糸島発!「THINNING」で山の未来を変える小さな一歩を踏み出そう

今年の10/14(日)、糸島市街地の中にある丸田池公園でとあるイベントが行われます。
「THINNING(シニング)」=「間伐」と名付けられたこのイベントは、全国で問題になっている“荒廃林”や“間伐材”について知り、考え、行動してもらうことを目的としています。と言っても、堅苦しく捉えるのではなく、多彩なマルシェや体験を通して楽しく身近に感じられるのが魅力。
私も昨年参加してきたので、その時の様子をレポートします!実行委員会の林さんに、開催への思いと今年の見どころについても聞いてきましたよ。
(Text&Photo/大内理加 ※記事内の写真は昨年撮影)
街の中で森を感じるイベント「THINNING」とは?
今年で3回目を迎える「THINNING」が開催されるのは、糸島市の中心にある筑前前原駅から歩いて3分の場所にある「丸田池公園」。
当日、入り口には丸太や木材があしらわれ、奥にはマルシェのテントが並びます。木の香りが漂い、丸田池の湖面が輝く会場は市街地なのに森にキャンプに来たような雰囲気。
マルシェに出店するのは地元の人気店から大手メーカーまで幅広く、雑貨好きなら思わず身を乗り出してしまうようなラインナップに驚きます。中には間伐材を使った特製アイテムを販売するショップもあるそうなので、どのブースも見逃せません。
お買い物だけでもかなり本気度の高いマルシェですが、それもそのはず!実行委員会として活動する林博之さんは普段アパレルや雑貨の卸売に携わっているそう。「THINNING」について、お話を聞いてみました。
糸島が好きだからこそ知ってほしい間伐材への思い
東京にある大手アウトドアメーカーから独立し、糸島市に移住してきた林さん。今はブランドの卸売とアウトドアショップ「GOOD DAILY HUNT」を営むかたわら、糸島の「荒廃林」の問題に取り組んでいます。そもそも、「荒廃林」とは一体何なのでしょうか?
林さんによると、「木が生えすぎて地面に十分な日光が届かない林は土壌が弱くなり、雨が降ると土が流されてしまいます。最近の大雨による土砂災害のように、甚大な被害をもたらすこともあるんです。だからこそ、木を間伐することが大事。そして、その間伐材をどう利用するかも問題なんです」
なるほど。糸島市の見どころの一つでもある緑豊かな山々は、深刻な問題をはらんでいたんですね。そして、これは糸島だけではなく全国各地の山間部にも当てはまる問題です。
私の地元も昨年の豪雨で土砂崩れの被害に遭ったのですが、災害に備えるだけで解決策にまで思い当たっていなかったことに気付きました。おそらく、私と同じように多くの人が「なんとかしなければならないけれど、どうすれば良いのか分からない」と思っているのではないでしょうか。林さんは、その解決への小さな一歩として「THINNING」を立ち上げたそうです。
「糸島市は全国でも珍しい貯木場があり、間伐材が購入できます。『糸島くらし×ここのき』さんは、早くから丸太で間伐材を買い付けて板にして店内で販売していたんです。間伐材を加工して商品にすることでお金になる、そのお金でまた山を整備できます。私もその試みに触発されて木のアイテムを作りはじめました。間伐材を使った商品に思いを添えて。そうすると同意してくれた人が買ってくれるようになったんです。作り手も買う人も、楽しみながら山の現状を知り、アクションが起こせる。そこが『THINNING』のきっかけです」
誰かが問題を解決してくれるのを待つのではなく、自ら動いて人々に働きかける。
なかなか踏み出せない一歩を、林さんは力強く踏み出したのですね。
「THINNING」は子どもも大人も楽しめるイベント
そんな林さんの思いのこもった「THINNING」の様子をもう少し見ていきましょう。
昨年は、間伐材を使ったインテリアグッズやキーホルダー、伝統工芸品など、木のぬくもりを感じられる品々も販売されていました。
この木でできたアルファベットのインテリアグッズ、かわいいですよね!私は特にスマイルと木の形のものがお気に入りです。
木材を使った体験コーナーなどもあり、子どもだけではなく大人も楽しんでいる印象でした。(今年も出店するそうですよ!どんな内容になるかはお楽しみに)
「THINNING」に出店するお店はお客さんの目線で選ばれました
林さんの提案に賛同した実行委員の皆さんもまたユニークなんです。
木工職人を始め、家具職人やジェラート店のオーナー、デザイナーなど多彩な職業の方々がそれぞれ技術を生かしたアイデアを持ち寄ったそう。さらに「糸島くらし×ここのき」など地元のショップやアウトドアメーカー「snow peak」なども出店が決まりました。
林さんにお聞きすると、「皆さん、糸島のためになるならと賛同してくれました。多くお声がけをいただいたのですが、お客さまが思わず買いたくなるようなクオリティの高いお店をセレクトしています」とのこと。
確かに、ウェブサイトには普段イベントに出店しないようなお店の名前も入っていました。心惹かれるお店が一堂に会すイベントなので、どれも要チェックです!
糸島愛が詰まった「THINNING」と一緒にまち歩きも楽しんで!
あれ?そういえば、飲食ブースが少ないような気が…。これもこだわりなのでしょうか?
「会場内には飲食を少なめにして、その代わり周辺のマップを配っています。地元の皆さんも応援してくださるので、還元するのも目的です」
そうなんです、会場のある「丸田池公園」周辺は昔ながらの商店街があり、食堂やカフェ、お菓子屋さんなどお土産にもぴったりなお店が多いんです。
ぐるりと歩いてみると、また違う楽しみが見つかりますよ。
最後に林さんに今年の見どころを教えてもらいました。
「今年は40店という過去最多の出店数になりました。一つ一つのお店はもちろん、初登場の間伐材を使ったテントもぜひ注目してください。また、会場全体でもいろいろな体験を用意していますよ」
イベントの情報はウェブサイトやInstagramで随時アップされていますが、同時にのぞいて見たいのが、昨年の様子を記録したギャラリーページ。和やかな雰囲気の中、お客さんもお店の人との会話を楽しんでいる様子がよく分かります。小さな子ども連れの家族も多く、遊びながら間伐材について学んでいるよう。
私も今からどう回ろうか、あれこれ考え中。当日はお店をじっくり回りながら、まずは木のぬくもりに触れてみたいと思います。きっと、帰り道には見慣れている景色を見る目が変わっていることでしょう。
THINNING 3rd
開催日時:10月14日(日)10:00~17:00
雨天中止(前日の21:00に発表 雨天振替日2018年10月28日(日)10/28も雨天の場合は、順延日を再度検討させていただきます)
Web:https://thinning.jp
住所:福岡県糸島市前原中央2 丸田池公園
おまけPHOTO
丸田池公園から歩いて5分の場所にある「糸島くらし×ここのき」の一角には、間伐材の角材が量り売りで購入できます。DIYに挑戦したい方はいかが?
関連記事 こんな記事も読まれています
あなたへのおすすめ