「セカンド女子」にすらなれない。モテない女の特徴


いらっしゃいませ~(酒焼け声)。マイナビウーマン読者さん、ゲイバー風に名づければ「マイ子」なみんな、よろしこ~。新宿2丁目に流れ着いた女子たちのイタみやエグみを夜な夜な聞き流している、やっつけ女装ママのブルボンヌでございます。


このたび、「映画やドラマの、ヒロインじゃなく脇を固めるキャラに注目したい」という企画にお声がけいただきました。一般の女性が本当に感情移入できたり学ぶべきところがあったりするのは、主人公以外じゃないか、という指摘には深く同意いたします。そもそもオネエキャラという存在自体、「ノンケ(ストレート)男子からチヤホヤされる本物女子」というヒロインに対して難クセつける、意地悪な魔女役を運命づけられたようなもの。以前から王道女子のオイシイとこどりの象徴ともいうべきアイドル女子アナたちをアタシたちが敵視するのは、DNAレベルで刻まれた本能だと思うんです。シャーッ!(威嚇音)


でも、アタシもう46歳のクソババアですからね。原稿を打つモニターの文字もかすんできている人生の下り坂46が語りだす「女たちの映画」って『吉原炎上』とか『デンデラ』とか、せいぜい『セックス・アンド・ザ・シティ』あたりよ。ヒロイン名取裕子より絶対、仁支川峰子ねえさんの「ここッ! ここ噛んで!」だよね~、とか言われてもマイ子たちポカーンじゃない?


と心配していたら、編集部から真っ先に提案していただいた映画が『モテキ』。もう7年も前の公開になるけど、当時の予想を裏切る興行収入20億円超えの大ヒット映画だから、みんな観てそうよね。森山未來演じるサブカル系男子・藤本が、Twitterで知り合った長澤まさみ演じる最強笑顔ヒロイン「みゆき」と知り合いハマるも、なんとイケてる彼氏持ち、しかも不倫。みゆきの友だち、麻生久美子演じる「るみ子」には告白されてヤッちゃうけど、結局みゆきのことが忘れられず……。というストーリーの中で、マイ子が感情移入しちゃうのは「るみ子」のほうじゃないかってことですよ。


カップル客に外から「ひとりカラオケやばくない?」「こわい~」と言われながら、B’zを熱唱しまくるるみ子。みゆきのほうに気があるとわかってても、勇気を出して藤本を呼び出す。歌い終わって別れた後で、見上げたビルの窓がハート型にライトアップされてるのを見て啓示を感じた彼女はダッシュで戻り告白、そのまま勢いでヤッちゃうのでした。


まあ、いつも太陽みたいな友だちが全部持ってっちゃう月タイプのるみ子にしては、勇気を出してようやったとは思うわよ。でも、ハートのライトアップきっかけって、ど、どんだけ~?(オネエ・クラシック)るみ子は雑誌『anan』の占い特集はマストで買ってるタイプね。パワースポットも好きそう。でも、オトコはラッキーアイテムなんかじゃ落ちないのよ?


ワンナイト時のお約束の問題「いきなりの寝起きブス顔披露」についても、るみ子はメイクの落ちた汚いところを見られたあげく、しょっぱく照れまくってて失敗。古典ゲイ映画の名作『トーチソング・トリロジー』の主人公、女装オカマのアーノルドはちゃんとしてたわよ。相手より早くそっと起きてメイク直しをしてベッドに戻り、まるで今起きたかのような小芝居をするの。オネエさんの努力、涙ぐましい! それくらい気合いの入った自己演出ができないのなら、逆に笑顔でブスっぴん見せるくらいの開き直りがほしいところだわね。


そして言い渡される「みゆきちゃんから乗り換えて、るみ子さんと付き合うとか無理だ」という宣告。ここでまた、一番やっちゃいけない「それでもアタシうれしかったし、このまま友だちとして仲よくしてくれりゅ……(泣)」みたいな、自ら安値札をつけた追いすがり。ノンケもゲイもたいがいの男って、追っかけてくる相手に対しては途端にエラそうになっちゃいがち。まさしく藤本程度の男に「イライラすんだよね。つうか重い!」とまで言わせるほどに。そしたらるみ子、今度は「ゥウワーッ!」って奇声を発して路上で彼を押し倒し覆いかぶさっちゃう。「アタシ重いかな? そんな重いかな!?」って、物理的にも本当に重くなる一方の、子泣き爺女と化すのでした。


その後は「弱った心につけ込んでつまみ食いしたい、パッと見優しげでそつのない男」リリー・フランキー演じる業界スケベオヤジに、ひとつまみされちゃう。朝の「るみ子ちゃんはがんばり屋さんなんだね」「すみません、なんかつい」のやり取りから、求められるがまま必死に尽くす涙ぐましい姿が見える。


結局、るみ子のオチとしては「片想い失敗、スケベオヤジにも抱かれてみたけど虚しい。よーし、もう全部ふっきって、牛丼おかわり~!」と、そこそこ前向き風ではあるのね。でもこれ、男目線の憐れみフォローって感じでまだ明るい未来は見えないわウウウ。


「ごめんなさい」をつい口にしちゃうるみ子は、相手のシュミに合わせよう、相手の求めるものはすべて捧げます、と常にご奉仕M気質。謝らなくていいし、自分のシュミだけをのびのび楽しめばいいし、ヤリたくないプレイはしなくていいのに。結局、尽くしてるようでいて、相手からしたら全部「あなたのためにこんなにしてるけど、アタシ自身はそんなに楽しいわけじゃないんです」って押しつけにもなっちゃうのよね。


ゲイバーのお客様を見てると本当によく思うんだけど、顔面造形偏差値と余裕マインドはそれほど一致しない。そして少々造形が微妙でも、余裕をもって楽しそうにしてる子こそ人を魅きつけるのよ。AKB総選挙で2位にまで上り詰めた須田ちゃんなんかまさにそういう魅力の塊。戦略としてブス自虐を利用してるけど、心はそんなに浸食されてない、上手なブス活用をしてるのよね。


マイ子たちも「るみ子」を反面教師にして、るみ子がやっちゃうことの逆を選ぶようにしてみて。悪いコじゃないことはみんなわかってんだから。


「ごめんなさい」を減らして、「追いすがる」より「包み込む」立ち位置を意識。目の前の男を焦って好きになる必要はないから。まずちゃんと好きにならなきゃいけない人は、鏡の中にいる。モテキは、自分を好きになれば近づくものよ!


映画『モテキ』公式サイト


(文:ブルボンヌ、イラスト:ニシクボサユリ)

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