“メッセージの送信を取り消しました”... 同棲解消したカップルの「LINEに隠された真実」【後編】
マンションの契約更新の時期を迎えて

「尚人と一緒の部屋にいても直接会話することがなくなり、LINEを通じてしか言葉を交わさなくなって1か月ほど経った頃。
マンションの契約更新の時期を迎えたんです。最初はそのことをスルーしていたものの、更新期限が近づいたことで無視できない状況になり、私のほうから尚人に“マンションの契約更新の件、どうする?”というLINEを送りました。
すると、ある程度予想はしていましたが、尚人から“出ていくわ”という返信が来たんです。そこで、“私たちは本当に終わりなんだな”と痛感しました」
メッセージの送信を取り消した彼
「私のほうが先に引っ越し先が決まったので、彼よりも早く引っ越しの準備を始めました。そして、引っ越しをする前日のことです。
残りの荷物をダンボールに詰めていると、尚人から、“明日手伝おうか?”というLINEが来ました。でも、“業者が来て手伝ってくれるから大丈夫”と断ったんです。
すると、続けてまたLINEが来たんですが、引っ越し準備に忙しかったこともあり、しばらく放置していたんです。そうしたら、30分後くらいにLINEを開いて見てみると、“尚人さんがメッセージの送信を取り消しました”と表示されていました」
結婚式での再会

「同棲を解消してからは、事務的なやり取りを何度かしたくらいで、それっきり尚人と直接会うことはありませんでした。
その1年半後です。友人の結婚式に出席したんですね。その友人は尚人と共通の知り合いだったので、“もしかしたら結婚式に来るかな…”と思っていました。
すると当日、結婚式には来なかったものの、2次会に尚人が現れ、“久しぶり”と声をかけられたんです。そのとき、左手の薬指に指輪をはめているのが、チラッと目に入って。
そうしたら私の視線に気づいたのか、尚人が“結婚したんだ”と言ったんです。それを聞いて肩の力がフッと抜けた私は、尚人と気軽に話すことができました」
取り消されたメッセージとは…
「当時を振り返って、“なんでああなっちゃったんだろうね”という話をしました。
そこでかつて、お互いに同じ部屋にいたにもかかわらず、LINEでしか会話をしないようになったきっかけについて振り返っていたんです。事の発端は、二人で飼っていた熱帯魚が亡くなってしまい、その責任をなすりつけ合う形でケンカしたこと。
その際に、尚人がLINEで“今日はメシいらない”と連絡してきたことから、私は尚人には直接会話する気がないのだと思い、LINEで返事をしたんです。それ以来、お互いにLINEでしか会話をしないようになりました。
ただ、そのときにLINEで連絡をした理由というのが、その日は尚人が親知らずを抜いたばかりで喋りにくかったからだそう。それを聞いて、“なんだ…”と笑ってしまいましたね。
また、当時の尚人とのLINEを見返していた私は、最後に送られてきた“メッセージの送信を取り消しました”という文言を見て、そのときに何を送ろうとしていたのかを聞いてみたんです。
すると、尚人が“ああ…”と気まずそうにしながら、“冷静になったあとにお互いのことが必要だと思ったら、また一緒に住もう…みたいなことを送った”と言われました。ただ、尚人的にあまりに寒い発言だと思ったので、すぐに消したそう。
そのとき、当時の私がそれを見ていたらどう思ったのだろうと思いましたね。でも、考えると苦しくなりそうだったので、“ふ~ん”とだけ返しました」
“4年間も同棲したにもかかわらず、彼と別れてしまった女性の告白”をご紹介しました。
別れたあとに当時の状況を詳しく知って、苦しくなることもあるようです。のちに後悔をしないためには、意地を張らずに、お互いに思っていることを素直に話し合うことが大事なのかもしれませんね。
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文・塚田牧夫