[美容Q&A]メイクでも隠せないクマの原因と改善方法を専門医が徹底解説
目の下にクマがあるだけで、疲れて見えたり老けた印象を与えたり、メイクで隠そうとすればするほど、厚塗りになって余計に目立ってしまうことも多いですよね。そこでメイクでもカバーできないクマはどうすれば治るのか?クマ取りに詳しい専門医に伺いました。
Question1
メイクでカバーしても目の下のクマが消えません。マスクをしていると目元に視線がいくので、クマが余計に目立って見えます。キレイに治す方法はあるんでしょうか?
Answer1
目の下の「クマ」には、大きく分けて影グマ、茶グマ、青赤クマの3種類があります。中でも「影グマ」は、メイクでカバーするのが難しいクマです。この場合は、目の下の皮膚を切らずにクマを取る「脱脂術」がおすすめです。
教えてくれたドクター
湘南美容クリニック 品川院院長本田賢治医師
2009年 島根医科大学(現島根大学)医学部医学科卒業手稲渓仁会病院2011年 湘南美容クリニック
3種類のクマの原因、特徴と見分け方
まず自分のクマがどの種類に当てはまるのか、簡単に見分ける方法があるのでチェックしてみましょう。ここではそれぞれのクマの特徴と原因もあわせて紹介します。
1 青赤クマ
特徴目の皮膚の下にある血管の色味が透けている状態が「青クマ」で、筋肉(眼輪筋)が透けて見えるのが「赤クマ」。皮膚が薄い方や白い方によく見られる。目の外側よりも内側の色味が濃い場合が多い。また、青クマは寝不足で悪化しやすい。原因PCなどを使ったデスクワーク、睡眠不足、疲れ、冷え性、運動不足など、目の周りの毛細血管の血流が滞ることによって起きる。見分け方目の下の皮膚引き伸ばした時にクマが薄くなる。メイクでのカバーが可能なクマ。
2 影グマ
特徴目の下のたるみによって、影ができたように黒く見えるクマ。むくみが起こるとさらに目立つ。メイクでカバーできない。原因加齢など皮膚や筋肉の衰えによって、「眼窩脂肪」(がんかしぼう)の膨らみと、中顔面の凹みの段差によって影ができた状態。見分け方あごを引いて正面を見た時、クマが悪化するようであれば影グマのサイン。
3 茶グマ
特徴「色素沈着グマ」とも呼ばれ、茶グマの正体はメラニン色素の沈着。皮膚自体の色味なのでメイクでのカバーが可能。原因遺伝や人種などによる先天的なものと、長年にわたる皮膚への摩擦、刺激などによる後天的なものがある。見分け方目の下の皮膚を優しく引き伸ばしても何も変わらない。
POINT!
影グマがある方は、たいてい目の下のたるみやクマを気にされています。メイクでカバーできるクマではないため、美容上のコンプレックスを感じて、20代でも私のクリニックに治療に来られる方は多いです。
メイクでも隠せない影グマの正体とは?
目は眼輪筋(がんりんきん)と呼ばれる筋肉によって支えられています。ところが、この眼輪筋が衰えてくると、目の下にある眼窩脂肪(がんかしぼう)を支えきれなくなり、前方に押し出されることによって目の下がたるみ、段差ができます。これが影グマの正体です。影グマはメイクでカバーできるものではありません。逆に影グマが改善すれば、他のクマがあってもメイクカバーできるようになるともいえます。
影グマをキレイに治すには?
影グマを改善するには、眼窩脂肪を減量する施術(脱脂術)が効果的です。これは「目の下の切らないクマ取り」とも呼ばれ、非常に人気のある施術です。ただし、影グマができる原因は眼窩脂肪の膨らみ以外に、中顔面(頬の前面)の凹みも関係している可能性が考えられ、これを治療しなければ影グマがキレイに治らない場合もあります。この場合は脂肪を取る「脱脂術」の他に、凹んだ部分を持ち上げる「脂肪注入」を行うことで、より効率良く影グマをなくすことができます。
Question2
「切らないクマ取り」といっても、目の下の脂肪を取るとなれば痛みや腫れが心配です。また、脂肪を取った部分が後になって痩せて見えることはないでしょうか?
Answer2
施術中は麻酔が効いているので、痛みはほとんどありません。術後、腫れのピークは数日です。また、眼窩脂肪を取りすぎると、目の下が窪むため、その人に合った適量を脱脂することが大切になってきます。
目の下の窪みは脱脂量とも関係!?
目の下のクマやたるみを改善する脱脂術は、その人のクマに適した脱脂量を医師が検討することになります。脱脂の効果は半永久ですが、加齢などによって眼窩脂肪が出てくる可能性があります。また、眼窩脂肪は下まぶただけでなく、目の奥と上にも存在してつながっているので、下まぶたの脂肪を減量しても、後ろに続く脂肪が再度おりてくる場合も考えられます。仕上がりに関しては医師の力量による部分も多く、施術を受ける前に、リスクもふまえて担当の医師と十分に相談して決めることが重要になります。
ダウンタイムは1週間程度
施術時間は30分程度です。麻酔が効いているので施術中の痛みはほぼないといえます。術後もジンジンする程度で、痛み止めの内服薬で治まるレベルです。メイクは翌日からできます。洗顔と入浴(最初の1週間はシャワー浴)は、術後24時間後から可能です。また、術後数日間は安静が望ましいです。特に腫れが強い術後1週間は、アルコールや激しい運動を控えましょう。むくみを軽減するために、術後1週間、就寝時に頭を高くして寝ることも推奨されています。ダウンタイムは個人差があるものの、腫れのピークは数日で、1カ月たてば腫れはほとんど引きます。
ドクターからのアドバイス
クマ取りの左右差や仕上がりについては、担当医と話し合って、お互いの認識を共有しておくことが大切です。「ここが気になる」「ここの左右差を何とかしたい」など、悩みや疑問に思っていることはしっかり伝えましょう。カウンセリングを十分に行うことによって、施術計画もきちんと立てられ、最終的に満足のいく「クマ取り」ができるようになります。監修/本田賢治