平日、夫に夕食を作らない女性は良妻賢母…! 「正当な理由」に迫る
文・小林麻利子
【小林麻利子の美人の作り方】vol. 127
夕食時刻が遅ければ体内時計がずれやすい
まず朝の食欲がない方は、消化器系の体内時計が後ろにずれている可能性があります。夕食の時刻が遅くなり、昼食と夕食の時刻が空きすぎてしまえば、体内時計の司令塔である、視交叉上核という部位に「体内時計のずれ」が伝わります。
体内時計のずれが視交叉上核に伝わると、睡眠をはじめ、体の臓器のさまざまな体内時計にその影響が及び、寝つきや朝の寝起きが悪くなったり、消化不良、体のだるさ、翌朝の午前中のパフォーマンス低下、便秘など体に不調をもたらしまうこともあります。
朝の食欲の有無で前日の過ごし方の良し悪しがわかる
体内時計のずれを知る方法として、身近で簡単なものは、先述した「朝の食欲」の有無。食欲の有無で、前の日の過ごし方の良し悪しがわかります。
例えば、朝お腹が空いて目覚めなければ、夕食時刻が遅かったり、夕食量が多かった可能性があります。夕食時刻が遅く、消化活動がきちんとなされていなければ、眠りの質も低下していることも多いです。胃腸だけでなく、その他多くの臓器のリカバリをしなければならない睡眠中に、胃に食べたものが残っていれば、消化活動も睡眠も中途半端な活動となってしまいます。
就寝4時間前に食べ終われば最高
では何時までに食べ終わればよいかというと、多くの睡眠課題の生徒さんを指導してきた結果、就寝4時間前がベストでした。どうしてもそれが難しければ3時間前までに食べ終わるようにし、その代わり夕食の量を減らすようにしてください。
いずれも朝の食欲の有無で、時間や量を調整すると良いでしょう。
夕食時刻をコロコロ変えないこと
残業後、21時をまわって食事をしたり、ご自身の帰りは早いのに、旦那さんの帰りを待って、一緒に夕飯を食べている方は、まずは夕食の時刻を改めましょう。また、よくあるのが今日は早く帰れたから19時、今日は遅くなったから21時と食事時刻がコロコロ変わることです。通常、食べ物が口から入る前に消化活動が始まり、唾液や胃腸の分泌物が出るよう、事前準備がなされます。
しかし、コロコロと夕食時刻が変わってしまうと、準備が追いつかず、うまく消化できませんし、また食事時刻が変わることが、先述の視交叉上核に伝わり、体内時計を乱してしまう可能性があります。
平日の夫の夕食は作らなくていい
また、帰宅の遅いご主人のために、毎晩夕食を作ってあげている方は多いと思いますが、ご主人の健康を考えるなら、作らないほうがよいと言えます。21時以降の遅い時刻に摂取するご主人も同様に、体内時計を乱し、良質な睡眠がとれないこともあるでしょう。翌朝、ご主人に午前中からしっかり仕事をしてもらいたいならなお、夕食は作らないほうが良いでしょう、
ご主人には、仕事を抜け出して19時頃に食べてきてもらってください。それができなければ、19時頃にコンビニのおにぎりやチーズで良いので1つパクっと食べてもらい、帰宅後、お浸しやお味噌汁など消化に良いものを食べてもらうなど、夕食時刻を2回に分ける分食をおすすめします。
夕食時刻が遅いご主人であれば恐らく、毎朝の食欲はなく、むしろ朝食を食べずに出勤される方もおられるのではないでしょうか? 「おはよう!お腹すいた!」と、食欲のある、良い目覚めを促し、夕食を作れないぶん、朝の食事を豪華にしてあげてください。
朝はアラーム時計やスヌーズ機能では起きない
ただ、夕食の時刻や量が問題なくても、朝お腹が空かないこともあります。例えば、睡眠時間が短すぎたり、朝の起き方を誤ったケースです。睡眠時間はいまだ6時間未満の方が多いようですが、浅い眠りにも体の機能回復には不可欠であることがわかっているので、最低6時間半以上はお休みするようにしてください。
また、せっかく睡眠時間は確保できていても、アラーム時計やスヌーズ機能で何度も起きたり寝たりを繰り返している方は、朝の寝起きが悪くなり、朝の食欲を感じにくくなります。朝方は浅い眠りが多いのですが、その中でも浅くなったり深くなったりする睡眠のリズムがあり、ちょうど深くなったときにアラーム時計で起こされてしまうと、体温や血圧が低い状態のため、体がなかなか覚醒しません。胃腸も同様に朝が来た!と自覚しにくく、食欲もないことも多いです。
そんな方は、休日を利用して最適な睡眠時間を探り、朝起きる時刻から逆算した就寝時刻からお休みし、アラーム時計では起きない体を作ることがとても大切です。
朝の食欲はなくて当たり前という方は、当たり前にせず、前日の夕食の時刻や睡眠の改善をぜひ行ってみてくださいね!
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「小林麻利子の美人の作り方」まとめ
生活習慣改善サロンFlura主催。ナイトケアアドバイザー。睡眠改善インストレクター。最新のデータ、研究を元に、サロンに通う女性の自律神経の改善を行う。睡眠と入浴を中心とした、生活に合った無理のない実践的な指導が人気を呼び、延べ1700名の女性の悩みを解決、サロンは予約半年待ちの人気。
20代の頃に、肥満、生理不順、肌荒れ、過呼吸などに悩まされていたが、睡眠と入浴を中心に生活習慣を見直し8キロの減量に成功、体の不調も消えたことから、自律神経を整えるためのあらゆるメソッドを研究。生活習慣の悪さに悩む、数多くの現代人を救っている。
温泉入浴指導員、ヨガインストラクター、アロマテラピーインストラクター、食生活管理士、上級心理カウンセラー。講演活動やWeb連載のほか、テレビ・雑誌でも活動中。
著書『あきらめていた「体質」が極上の体に変わる』(ダイヤモンド社)、『美人をつくる熟睡スイッチ』(G.B.)
HP: http://fluraf.com/
blog: http://ameblo.jp/mariko-kobayashi/
著書『美人をつくる熟睡スイッチ』:https://goo.gl/UEZ2kx
『あきらめていた「体質」が極上の体に変わる』:https://www.amazon.co.jp/dp/4478105081
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