八重山諸島・鳩間島で体験する、サンゴ礁の楽園の海「水族館の光景が目の前に!」

南の島に来たからには、真っ青な海にザブンと飛び込みたい衝動に駆られますよね? 気軽なシュノーケリングで、透明度抜群の海を水中散歩すれば、時が経つのも忘れるに違いありません。
沖縄の最西端に位置する八重山諸島には、国内でも指折りの広大なサンゴ礁が広がります。そのなかでも私がイチオシの海、鳩間島周辺のサンゴ礁をご紹介します。
まるでサンゴのお花畑! 島のすぐ近くがポイント
八重山諸島の鳩間島は「瑠璃の島」と呼ばれる通り、青く輝く海が印象的です。陸から眺めても充分に美しいのですが、海中に入ると美しいサンゴの“お花畑”がどこまでも広がります。
サンゴは生き物なので環境の変化を受けやすく、オニヒトデや白化現象の影響で、その姿が見られなくなったエリアも少なくありません。でも、ここ鳩間島周辺の海は、いつ来ても元気なサンゴが見られます。また、島から船で20分ほどの距離で、海底を覆いつくすほどのサンゴ礁が見られる場所はそうありません。水族館で見た、いや、それよりも遙かに美しい海中の風景が目の前に広がるのです!
浅瀬に広がるサンゴ礁で、魚とたわむれる
鳩間島の周辺のポイントは、サンゴが元気なだけでなく、水深が浅めなのも特徴です。ツアーのボートからいざ海に飛び込むと、水面直下から、水深5メートルほどの場所にサンゴ礁が広がり、小魚が群れ泳ぎます。水中マスク越しに見る光景は、別世界の美しさ! 浅瀬なので太陽の光が眩しいほどに差し込み、光芒が海底へと延びています。船に同乗した小学生もシュノーケルをくわえたまま歓声を上げていました。
フィンを蹴って海中に潜ると、スズメダイの群れに囲まれました。少し息をこらえて、しばしうっとりと眺めます。こんなとき、大げさでなく「生きていてよかった」と思うのです。
八重山諸島の穴場、のどかな鳩間島を散策
石垣島からの定期航路がある島の中で、もっとも人口が少ない鳩間島。島内の集落には赤瓦の古民家が残り、昔のままの島の雰囲気が漂います。
民宿で自転車を借りて、島の外周道を走ってみました。ガジュマルやアダンなどの亜熱帯植物のトンネルをくぐり、ちょっと探検気分です。自転車を降りて海岸へ下りる小道を辿ると、誰もいない隠れ家ビーチを発見。水平線に雲が浮かぶ東シナ海をビーチからぼんやりと眺めていると、この特等席を一人占めしている感動がこみ上げてきます。
夜は民家のような小さな民宿で、旅人同士、語り合います。満天の星の下、泡盛を片手に語り合う夕べは、八重山の島旅ならではの楽しみです。
サンゴのかけらでできたバラス島へも上陸
青い海にぽっかりと浮かぶ真っ白な小島、バラス島。西表島エリアの人気のスポットで、西表島の上原港から多くのツアーが出ていますが、鳩間島からも30分ほどで行くことができます。
バラス島は台風などで島の大きさと形が大きく変化しますが、2017年7月には干潮時でも4畳半ほどの小さな島になっていました。以前の数十メートルの長さがあったときに比べると、ちょっと寂しい姿ですが、かわいい小島での記念撮影も楽しいもの。
バラス島周辺の海も、鳩間島周辺に負けないほどのサンゴ礁が広がっているので、シュノーケリングをめいっぱい楽しめます。
手つかずの自然と、古き良き旅情がここにはあります
「何も無いから。豊かなのサ」
鳩間島ですれ違った島のおじいさんが、そう話してくれました。沖縄本島にも、石垣島にもないのどかな雰囲気は、ここでしか味わえません。サンゴ礁の楽園の海を満喫したら、島の情緒にひたって、のんびりと過ごしてください。きっと、またすぐに帰って来たくなるはずですよ。
(Photo & Text/南風野次郎)
鳩間島アイランドワールド【はとまじまあいらんどわーるど】
<シュノーケリングツアー>
営業時間:8:00~20:00
※石垣島からの日帰り参加も、鳩間島での現地参加もOK
定休日:無休(催行期間4月〜10月30日)※冬期休業あり
Web:http://hatoma.co.jp/
住所:沖縄県八重山郡竹富町鳩間54
おまけPHOTO
鳩間港の手前には“瑠璃”色の海が広がります
鳩間島の高台に建つ鳩間島灯台。西表島を一望
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