スポーツにマタニティ需要...広がるボディペイントも「偏見払拭に奮闘」

2019年02月16日 09時30分

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 モデルの高垣麗子がセミヌード姿を披露した日清食品『カップヌードルライト』のCMや、お笑い芸人のアキラ100%が出演したUCC上島珈琲のWEB動画など、フェイス&ボディアート制作を多数手がける、アーティストの深井仁美さん。深井さんは、日本のフェイス&ボディペイントの第一人者で、マタニティペイントを日本で最初に取り入れた人物でもある。ボディペイントやマタニティペイントの魅力とは何か。本人に聞いてみた。

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コカ・コーラのカレンダー2013年度版




2014年のワコールカレンダー




2014年のワコールカレンダー




ボディペイントは、短い時間で描ききることが重要


――ボディペイントを始めたきっかけは?
「知り合いから『絵を描くのがうまいから、野毛大道芸でフェイスアートやってみない?』と頼まれたのがきっかけですね。1999年ごろで、当時私は30歳でした。ただ引き受けたのはいいものの、フェイスアートが何か全く知りませんでして…。試行錯誤して、フェイスペイントのスタイルを確立しました」

――小さい頃から絵を描くのは好きでしたか?
「好きでしたね。3歳からお絵かき教室に通っていました。私立の美大に進学もしました。その後、広告代理店に就職。ディスプレイの仕事で、図面や下絵を描いていましたが、ずっと絵は描き続けていましたね」



LoFT HALLoWEEN 2015のポスター(C)Hitomi Fukai

LoFT HALLoWEEN 2015のポスター(C)Hitomi Fukai




――紙に描くのと、人間の体に描くのでは何が違うのでしょうか?
「体の方が、紙と違って凹凸がありますよね。また肌は柔らかいため、絵の具で塗ると水分を吸収して少し沈むんですよ。逆に、乾燥もしますし。体温によって絵の具が流れたり、肌の色によっても塗ったときの印象が変わるので、ボディペイントは描く人によって、それぞれ変わりますね」

――なるほど。作品を一つ描くのに、どのくらい時間がかかりますか?
「フェイスペイントだったら2〜3分かな。それ以上長いと、お子さんだとふらふらしちゃいますし。ボディペイントは、3、4時間以内に終わらせるのを目標にしています。極力早く終わらせないと、モデルさんの体力が持ちません。モデルさんにとっては、ペイントが完成してからが本番。ですので、フェイス&ボディペイントは、短い時間で描ききることが重要だと思います」

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フェイスペイント=スポーツイベントというイメージを確立


――ボディペイントを、趣味ではなく仕事にしようと思ったのはなぜですか?
「初めてフェイスペイントを描いた時に、お客さんが最初は不安な表情だったのですが、完成して鏡を見ると、大喜びしていたんです。たった5分間、知らない人の顔に描くだけで、最後にありがとうと言ってもらえる。こんな素敵なことはないなと思い、仕事にしようと決意しました」



NBFランジェリー展覧会で展示されたマネキン・ボディアートと共に写る深井仁美さん(C)oricon ME inc.

NBFランジェリー展覧会で展示されたマネキン・ボディアートと共に写る深井仁美さん(C)oricon ME inc.




――そうだったのですね。ボディペイントを始めて、転機となったことはありますか?
「2002年のサッカーW杯日韓大会ですね。日本で一気にフェイスペイントが広まるきっかけになるだろうと予想していました。試合時はスタジアム内で、1試合3000人ぐらいのサポーターの方々に、日の丸などのペイントを施しましたね。描いた人数の実績も10万人を超えました。ヨーロッパなどでは、カーニバルを見に行くときにフェイスペイントをする人が多いのですが、日本では、フェイスペイント=スポーツイベントというイメージが強い。それは日韓W杯の影響が大きいんだと思います」

――確かに、現在ではすっかり、試合観戦時にフェイスペイントをするのが主流になっています。深井さんにとって、思い入れのある作品は?
「2010年の『カップヌードルライト』のボディペイントですね。完成までに5〜6時間ぐらいかかりました。当時、新聞などでは“カップヌードルは3分でできあがるが、ボディペイントは5時間もかかる”と文字が並んだくらい。モデルの高垣さんが、とくに素晴らしかったですね。体幹が鍛えられていて、長時間の撮影でも体がぶれることがなかったです」



