『愛の不時着』の次に見る配信ドラマはコレ! ”動画配信戦争”勃発中

2020年09月26日 19時00分

エンタメ anan

続きが気になって一晩中見てしまった! そんな人が絶えないくらい、ブレイクが続く配信ドラマ&番組。新型コロナの影響もあるけれど、それ以前から魅力的な作品が続々と発表され、動画配信サービスの充実で世界中が夢中に! そんな、配信ドラマの“熱さ”を海外ドラマ評論家・池田 敏さんが教えてくれました。

なぜここまでブレイクしたのか? 成長の変遷と世界のドラマ事情。


韓国ドラマは、日本やアジアに続いてアメリカでも人気爆発中だ。『TIME』などの大手メディアでも紹介され、韓国ドラマは「K‐dramas」と呼ばれている。音楽の「K‐POP」の次は「K‐ドラマ」が世界を席巻しそうな勢いだ。


アメリカでのブレイクの背景として大きいのは、やはりNetflixなどで世界中に配信されたこと。今年、世界では外出を控える人が急増したが、動画配信サービスの会員数もぐんと伸び、全世界でNetflixの会員は3か月で約1千万も増加。そして株式の時価総額は、アメリカの娯楽・メディア産業でトップに立った。


Netflix、Amazon Prime Video、Huluなどの先駆者たちに加え、全米では昨年、Disney+が、今年は『ゲーム・オブ・スローンズ』などのヒット作で知られるTV局、HBOの系列であるHBO Maxがサービスを開始。“動画配信戦争”といった様相を呈しているが、その勝敗を左右するのはとにかくコンテンツの質。日本のNetflixで韓国の『愛の不時着』『梨泰院クラス』『サイコだけど大丈夫』がヒットしているように、どこの国のどんなコンテンツが当たるかは予測不可能だ。


そしてNetflixは、多くの作品の撮影が延期になっているとはいえ、今年は170億ドル(約1兆8千億円)も投じ、世界中から意欲的なコンテンツを集めている。


そんな流れもあり、「K‐ドラマ」を含む海外ドラマ事情は、やたらと熱い。ここで時代を遡ると、その始まりはやはりハリウッド。1980年代、全米ではケーブルTV(日本でいうCATV)が普及し、TVは一気に多チャンネル化。なかにはCMスポンサーを気にせず、従来の地上波チャンネルでは扱えなかったような、刺激的な題材のドラマを取り上げる局も出現。


そこで先陣を切ったのがHBOだった。なかでも『セックス・アンド・ザ・シティ』は日本でも大反響を呼んだ。「セックスがありなら、ドラマはもう何でもありだ」という意識を広めた。続いてエロティックな場面やバイオレンス描写も多い、大人向け『ロード・オブ・ザ・リング』のようなファンタジー大作『ゲーム・オブ・スローンズ』は、日本でも多くの有名人がファンだと公言し、海外ドラマに対する関心を押し上げた。ゾンビホラードラマ『ウォーキング・デッド』や、高校の化学教師が麻薬ビジネスに挑む『ブレイキング・バッド』などもTVドラマの常識を破壊。


そして2015年秋から大いに盛り上がっているのが、サブスクリプションで定額見放題を売りにした、Netflixをはじめとした動画配信サービス。それぞれ新規の会員を獲得するため、TVでは見られないであろう、刺激的かつドラマならではの面白さに満ちた意欲作を連発する。Netflixは『ハウス・オブ・カード 野望の階段』など、Amazon Prime Videoは『トランスペアレント』など、Huluは『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』などが、ネット配信向け作品であるにもかかわらず、「TV界のアカデミー賞」であるエミー賞を受賞。「LGBTQ」「#MeToo」など、時代の趨勢を先取りしたことも型破りで革新的だった。


もっとも、全米では15年以上前に人気を博したコメディ『フレンズ』が一周回って動画配信によって若いファンを獲得しているように、全米地上波TVの雄、CBS、NBC、ABC、FOXという4大ネットワークも健在。アメリカが世界のドラマシーンを牽引している。


しかし近年、アメリカ以外の国々からも続々と良作が登場し、目が離せない状況に。実力も容姿も恵まれた俳優が多いイギリスもドラマ大国だ。ミステリー小説の土壌が豊かなのも強みで、ベネディクト・カンバーバッチ主演『SHERLOCK/シャーロック』、イドリス・エルバ主演『刑事ジョン・ルーサー』など、スリリングな佳作を量産。他にも『ダウントン・アビー』『ザ・クラウン』など、正統派の良作が生まれている。


ヨーロッパでは、北欧のスウェーデンとデンマークが台風の目になっている。元々、映画の先進国だったが小国なので多くの予算をかけられず、1つの企画で映画版とTVドラマ版の両方を作ることが多かったという伝統もある。スウェーデンの作家スティーグ・ラーソンによる世界的ベストセラー・ミステリー小説が原作の『ミレニアム』シリーズも、映画版とTVドラマ版の両方がある。『THE KILLING/キリング』『THE BRIDGE/ブリッジ』など、ハリウッドでリメイクされたドラマも多い。


