結婚するなら5年後... “自己中な彼”に苦しんだ「アラサー女性の決断」【後編】
「5年は待てない」と泣く彼女に冷たい言葉を言い放つ彼

5年も待つとなると、元々立てていた“30歳を終えるまでに結婚する”という計画が狂ってしまうと焦った佳織さん。しかし、何度か彼に結婚の話を出すうちに、「うるさい」「しつこい」と嫌な顔をされるようになってしまったそう。
さらに、彼は結婚を焦る佳織さんに対して「今別れても、君は29歳だから30歳を終えるまでに結婚するのは難しいよね」「こんなにも君のことを愛してくれるのは僕以外いないから、別れてもいいことないと思うけど」などと、結婚を渋る割に佳織さんが別れないように、何度もこういった冷たい言葉を浴びせてきたのだとか。
当時はとにかく恋人のことが好きだったという佳織さんは、彼のそんな冷たい言葉の数々に「いいように言いくるめられていたと思う」と振り返ります。
大親友からの言葉でハッと目が覚め…
しかしあるとき、そんな状況を親友に相談すると、その友だちは激怒。「そんな彼氏とは、別れたほうがいい!」と強く説得されたそうです。
「でも、そのときはまだ彼のことが大好きだったし、何よりも『周りの人たちが羨むような彼氏のことを絶対に手放したくない!』と思っていたんです。というのも、私が学歴や収入にコンプレックスをもっていたので、高学歴で高収入な彼氏と結婚することで、自分のコンプレックスを埋めようとしていたのかもしれません」
佳織さんが友だちにそんな素直な気持ちを打ち明けると、「佳織の事情を考えもせず、自分の都合だけで結婚を5年も伸ばすような男性は、間違いなく自己中だし、結婚しても苦労することが多いと思うよ」という警告をしてきたそう。
さらに「結婚願望が強いなら、1日も無駄にしちゃだめ。時間は何よりも大事だし、そんな男性を待つことに時間を使うなら、新しい出会いを求めたほうがはるかに有益」とアドバイスを受け、ハッとさせられたと言います。
勇気を出して彼との縁を切ることに…

「その友人からのアドバイスで、私は本当にハッとしました。視野が狭くなっていたというか、彼のことしか見えなくなっていたんですね。確かに時間は有限だし、そんな彼を待つだけの時間は無駄だという気持ちになりました」
そして、勇気を出して、彼と縁を切ることに決めた佳織さん。しかしいざ別れ話をすると、彼は「別れられるものなら、別れてみろよ」「そんなこと言って、結婚を早めようとしているだけでしょ?」と上から目線な対応しかしてこなかったそうです。
しかし佳織さんの別れへの決意は強く、別れ話をした日をきっかけに、彼からの電話に一切出ず、LINEも無視をし続け、強い覚悟で別れたとのことでした。
「1か月もしたら彼からの連絡はこなくなりましたね。けど、別れてから2週間くらいは、本当につらかったです。ただ、今となってはあの彼と別れて、本当によかったと思っています」
この彼と別れて半年後、佳織さんは新しい彼氏との交際を開始。それから1年後に無事結婚することができたと笑顔で話していました。
「31歳になる直前に、夫がプロポーズしてくれました。結果として、夢が叶ったことは本当に嬉しかったです。あのときに厳しいアドバイスをくれた友だちには感謝しかありません」
結婚願望がある女性にとって、交際中の彼氏と結婚話が進まないと、焦りを感じるだけでなく、その彼と「何がなんでも結婚したい!」と躍起になってしまう女性もいます。
けれど、彼との関係を見つめ直し、自分にとっての優先順位が何かを考え直すことで、その先の人生を望んでいた方向に進めることもできるようです。
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文・並木まき