一気に冷めた恋心。その先に待っていた、衝撃の結末

2021年06月06日 15時10分

恋愛 マイナビウーマン

付き合い始めはあんなに楽しいのに、別れるときはこんなにも大変。

こんにちは。別れ話を全国平均の数倍は経験したであろうトイアンナです。のっけから自己紹介がつらいわ。

ここで私が、恋愛経験値の浅いうちに放った恥ずかしい別れの言葉シリーズを開陳しておきます。

「なんで私じゃだめなの? その子のどこが好きなの? いや別れるのは分かったからちゃんと説明してよ。私とその子のどこがどう違って、その子の何が優れていたのかをさ」

「こんなに頑張って考えたプレゼントなのに、なんでガッカリされなきゃいけないの? なんで? 私のプレゼントはレベルが低くて、○○くんのプレゼントはまとも扱いってどういうこと? 私だって真剣に何あげるか考えたのにいいいい(以下、号泣)」

「もう借金は返してくれなくて良いから。二度と私の前に顔を見せないで(ガチャ切り) ……借金とかよりなんでそんな女と結婚するんだアホ……死ねええええええ」

「(彼の浮気相手へ)大変不快なメッセージをありがとうございます。もうご連絡はいただかなくて結構です。あなたの末永い不幸をお祈り申し上げます」

書いているだけでダメージがすごく蓄積されるな? なんで人って別れ際に壊れちゃうんですかね?

というわけで、ここから先はとっておきの「しんどい別れ話」の物語。

■クリスマスプレゼントにイケてないものを贈る罪

別れよう。そう思ったのは、クリスマスでした。そもそも、クリスマスプレゼントに私が彼へ用意したのは、折りたたみ傘でした。

センスが無いですね。でも、でも許してほしい! 中学生だったので!

当時の葛藤を記しておきます。私が住んでいたのは駅前にしかショッピング街が無い片田舎。そもそもラグジュアリーなアクセサリーや、革小物は手に入らない世界だったのです。

いや、ごめんなさい。これは言い訳です……。当時だって、電車に1時間半も乗れば、ちょっとした都心に出ることが可能でした。しかし、それをしなかった。

だって私は、都会が怖かったから。生まれてこの方インドア派、キャンプと旅行が苦手な女。たとえクリスマスであろうとも、できれば遠くへ出たくない。今なら間違いなく、Amazonでクリスマスプレゼントを購入しています。

■自分のことを棚に上げて別れ話を始める

さて、場面は戻ってきて片田舎。私が2時間売り場をウロウロしながら「学校などの日常で使える、あんまり悪目立ちしないシンプルなデザインのもの」を考えた結果、無難すぎる折りたたみ傘に落ち着いたわけです。

対して、彼はネックレスを用意してくれていました。ま、まとも……。まさにクリスマスのためだけにあるようなプレゼント……。そして、折りたたみ傘とネックレスの落差を知った彼は、泣きだしてしまったのです。

「ひどい、俺は、こんなに考えてプレゼントをあげてるのに、こんな、適当なものを……いくらなんでも……ひどい……」

ザーっと、彼への気持ちが冷めてしまった。そして自分があげたものの酷さを棚に上げて、その時私は思いました。

「めんどくさ。もうこの人と別れよう」と。

■最低な自覚から別れ話を続けるも、待っていた電話地獄

サイッテー。

と、今の私が当時の私に会ったら言うでしょう。そもそもはな、お前が選ぶプレゼントを間違えたんだぞ。相手のイケてる贈り物に比べて、折りたたみ傘ってなんだよ。正座して反省文書け。と、くどくど説教したいところですが、当時の自分は今よりもっとずっと、相手の気持ちが分かっていなかった。

「別れたい」と伝えたら案の定相手は泣いて、泣いて、とにかく号泣し、それから毎日電話が来るように。

「僕のどこが気に入らなかったの」「もう嫌いになっちゃったの」「なんで付き合い直すとかないの」

はい。私が別れたい理由は「変なクリスマスプレゼントを送って、それに相手が泣いて怒ったことで冷めた」という、男女逆転したら処刑されてもしょうがないやつ。

200億パーセント自己責任です。良かった、別れ話が高校受験終わった後で。受験期にこんなことしてたら死んじゃう。

さすがにその電話を無視するほどサイコパスみはなく、毎日毎日2時間の電話に対応すること1カ月。つまり、約60時間を別れ話に費やしました。さすがに彼から電話をかけさせつづけるのも悪いと思ったので、こちらからもかけなおしていました。

ここで大人の皆さまはお気づきになったことでしょう。

「電話代、やばくね?」と。

そう、悲劇は1カ月後にやってきました。

■イタい恋から得た教訓「別れは円満に済ませるべし」

「なんじゃこりゃあああ!」

絶叫していたのは、私の母です。

母の手元には電話代の請求書。その額、なんと3万円。私が母親でも叫ぶわ。当時の両親は夜遅くまで働いており、私が電話していた現場を知らなかったのです。まさか娘がせっせと毎晩、別れ話にいそしんでいたとはね……。今だったらLINEコールでWiFi定額で済んだのにね……。

何も反論できなかった私は、「すみません……お年玉から差っ引いてください……」と、うめくしかありませんでした。

こうして私の溜め込んでいたお年玉は、別れ話に吹き飛びました。自業自得です。彼は私へたっぷりの呪詛を残して、中学を卒業していきました。失った3万円、戻ってこない60時間、さすがに溜まった罪の意識と共に、私は誓いました。

「別れるときは円満に済ませるのが一番」と。

まさかその数年後、浮気されてズタズタになった私が「一生許さないいいいいい」「こんな女を選んでどう落とし前をつけるつもりなのおおおお⁉」と泣きわめきながら、彼が浮気相手といちゃいちゃしている部屋へ乱入する日が来るとは思いませんでした。

人を無下に振る女は、いつしか無下に振られるもの。人生は、巡り巡って因果応報です。

(文・トイアンナ、イラスト・菜々子)

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2021年06月06日 15時10分

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