欧米以外で気になる国の筆頭はインドだ。人口が世界第2位である上、ボリウッドと呼ばれる巨大な映画産業があり、アメリカの大手IT企業にインドがルーツのCEOが多いのも背中を押してか、個性的なドラマが続々と生まれている。


アジアとヨーロッパにまたがるトルコもドラマ作りが盛んだ。歴史ドラマ『オスマン帝国外伝~愛と欲望のハレム~』は世界的にヒットし、また、松雪泰子が主演した日本のドラマ『Mother』をリメイクしたりしている。


これから意外な伏兵になりそうなのはタイ。男性同士の恋愛を描いたドラマが次々に作られており、WOWOWが10月から放送する『2gether』などは要注目。


そして人口世界一の中国では、中国版Netflixをめざしたような動画配信サービス「愛奇芸(アイチーイー)」が好調で、Netflixもそんな中国産ドラマを無視できず、すでに海外で多数の作品を配信している。なかには、『如懿伝~紫禁城に散る宿命の王妃~』『神龍〈シェンロン〉‐Martial Universe‐』のように、製作費が100億円前後の大作まである。時代劇に偏りがちではあるが、美術・セット、衣装に巨額の予算を注いだであろう壮大な作品が相次いでおり、やはり気になる存在だ。


世界的な外出自粛ムードの中、動画配信を主戦場に盛り上がるドラマブーム。最近では、『ゲーム・オブ・スローンズ』を生んだクリエイターコンビ、デイヴィッド・ベニオフとD・B・ワイスが、ヒューゴー賞に輝いた中国の劉慈欣(リュウジキン)によるSF小説『三体』を、Netflixでドラマ化するというニュースに世界が驚いた。これからのドラマが、国籍も国境も関係がなくなることを象徴するような話題だ。


ドラマウォッチャーいちおし! いま見たい配信作品


ドラマウォッチャーの田嶋真理さん、momomosparkleさんオススメの作品とは?


『ブリーズ~光と影~』(INDIA)



インド娯楽作のお約束といえば、歌って踊る陽気なミュージカルシーン。このドラマはそんなイメージを覆す、本格サスペンスが見どころ。主人公は、6歳の娘を誘拐された精神科医。犯人の要求は、指定した相手を殺すこと。シリーズを通して、人間は愛する者のためにどこまでできるのか、という難題を見る者に突きつける。そして、終盤で明かされる意外な犯人の正体にがく然! 捜査担当のカビール警部は『ブリーズ~父親の葛藤~』にも重要な役で登場するため、2作続けてイッキ見がオススメ。Amazon Prime Videoにて独占配信中


『ロック・アップ/スペイン 女子刑務所』(SPAIN)



主人公は、不倫相手にだまされ、7年の懲役が科せられたブロンド美女マカレナ。収監初日は仔犬のようにおびえていた彼女だが、次第にたくましく成長し、カリスマ性のある策士に。性的にも開花し、女囚や男性看守と激しく愛し合う姿は、情熱の国スペインならでは!? 塀の中と外を巻き込む濃密な人間ドラマと同時に、盗まれた大金や監禁された少女の行方など事件が頻発し、息もつかせぬ怒濤の展開に魅了される。世界的サッカー選手メッシとその妻が、先を争って見たというのも納得の面白さ! Huluにてシーズン1~2独占配信中 ©Atresmedia Television. All Rights Reserved


『リタ』(DENMARK)



デンマークの小さな小学校に勤めるリタは、口も態度も悪くて性に奔放。いわゆる「良い先生」のイメージとは程遠いけれど、だれよりも児童たちへの愛と情熱にあふれている。相手が誰であろうと対等に向き合い、「私はこう思う。あなたは?」とまっすぐな瞳で問いかける。勝ち気で怖いもの知らずに見える彼女も、その破天荒さ故にトラブルにぶちあたることもしばしば。ときには自分に自信をなくしたり、悩んだりしながらも、リタ流で見せる子供たちへの思いやりに、笑って泣ける! Netflixオリジナルシリーズ シーズン1~5独占配信中


いけだ・さとし 海外ドラマ評論家。1967年生まれ、東京都出身。多数の映画誌に寄稿し、著書に『「今」こそ見るべき海外ドラマ』(星海社新書)。WOWOWのアカデミー賞授賞式中継でブレーンを務める。


たじま・まり 映画&ドラマライター、エディター。本誌の公式サイトにて、連載コラム「イケメンで観るドラマと映画」を担当。日々の癒しアイテムは、ホラー系の映画&ドラマ&小説。


モモモスパークル ハッピーでポップなイラストが特徴のイラストレーター、漫画家。毎晩、新しい海外ドラマを探索中! 著書に『ハピドラ! マンガで紹介 気分ぶちアゲ海外ドラマ』(柏書房)。


※『anan』2020年9月30日号より。文・池田 敏


(by anan編集部)

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