
清らかな空気と緑豊かな京都の奥座敷でパワーチャージ

市内から叡山電車に揺られること北へ30分ほどで到着する鞍馬・貴船エリアは、青々とした木々と草花に囲まれ、緑豊かな非日常の空間が広がっています。夏は凉を求める人びとでにぎわい、ハイキングコースとしても人気です。
まずは天狗伝説が残り、京都屈指のパワースポットである鞍馬寺へ。さらに奥へ進み、木の根に覆われた山道を越えて貴船にたどり着きます。縁結びのご利益で知られる貴船神社で参拝を済ませたら、周辺の川床料理のお店やカフェで涼やかな時間を楽しみましょう。
天狗伝説や牛若丸の伝承も残る「鞍馬寺」

770(宝亀元)年に毘沙門天を本尊として創建された「鞍馬寺」は、平安時代以降は都の北方守護の役割を担った寺院。現在は宇宙のエネルギーである尊天(護法魔王尊、毘沙門天、千手観音)を信仰する、鞍馬弘教の総本山です。
山門から本殿までの道のりは上り坂と階段が続きますが、ケーブルカーを使えば気軽に拝観できます。本殿金堂の正面にある翔雲台からの見晴らしは抜群です。

寺院を抱える鞍馬山には天狗の伝説が残り、まだ牛若丸と呼ばれていた幼少期の源義経が天狗に武芸を習い、修行したとも伝わります。境内奥の院参道を登っていくと、毘沙門天立像が安置されている霊宝殿、護法魔王尊を祀る魔王殿を経て貴船へ抜けられます。
神秘的な気が満ちるこの地は京都屈指のパワースポット。山をめぐっていると心も洗われていくかのようです。
清流をつかさどる水神の坐す古社「貴船神社」

「貴船神社」は、創建年代不詳ながら伝説では約1600年前の創建とも伝えられる古社。
祭神の高龗神(たかおかみのかみ)は水を司る龍神といわれ、古来京都・鴨川の源流を守る神様として信仰されてきました。平安時代には歌人・和泉式部が復縁祈願に訪れ無事成就したことから、縁結びの神としても知られています。

本宮の奥に鎮座する結社で結び文に願いごとをしたためて奉納すると、幸福が得られると伝わります。貴船神社の水占みくじで運試しも忘れずに。
夏の夜は境内に笹が飾られ、ライトアップも開催。授与所受付が19時まで延長され、涼風に短冊が揺れる境内が幻想的な雰囲気に包まれます。
新鮮な川魚や川床料理を満喫「ひろ文」

貴船川の水面に設けられた床の上で、夏の風物詩ともいえる川床料理がいただける料理旅館「ひろ文」。季節の食材をふんだんに使った会席には、鮎などの川魚のほか、夏の京料理に欠かせない鱧が並びます。貴船の中でも深い緑に囲まれた奥地にあるので、小鳥のさえずりや渓流の音も聞こえてくるほど。彩り鮮やかな料理とともに、贅沢なひとときを過ごせます。

川床は5月から9月まで開かれています。リーズナブルに川床を楽しむなら、流しそうめんも魅力的です。こちらは予約不要ですが、行列ができるほどの人気。時間に余裕をもって訪れたいですね。
貴船の最奥に位置するカフェで甘味を味わう「兵衛Cafe」

貴船神社の奥宮へ続く道に見える、モダンな建物が目印の「兵衛Cafe」。カジュアルなインテリアのカフェで、イタリア製のエスプレッソマシーンで淹れたコーヒーと、わらび餅などの甘味をいただけます。
5月から9月末まではテイクアウトのみとなり、期間限定のグラニテがお目見え。抹茶本来の苦みを生かした氷の上に、ほんのりと甘い酒粕入りのミルクや山椒・ソーダがマッチし、清涼感たっぷりの味わいです。

さらにプラス500円で「川床カフェ」も利用できます。気軽に立ち寄れるとあって、川床デビューにもおすすめですよ。ドリンクを片手に、のんびりと川のせせらぎに耳を傾けてみてはいかがでしょうか。
おみやげがそろう「貴船コスメティックス&ギャラリー」

貴船神社からほど近くにある料理旅館・右源太が営む化粧品と雑貨のお店「貴船コスメティックス&ギャラリー」。貴船ならではのおみやげをと始まったお店には、清らかな貴船川の水をたっぷり使ったオリジナルコスメブランドが並びます。

人気はしっとりした洗い上がりの石けんや、旅館のエステサービスにも使用されている泥パック。ほか、京都のブランドが手がける和コスメなど豊富な化粧品がそろいます。
店内にはアクセサリーや陶器、京野菜を使ったお菓子もあり、その愛らしさに見ているだけでもワクワクします。