「離婚する、しない」浮気された妻の苦悩 「周囲の意見に惑わされないで」経験者の英断
3組に1組の夫婦が離婚している現代(厚生労働省「人口動態統計」)。その実体験を描く漫画には、離婚すべきかそうでないか、切実な悩みを抱えて体験談を参考にしようとする“当事者”の読者も少なくない。夫婦の関係も抱える悩みも事情は人それぞれだが、実話を描く人気漫画の作者の言葉は夫婦のあり方や離婚対策のヒントになっているようだ。
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■娘が寝込んでも不倫相手に会いに行く“逆ギレ夫”と即離婚
タイトル通りのショッキングな実話を描いた『夫が娘の名前で不倫していました』(KADOKAWA)原作者のSatsukiさんは、元夫のありえない不倫の発覚から即離婚を選んだ。
元夫は、家事や育児をすべてSatsukiさんにまかせっきりで自分はゲームばかり。不満を募らせるSatsukiさんと何度もケンカや話し合いを重ねても生活が変わることはなく、いつの間にか夫婦や家族としてのかたちも機能しなくなっていた。そんな中、元夫の不倫が発覚。相手はオンラインゲームの参加者の女性で、元夫は自身を娘の名前で呼ばせていた。
発覚のきっかけはスマホ。Satsukiさんは、過去の苦い経験から「相手の携帯を見るなら別れる覚悟で」という信念を持っていた。怪しい言動を繰り返す元夫のスマホを開いたときには、離婚する覚悟を決めていたという。
そして、不倫の事実を突きつけられた元夫は謝ることもなく開き直り、「逆ギレされてもうダメだなと思いました」と、離婚の決断に間違いがないことを悟った。
不倫発覚後にやり直そうと努力する夫婦もいるが、Satsukiさんに迷いはなかった。「娘が熱を出していても不倫相手に会いに行くような人間が、ずっと家庭にいる方が娘にとってよくない」と即離婚へ踏み切った。「離婚か? 再構築か?」という揺らぎは少なかったと振り返る。
■“本気でない浮気”、離婚しない選択も…全力の謝罪を「公正証書」に
夫の浮気を知ってしまったが、離婚はしなかったのがSOMANさん。浮気された妻が有利に物事を進めるためのHOW TOをまとめた『平凡な主婦 浮気に完全勝利する』(ワニブックス刊)の著者であり、離婚してもしなくても“完全勝利”をつかむまでのプロセスを綴っている。
SOMANさんは、夫への探偵事務所を使った浮気調査では、自身も夫にバレないよう秘密裏に証拠集めを行い、不倫の発覚からは弁護士を立てて相手の女性への賠償金と謝罪文を請求。「傷付いた心を癒すのは、物事に決着をつけたあとでいい」と冷徹に離婚を有利に進められるよう準備を進めた。
浮気の決着のつけ方は夫婦によってさまざまだが、SOMANさんは「夫が相手を本気で好きになったのなら、すぐに離婚しようと思っていた」という。しかし、深い気持ちではなかったことと全力の謝罪があったことで、一度限りとして許すことにした。ただし、夫には「今後浮気をした場合」の公正証書を書かせており、「きちんとペナルティを課すことで、あとからネチネチ言わせないことも夫婦生活を続けるためには大事」と語る。
「離婚した」「しなかった」ケースの2人が口をそろえるのは、「人に惑わされることなく自分の人生は自分で選択する」こと。誰しも浮気されて初めて知ることが多いなか、周囲に相談したり意見を求めることはあるだろう。それはあくまで一例として参考にしながら、答えを出すのは自分自身。どんな答えを出すにしても、それが正解になるように自分の人生を作っていくことが大事になる。