2014年のワコールカレンダー(C)Hitomi Fukai

2014年のワコールカレンダー(C)Hitomi Fukai




――当時、『カップヌードルライト』のCMは話題になりましたよね。とても印象に残っています。また深井さんは、下着大手のワコールの作品も手掛けたと聞きました。
「2014年のワコールカレンダーのボディアート企画制作を担当しました。当時の日本は、ボディペイントというと、いやらしいといった情報が多かったので、どうしたらそういうイメージを払しょくできるか模索していたときに、お声がけをいただきました。ワコールさんは世界的なメーカーで、アーティストに理解がある企業。そういった企業で仕事ができたら、ボディペイントのイメージが変えられると思ったんです。結果、第65回「全国カレンダー展」で、経済産業大臣賞を受賞。2014年のドイツ国際カレンダー展においても、企業カレンダー部門で銅賞を受賞することができました。やっとアートとして、ボディペイントが認められた気がしましたね」

マタニティペイントは、自分の心境を表現することができる


――マタニティペイントはいつから始めたのですか?
「2005年ごろだったと思います。以前から海外ではマタニティペイントがはやっていまして。海外のボディペイント大会に出て、実際に描いているのを見て、“日本では誰もやったことがないから、やってみよう”と思い、始めました」

――マタニティペイントこそ、日本で受け入れられるのは時間がかかるような気がします。
「そうですね。以前の日本は、“妊婦がお腹を外に出して写真を撮るなんてとんでもない”という風潮でした。ただここ10年ぐらいで、妊娠中の写真撮影がポピュラーになった気がします。フォトスタジオなどでも、マタニティフォトに力を入れているところが増えましたし。また妊娠をきっかけに、マタニティペイントを知ったという人も増えていますね」



深井仁美さんが描いたマタニティペイント(C)Hitomi Fukai

深井仁美さんが描いたマタニティペイント(C)Hitomi Fukai




――マタニティペイントは、ボディペイントと何が違うのですか?
「お腹の中に赤ちゃんがいるので、描いているときに、ポコポコと動くことがありますね。そのときは描くのを待ったりして様子を見ます。また右側に寄っていた赤ちゃんが、撮影時には左側に寄っていることもあったりします(笑)。もちろん描く際は、細心の注意を払います。日本助産師会の監修を受けて、妊婦さんの体に負担がかからないペイントの仕方で、安全性を第一に、1時間弱で描くようにしていますね」

――ポコポコと動くのは、マタニティペイントならではですね。妊娠から何か月ぐらいで体験するのが良いのでしょうか?
「だいたい8〜9か月ぐらいの、丸々と大きいお腹のときがベストですね」

――実際に体験したお母さんの感想は?
「赤ちゃんがお腹の中にいるときの自分の心境を、ペイントを通して表現することができると好評ですね。また長い時間、自分のお腹をじっくり見ることもあまりないので、描かれている間は、ずっと赤ちゃんと向き合う時間になる。それがすごく幸せだったという感想もありました。また子供にとっても、マタニティペイントはずっと思い出に残ると思いますね。自分がお腹の中にいたときの絵を見ることができ、自分がお腹の中にいたときにママがこうだったと、はっきりと認識できる。そういうものが残るのは、子供にとっても幸せなことだと思いますね」

――マタニティペイントは、奥が深いですね。
「マタニティペイントは、私の作品ではありません。あくまで妊婦さんのために描くもの。ですので、完璧な仕上がりを目指すのではなく、妊婦さんとの時間を大事にしながら描いていますね」



深井仁美さんが描いたマタニティペイント(C)Hitomi Fukai

深井仁美さんが描いたマタニティペイント(C)Hitomi Fukai




――日本フェイスペイント協会の代表理事も務めている深井さん。ボディペイントを通して伝えたいことは?
「ボディペイントを始めて、よく周囲から言われる一言が『私、美術苦手だったんですよ』。アートの自由さ、楽しさを知らない日本人が多いなと感じました。だからボディペイントを通して、アートを身近なものに感じてもらい、楽しんでもらえたらいいなと思いますね」
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2019年02月16日 09時30分

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