再会したら超最悪でした...! 25歳女性が衝撃を受けた「元彼からの告白」
玖瑠実(23)元彼の結婚報告に、なぜか喪失感。「元彼レス」なんて言葉あるのか?
【レスなひとびと】vol. 177
金木犀の香りがして、ちょっと思い出してしまった。3年前付き合っていた秀治のこと。
専門学校時代、よく授業後にバイクで迎えにきてくれた秀治。寒くないように、玖瑠実用の上着とレッグウォーマーをいつも持ってきてくれてたっけ。なんだか少女漫画みたいでよかったな…なんて。
その夜、玖瑠実はある夢を見た。秀治とめちゃくちゃエッチなキスをする夢。煙草の匂いがするキス。尾崎の歌の歌詞みたいなボロボロのアパートの軋むベッドの上で。
「ねえ玖瑠実、口開けて、舌出して」
「ん…っ」
妙にリアルで、翌朝はちょっぴりやましい気持ち。でもスマホを見たら、そんな気持ちはふっとんだ。なんと、秀治からLINEが来ているではないか。
「玖瑠実、今日ちょっと会えない? 話したいことあってさ」
別れてから一度も会ってないのに、一体今頃何の話?
その日、仕事は全然手につかない。PCの前でボー…。だって、あんな夢を見たあとで、秀治から連絡がくるんだもん。
しかも会いたいって。
タイミングよすぎる。復縁の香りプンプン。ちょっぴり期待。
19時。待ち合わせの荻窪のカフェ。
「おー、玖瑠実。元気だった?」
はっちゃけた笑顔。低音ボイス。懐かしくて思わず顔がほころぶ。
「うん、元気だったよ」
ソーダを飲みながら最近の仕事の話やら、共通の友達のウワサ話やら。会話は弾み、なかなか本題に入らない。もう、早く言いたいことがあるなら言ってよ。玖瑠実はしびれを切らして尋ねた。
「ねえ、そんで話したいことって?」
「えーっと」と口ごもったあと、彼はスルっと早口で言う。
「来月、結婚することになったんだ」
えっ。思考停止状態のまま、反射的に返す。
「そうなんだ、おめでとう」
そのあと、落ち着いてから「どこで会った人?」「どんな人?」と相手の情報を聞き出すも、なんだかすごく喪失感。いったん別れた元カレなんだから、今さら喪失感ってのもおかしな話だが。
なんで別れたかって思い出してみる。お互いバイトに熱心で、すれ違いが多かったからだ。たいした理由じゃないから、よけい悔しい。復縁したいとずっと思ってた。
秀治の目が見れなくなって、会話も途切れ、解散の流れに。
こんな気持ちになるのは、一体なぜだ。玖瑠実にはまだシン彼氏ができてないのに、先に結婚しちゃうからか。
玖瑠実と付き合っていたときには、結婚の話なんて、一度も出なかった。玖瑠実と比べて、ずっときれいで聡明な女性なのだろうか。ああ、なんだか自信もなくなってくる。
帰り道、秀治からLINEがくる。
「今日はありがと。ってか、今度は3人で会おうよ。玖瑠実の話を彼女にしたら、会いたいってうるさくてさ」
「会うか! バカ!」
なんだかバカにされた気分。
【三松さんからのコメント】
元カレの結婚にモヤる女性、玖瑠実さん。嫌いになって別れたわけでないなら、そりゃ寂しいですね。
未練の有無にかかわらず、一度は愛した人。自分より先の結婚報告に傷つくのは、自然なことです。ショックを受けている自分に驚くかもしれませんが、気にしなくって大丈夫。
そして、自信をなくす必要もナシ!
元カレの結婚相手と自分を比べて、落ち込んじゃだめ。
結婚はタイミング。
玖瑠実さんのほうが劣っているなんてことはないので安心して。
思考停止状態でも「おめでとう」と言えたから立派じゃないですか。そこで、ソーダを彼の頭にぶっかけて「うちより先に結婚すんなよ!」と叫ぶ見苦しい状況は避けたい。
とは言えですよ、呼び出してまで結婚報告をする秀治さんもどうなのか。報告したいだけなら、LINEで済む話。もしかしたら、秀治さんのほうに「結婚前に元カノともう一回やっとくか」なんて下心があったのかもしれない。
そして、挙げ句の果てに「彼女と会ってほしい」。これはないわ。
会ったところで玖瑠実さんに何のメリットがあるのか。婚約者に元カノの話をするのも残念な男です。やっぱり自分の都合しか考えていないダメ男です。
逃した魚は全然大きくない。秀治さんとは別れて正解というのが私のジャッジ。元彼レスで、落ち込む必要ナシです。次、いきましょう。次!
「元彼レスという言葉はありません。元彼にシン彼女ができようが結婚しようが、喪失感なんて感じるなかれ。祝福の余裕をかますのが大人のオンナ完成形」
三松 真由美
恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。
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文・三松真由美