あなたの家の近所でもきっと見つかる! 村田あやこさんに教わる路上園芸の魅力

2020年06月14日 15時00分

おでかけ 旅色プラス



家の周りや、いつもの通勤通学路、初めての街。一見何もないように見える場所をちょっとだけ楽しむキーワード、それが「路上園芸」。「路上園芸学会」を名乗り街角の園芸や植物の魅力を発信する村田あやこさんに、なかなか遠出ができない今こそ、新しい目線で街歩きやご近所散歩を楽しむ方法を教えてもらいました。

Text&Photo:村田あやこ(路上園芸学会)




路上で営まれる園芸




私が定義している「路上園芸」は大きく2種類。ひとつは、その名の通り「路上で営まれる園芸」です。街を歩いていると、家やお店などの軒先に、所狭しと植木鉢が並んでいることがあります。特に都会の下町と呼ばれるような庭がなく建物が密集したエリアでは、空間を立体的に活用したり、わずかな平面に鉢を置いたりと、独創的で知恵の詰まった「庭」作りが見られます。






生活空間をささやかに彩るための園芸活動は、ときにあり合わせの鉢だったり、半分自然に任せていたりすることもありますが、そんな風に肩の力の抜けた緑との付き合いって、なんとも言えず魅力的なのです。






路上が育む園芸




「路上園芸」の定義のもうひとつは「路上が育む園芸」。人の都合に関係なく育った路上の植物です。最初はおとなしく植木鉢に入っていても、育つ環境がよかったり、植物自体が丈夫だと、植木鉢をはみだして大きく成長。植木鉢から別の場所に旅立つことや、ときには別の場所から植木鉢や隙間に流れついて芽吹くこともあります。






植物は生き物なので、人が決めた「植木鉢」なんていう枠は関係ありません。そうやって路上で自然にまかせて育まれ、たくましくしたたかに生きる植物そのものも「路上園芸」と捉えています。






路上園芸をより楽しむためのキーワード‟はみだし感”




路上園芸の魅力は数えきれないくらいありますが、私が思う一番の面白さは「はみだし」感です。人の生活がはみだしていたり、園芸愛がはみだしていたり、植物の生命力がはみだしていたり……。意図的に設置されたものがほとんどの街中において、計画外の「はみだし」は、ちょっとしたバグのような存在。そこに余白を感じ、その場が妙に居心地よく感じるのです。そんな「はみだし」目線で、路上園芸をより楽しむためのキーワードをいくつかご紹介します。

【1】転職鉢 〜生活のはみだし〜

鍋や食器など、生活の中で別の用途で使われていた容器が植木鉢に‟転職”したものを「転職鉢」と呼んでいます。






既製品を購入すると、それなりに値段のする植木鉢。「トロ箱」や鍋、漬物などの樽から、冷蔵庫や浴槽、タイヤなど大型のものまで。土を入れられる窪みとほどよいサイズ感の容器は、園芸家の手にかかれば植木鉢に大変身します。






【2】配置の美学 〜園芸愛のはみだし〜

スペースに限りのある都市部では、建物の路肩や室外機の上などわずかな平面を利用したり、壁面や段差、手作りの棚を駆使したりと、オリジナリティーあふれる見事な空間の使い方が見どころです。






ときに、公共空間が誰かの「庭」になっていることも……。街角花咲か爺さん婆さんの、独創性と園芸愛あふれる庭活動。ひっそりこっそり応援したくなります。






【3】はみだせ緑 〜生命力のはみだし〜

舗装の割れ目や壁の排水口など、街の隙間から自然と芽吹く緑に、軒先のわずかなスペースから威勢よく生い茂る草木。生命力がはみだしてるな〜と感じる植物の姿を「はみだせ緑」というキーワードで愛でています。






一見窮屈そうに見えても、植物は隙間をしたたかに利用して生きながらえているのでしょう。






その狭い隙間からそんなに大きくなって、と考えるとなんだか勇気をもらえます。

【4】植物のふりした妖怪 〜生命力のはみだし〜

さらにこれらが成長した結果、妖怪のような見た目になっている植物を「植物のふりした妖怪」と呼んでいます。毛むくじゃらタイプ、暴れん坊タイプ、一つ目タイプなど、その姿形はどれも個性的。






コントロールを失って暴れるような妖怪植物たちの姿は、緑色をした“ゆるキャラ”のようでもあり、どこか愉快です。






おわりに




「路上園芸」を探すのに、準備はなにもいりません。ひたすら頭を真っ白に、フラットにして、宇宙人みたいな気持ちで街をキョロキョロしてみましょう。

軒先、道のはじっこ、穴、隙間……。人が育てたものから自然と生えたものまで、どんな街にも、その場所をうまく利用して育まれる「路上園芸」があります。まずは自由に、その姿形を愛でてみましょう。

さらに植物の名前が気になったら、図鑑で調べてみることをおすすめします。たとえば家の周りでよく見かける植物の名前を10個覚えてみるだけで、景色の解像度が一気に増し、なんてことない道でも退屈する暇がなくなります。

外出自粛は徐々に緩和されているとはいえ、まだまだ気の向くままに遠出できない今日この頃。ぜひ「路上園芸」目線をインストールし、身近な街歩きを楽しんでみてはいかがでしょうか。

◆村田あやこ(むらた・あやこ)
街角の園芸活動や植物に魅了され、一人学会「路上園芸学会」を名乗り魅力を発信。2016年よりデザイナーの藤田泰実とともに路上観察ユニット「SABOTENS」としても活動。組み合わせると路上園芸の風景が作れる「家ンゲイはんこ」の制作や、国内外での作品展示・グッズ販売を行う。Twitter & instagram @botaworks








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