沖永良部島で、ハリセンボンとヤギ肉に舌鼓【連載第46回】

2018年10月25日 18時00分

おでかけ 旅色プラス



ハリセンボンとヤギ、食べると言われてもきっとピンと来ませんよね。でも、喜んで食べている地域があるのです。奄美群島の沖永良部島もそのひとつで、どちらもいただいて来ましたよ。さすが縦長の日本、出歩るけば馴染みのない食文化にも出会えておもしろいですね!

Text&Photo:とまこ




ハリセンボンは、海世界のゆるキャラかも






▲上の写真は西表島で撮りました。


ハリセンボンってこんなです。フグの仲間の魚だけど、フグと違って針がいっぱいついてます。まぁ、「ハリセンボン」といっても実際に針は400本ほどですが。でも、こんな小さな体にその数は、だいぶおおごとでしょう! 怒ると膨らんで針を立てるのが特徴で、さすがに大きな魚も、いかにも痛そうな針の山を口に入れることはありません。なので天敵はいないそうです。

それにしてもなんとも愛らしい様子です。目はクリックリで、口はぱっくり大きく開いてマヌケな雰囲気、ハリネズミを彷彿とさせられるような。ヒレは短くて不器用そう、実際泳ぎはうまくないそうです。しかも怒ってプクゥと膨れると、泳げなくなってその場に停止しているとか(笑)。見た目も特性もなんとも和むかわいさでしょう、海世界のゆるキャラではありませんか。

そんなかわいいハリセンボンは、沖縄では「アバサー」、奄美地域では「アバシ」「アバス」と呼ばれます。で、食べます。かわいいのにかわいそう、と思うかもしれません。針だらけで食べるところなさそう、と思うかもしれません。でも、どんな味なのかちょっと興味が湧くでしょう?



ハリセンボンを使った料理、「アバシ汁」をいただくよ!




先日、沖永良部でいただいてきました、アバシ汁。






見た目は丼につがれたお味噌汁。それと白米とお漬物……日本昔ばなしみたいな食事だなと一瞬思いましたが、とんでもない。一口汁をいただくと、なんとまったりコク深い、旨味がこれでもかとつまっていて贅沢で華やか、お味噌汁とは違う、完璧におかずとなる料理です。見る目を変えると、ぶくぶくと浮いている泡にも気づきます。皮や骨からコラーゲンが溶け出ているのでしょうか、美容によさそうな気配です。 食べる喜びが増すのでありました。






では身はいかに?  すくいあげるとお肉のよう。魚だなんて思えない身詰まりです。いただくと、鶏肉のような食感と、コリコリ感もたまにあって食べ応えもバッチリ。アバシ汁は、満腹必至の美容おかずで、地元の人が絶品とオススメしてくれる理由がよくわかりました。



あの日、レトルトパックのヤギ汁に驚愕……トラウマ解消への道




日本でもヤギを食べる地方があるのはご存知ですか? 九州南端以南の南西諸島では馴染みの食材となっているんですよ。沖永良部もそうです。そしてこれまで訪れたヤギ食文化のある他の地よりもヤギの主張が強めでした。






車で島を走っていると、それはもう、当然のごとくヤギと遭遇するのです。誰とも全くすれ違わなくても、寂しがる必要はありません。悟ったような顔したヤギファミリーはきっとそこにいてくれるから。また、断崖絶壁の絶景スポットへ景色を見に行っても、際どい場所でのんきに草を食べている姿を目にして和みます。なんだか親近感が湧いてくるんですよ。






これは、時がやって来たかもしれません。ヤギ汁リベンジの時が。以前沖縄で真空レトルトパックのヤギ汁を試してみたんです。そのときの臭いったら! ヤギ汁が臭いのは定説なので覚悟を持って臨みましたが、それでも強烈な臭みと油っぽさに食べることができませんでした(主観です)。

同時に疑問もわきました。南西諸島の方々は、本当にこの臭みが好きなんだろうかと。文化として根付くには強烈すぎやしないかと。これは本物の味をお店で食べないことには始まりません。ただ、勇気が湧かなかったのですが、これだけ新鮮なヤギたちが闊歩する島ではなんだか背中が押されます。



評判の家庭料理店でいただくヤギ汁は臭いのか?






やってきました、人気の家庭料理店「松竹」さん。アバシ汁もこちらでいただいたのですが、そのときヤギ汁もメニューにあることを確認したので再訪したというわけです。






アバシ汁と一瞬混同しそうですが、泡が浮いていないので別物とわかります。そう、泡で別物と見分けるとは、リベンジとしてすでに大成功です。汁からたちのぼる臭さで判別したのではないのですから。

さて、汁をすすると、まろやかでなんて深いお出汁! 確かに野性味のある獣臭を感じないわけではありません。でも、味の特徴の一部と納得できる程度であって、味の全てを左右するほどではありません。






お肉はたっぷり入っていました。こちらもクセはほどほどで、味のアクセントとして調度いい臭み。ラムから高級感をさっ引いたらこういう味わいになるのではないでしょうか。これは、熱烈にヤギ汁を愛する島人がいるのも納得できます。ちなみに、ヤギは高タンパク低カロリーの、ダイエッターにもうれしい食材なんですよ。

◆松竹
住所:鹿児島県大島郡和泊町大城123
営業時間:昼11:30~14:00/夜18:00~22:00 日曜・火曜日夜のみ定休



旅の醍醐味のひとつは現地ごはんでもありますよね。アバシやヤギは、それこそ限られた地域でしか食べられません。ちょっと怯える気持ちもいい思い出、好奇心を発揮してぜひトライしてみて下さい。

◆とまこ
明治大学在学中からバックパッカーとしてデビューし、卒業後は秘境ツアーコンダクターに。現在は旅作家&おしゃれパッカーとして本の執筆や講演、TV出演など多方面で活躍中。著書に『離婚して、インド』(幻冬舎文庫)、『世界の国で美しくなる!』(幻冬舎)、『台湾で朝食を 日常よ、さようなら!』(メディアパル)など既刊12冊。2018年5月14日には奄美観光大使に就任。

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