「イノダコーヒ本店」のプリンパフェ【夏の京都の3時のおやつ-5-】

京都の夏に食べたいおやつを紹介していく企画の第5回目は、老舗喫茶店「イノダコーヒ本店」で注文できる「プリンパフェ」。レトロなビジュアルと、さりげない工夫が感じられる味に、きっと胸がときめくはず。去りゆく夏を感じながらひと休みを。
※これまでの「夏の京都の3時のおやつ」は、コチラからご覧ください
京都のレトロ喫茶といえば“イノダコーヒ”
“京都の朝はイノダから”というフレーズを、聞いたことはありますか? イノダというのは、喫茶店「イノダコーヒ」を指し、地元で有名なこのフレーズには、イノダのコーヒーやモーニングがないと、一日が始まらないという思いがこめられているんです。
イノダコーヒの創業は、昭和15年(1940)。京都を代表する喫茶店として全国的に有名で、コーヒーはもちろん、モーニングの「京の朝食(1380円)」を目当てに訪れる地元人や旅行者も多いんです。本店のほか、清水支店や三条支店もあります。
今回ご紹介するのは、町家の外観や、開放感のあるホール席などが印象的な本店です。誰でも気軽に入れる雰囲気なのに、やっぱりどこかクラシカル。私は、近くを通ったときや、コーヒーを飲んでから出勤したいときは、イノダコーヒ本店にふらっと寄ってしまいます。
イノダコーヒの名物“アラビアの真珠”って、何だと思いますか?
おすすめのプリンパフェの紹介をする前に、イノダコーヒの名物について少し。メニューを開くと、まず「アラビアの真珠(560円)」という文字が目に飛び込んでくるかと思います。どこか異国ロマンを感じる、すてきな名前ですよね。これ、何だと思いますか?
実はこの「アラビアの真珠」とは、イノダコーヒが創業時から提供し続けているブレンドコーヒーなんです。モカコーヒーをベースに、香りとコク、酸味がバランス良く仕上げられている深煎りタイプ。最初からミルクを入れた状態で提供されるのが特徴です。
昔懐かしいビジュアルのプリンパフェ
そんなコーヒーとすてきな空間を味わいながら食べてほしいのが、今回のおやつ「プリンパフェ」。イノダコーヒにはケーキやパフェのメニューも多く、どれも独自のレシピで作られているのですが、その中で特においしい! と個人的に感じるのが、プリンパフェです。
まずこのビジュアル、心をくすぐられませんか? レトロな印象なのに、どこか新しい。私は、初めて見たときに、美しくカットされた果物やグラスが作り上げるシルエットに一目ぼれしてしまいました。注文してみてよかった! きっとそんな風に思えます。
一つひとつの具から感じるレトロモダン感
プリンパフェという名前のとおり、プリンが主役ではあるのですが、果物もたくさん入っています。メロン、リンゴ、チェリー、キウイ、パイナップル、みかん、それぞれフレッシュでカットと盛り付けにも凝っているんです。生クリームの量も絶妙。
プリンの味は、カラメルが少し苦めのため大人っぽい印象。グラスの上に見えている部分だけでなく、底の方までたっぷり入っています。そして、グラスの下の方に入っているアイスクリームが、昔ながらのレモンアイスなんです。これがまた、プリンと最高に合う!
コーヒーに合う、大人のためのパフェです
長年愛されてきた喫茶店は、コーヒーはもちろん、甘いもののおいしさも最上級。私が大好きなプリンパフェには、イノダコーヒの伝統や親しみやすさがこめられている気がします。イノダコーヒ本店でアラビアの真珠と一緒にオーダーして、京のレトロを満喫してください。
(Text/深谷美和 Photo/畑中勝如)
イノダコーヒ本店【いのだこーひほんてん】
営業時間:7:00~19:00
定休日:無休
Web:http://www.inoda-coffee.co.jp/
住所:京都府京都市中京区堺町通三条下ル道祐町140
おまけPHOTO
テラスに続く通路には、鳥の声が響いています
光がたっぷり入る窓際席。晴れた日はテラス席も使えます
看板やコースターにあしらわれたロゴマークもかわいい
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