは、まだ女性画家は少なく過小評価されていた。そんな中で、レジオンドヌール勲章を受けた初の女性芸術家であり、フェミニズム初期を代表する人物である。


『クイーンズ・ギャンビット』の60年代ファッションや、部屋、家具、セットの美しさが、観る者の心をとらえるのは、ただきれいだからではなく、物語のテーマと深く結びついているからだ。


文・米光一成

information


『クイーンズ・ギャンビット』


原作・制作:スコット・フランク、アラン・スコット

出演:アニャ・テイラー=ジョイ、ビル・キャンプ、マリエル・ヘラー


文・米光一成

anan

2021年02月17日 19時30分

エンタメ anan

BIGLOBE Beauty公式SNSはこちら!

最新記事はここでチェック!

タグ一覧

ヘアアレンジ スタイリング 時短アレンジ術 簡単アレンジ術 前髪 人気ヘアカラー まとめ髪 ショートヘア ボブ ミディアムヘア ロングヘア ストレートヘア パーマヘア ポニーテール お団子ヘア ヘアアイロン活用 ヘアケア シャンプー 髪のお悩み 流行ヘア モテヘア カジュアルヘア オフィスヘア ヘアアクセサリー バレッタ ターバン ヘアピン・ヘアゴム 小顔ヘア セルフネイル ジェルネイル 上品ネイル ピンクネイル カジュアルコーデ シンプルコーデ ナチュラルコーデ プチプラコーデ フェミニンコーデ コンサバコーデ ガーリーコーデ モテコーデ ベーシック ゆったりコーデ ママコーデ ストリートコーデ モードコーデ ギャル 結婚式コーデ ミリタリー モノトーンコーデ カラーコーデ スポーツMIXコーデ パーティスタイル ヘビロテ 着回し抜群 トップス アウター カーディガン シャツ ワンピース ビスチェ パーカー フーディー コート トレンチコート カラージャケット スカート フレアスカート タイトスカート ミニスカート デニムスカート ガウチョパンツ ワイドパンツ ワイドデニム スキニーパンツ バギーパンツ 靴下 タイツ スニーカー サンダル ミュール ニューバランス ブーツ ショートブーツ パンプス 帽子 ニット帽 ベレー帽 スカーフ グッズ メガネ ベルト 腕時計 ピアス トレンドアイテム バッグ ファーバッグ クラッチバッグ リュック ショルダーバッグ チェック柄 グレンチェック 刺繍 ファー ロゴもの コーデュロイ デニム 色気のある格好 花柄 ボーダー柄 レイヤード パンツスタイル ドレススタイル ニット スウェット anan表紙 雑誌付録 ユニクロ GU しまむら ZARA メイク術 スキンケア クレンジング 化粧水 美容液 オールインワン 美白ケア 毛穴ケア 眉毛ケア コンシーラー ファンデーション マスカラ アイシャドウ リップ 乾燥対策 ムダ毛ケア バストケア ヒップアップ マッサージ エクササイズ ダイエット ヨガ 動画レシピ サラダ カフェ巡り スタバ ひとり旅 女子旅 パワースポット巡り 人気スポット 絶景スポット 絶品 お弁当 スイーツ パン 占い 心理テスト 結婚 浮気・不倫 モテテクニック スピリチュアル 恋愛お悩み 男性心理 デート 恋愛テクニック ドン引き行動 エッチ LINE体験談 ホンネ告白 胸キュン 片思い カップル話 婚活 倦怠期 ファッション恋愛術 プチプラ おしゃれマナー マネー お仕事 家事・育児 趣味 アプリ 癒し 大人女子 金運 ミュージック アニメ・漫画 アウトドア 清潔感 インスタ映え イメチェン パンチョとガバチョ ナイトブラ 脱毛 置き換えダイエット ケノン 痩身エステ

本サイトのニュースの見出しおよび記事内容、およびリンク先の記事内容は、 各記事提供社からの情報に基づくものでビッグローブの見解を表すものではありません。
ビッグローブは、本サイトの記事を含む内容についてその正確性を含め一切保証するものではありません。 本サイトのデータおよび記載内容のご利用は、全てお客様の責任において行ってください。
ビッグローブは、本サイトの記事を含む内容によってお客様やその他の第三者に生じた損害その他不利益については一切責任を負いません。