1食100円前後...消費者金融からの借金完済目指す男性の“貧乏飯”「心に余裕を、豚肉を渋る回数を減らしたい」

「27歳借金男の朝食なんてこんなもん」という動画シリーズで注目を集めている、節約料理YouTuberのまひろさん。残り27万円の借金と「不安障害」「躁鬱病」という病気を抱える彼が作る料理には、「毎回値段と見た目が見合ってないからすごい」「普通に美味しそう」「作り置きのおかずがあるのは素晴らしい、バランス良い食事です」などとたくさんのコメントが寄せられている。一人暮らしを始めてから自炊をするようになったというまひろさんに、節約料理を楽しむコツ、自炊動画を挙げることによって変化したことなど話を聞いた。

【写真】「平安時代の貴族の食事がこんな感じだった」月の食費8000円で豊かな自炊を作る27歳借金男の朝食たち

■「お金をかけないで美味しく食べるには、見栄えを意識することが大事」節約料理を楽しむ秘訣

――そもそも自炊をするようになったきっかけは？

【まひろ】19歳の頃に一人暮らしを始めて、最初は外食が多かったのですが、それだけだとどうしても生活が苦しくなることに気づいて、時間もあったので自炊を始めました。

――初めて作ったものは覚えていますか？

【まひろ】茹でただけですけど、初めて作ったのはそうめんですね。最初の最初だったので、茹で時間や火加減がわからなくてブヨブヨのそうめんが出来上がって、すごく美味しくなかったのを覚えています。

――料理をする際には、何を参考にしていますか？

【まひろ】クックパッドと料理系YouTuberさんを主に参考にさせていただいています。あと、TikTokもコンパクトでわかりやすいので参考にしていますね。

――作り置きをしていたり、おかずをは必ず小皿に移したりなど、栄養面や見た目にも配慮されていると感じますが、自炊でこだわっていることは何でしょうか？

【まひろ】見栄えが良ければ美味しく映ると私は思っているんです。タッパーで食べるよりも小皿に移した方が、ちょっとおしゃれに感じるじゃないですか。そうするとより美味しくも感じられるので、そこは意識しています。「お金をかけないで美味しく食べるには、見栄えを意識することが大事」という私なりの考えがあります。

■1食だいたい100円前後「SNSに発信することで健康面も意識できるようになった」

――1食につき100円前後で料理をしている印象がありますが、月の食費は大体どのくらいですか？

【まひろ】1日2～3食食べて、月に8000～9000円ですかね。ただ細かい話をすると、アルバイトのまかないとかも食べているので、それは除いてしまっていますが…。

――安定的に食費を安く抑えるコツは？

【まひろ】私が意識していることは2つあって、1つ目は安いスーパーで買い物をすること。いつもは業務スーパーを利用しています。2つ目は腐る前に冷凍庫に食材を保存すること。食費がかかってしまうのは、結局のところ材料が腐ってしまって捨てるということが多いと思うんです。

――ご自身の節約生活をSNSで発信しようと思ったのには、どのような背景があったのでしょうか？

【まひろ】私は普段は芸人活動をさせていただいているのですが、芸人一本だけにシェアを狭めてしまうと、いざというときに困るなという思いが正直ありました。なので、芸人とはまた外れたやり口での稼ぎ方としYouTubeを始めました。その中で何ができるかを考えたら、私の中では自炊とか節約しかなかったので、気がついたらこのカテゴリーで始めていました。

――節約生活や自炊を公開することで、どのような変化がありましたか？

【まひろ】SNSに発信することで色んな人に見ていただけるので、さらに見栄えを意識するようになりましたね。見栄えを重視するとなると、品数を増やすことが大事になってきます。品数を増やすとたくさんのお野菜とかを取り入れることができるので、健康面も意識できるようになりました。

自炊をサボっていたときは、カップラーメンとかを食べた後にあまり心地が良くないこともありました。そういったことが少なくなったので、生活への支障が減ったかなとも思います。

■自炊は“ゲーム感覚”「一日の楽しみを左右するもの」

――金銭的にも精神的にも辛い時期があったと思うのですが、それを乗り越えられた節約レシピはありますか？

【まひろ】そのときは正直辛すぎて自炊ができていませんでした。オートミールにお茶漬けをぶっこんでレンジでチンしたものを食べていたので、ちょっと自炊とは程遠かったですね。

――まひろさんにとってご褒美ごはんは何でしょうか？

【まひろ】自炊以外で言うと、もうペヤングが大好きなのでペヤングを食べますね。自炊で言うと、やはり一番安いお肉は鶏むね肉になると思うので、豚とか牛に手を出します。

――動画で「ゲーム感覚で自炊をしている」と話していましたが、まひろさんにとって自炊とはどういうものですか？

【まひろ】私にとって自炊は一番の節約手段だと思っています。あとは、一日の楽しみを左右するものでもあると思います。それだけ食べるのが好きというのもありますが、自炊をすることにでゲームみたいな感じになるんです。このやり方なら安くなるけど、やり方を間違えたら高くなってしまうみたいな。やり方ひとつで値段が変わってきて、今後の生活も左右されるので、そういった部分がゲーム感覚に近いのかもしれません。

――現在、双極性障害の療養しながら借金を返済中とのことですが、借金は何が原因でできてしまったのでしょうか？

【まひろ】もともと大阪で芸人活動をしていて、関東に引っ越してきました。ただ、「東京で活動がしたい」という意識が先行しすぎて手元にお金がなかったことと「芸人は借金をしたほうがいい」みたいなイメージもあり、消費者金融に手を出してしまいました……。また、売れていないので、ライブに出るにもこっちからお金を払って出させていただくんですけど、自分の手取りの給料だけでケチケチするのではなく、借金してでもライブに出ようみたいな感じで上乗せして借金していましたね。

――借金を完済して体調も良くなったら、どんな食事がしたいですか？

【まひろ】お肉の種類にこだわりたくないなっていうのはありますね。鶏も美味しいのですが、さすがにたまには豚を食べたいなってなっちゃうので、そういうのを渋る回数を減らしたいです。ちょっと心に余裕があるような買い物と自炊ができたらいいなと思っています。

――色々とうまくいかず壁にぶち当たったときに、自炊以外で心の拠り所にしているものは？

【まひろ】つまらない答えになってしまいますが、寝ることですね。あと、ウサギを飼っているので、その子がいたらつらいことも半減されます。少なからずその子が癒してくれているなっていうのはありますね。

――最後に、「フリーターまひろの節約生活」を通して、視聴者の方に伝えたいことを教えてください。

【まひろ】今の私のYouTubeは料理もメインで見ていただけていると思いますが、Vlog系というか、一日の生活を垂れ流す動画作りも意識しているんです。「とらわれないで生きていても大丈夫なんだよ」みたいなことを伝えるというのが一つの目的でもあります。「こんなに自由に生きている人もいるんだよ」というのを動画で伝えていきたいですね。