いつも長続きしない...彼を信じられず「悲劇ヒロイン」化する女子の特徴

2019年10月24日 21時30分

恋愛 anan

現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、彼ができても彼のことを信じられず、いつも恋愛不安定になる29歳女子。「悲劇のヒロイン願望」を持つ彼女に、三松先生のお答えは?

文:三松真由美 イラスト:犬養ヒロ


【レスなひとびと】vol. 52


花音(29歳)、相手をすぐに疑ってしまう自信レス女子。勝手に落ち込み、別れてしまう負の恋愛スパイラル。



花音はモンモンとしていた。時刻は深夜3時。昨日の17時から彼氏の昴がLINEに既読をつけない。いったいどこで何してんのよ!? 気晴らしに恋愛占いアプリを開く。タロットで2人の関係を占うと


「彼の本命はほかの子かも。浮気に注意」


もうだめだ。明日……別れる。単純すぎるのが花音のかわいいところでもある。朝起きると昴からレスが!


「ごめんーー寝落ちしちゃった〜今日もお互い頑張ろうな」


パンダちゃんのがんばれスタンプ。ああやっぱ好き。好きだからこそつらい。


銀座コリドー街のバーで出会い、付き合い始めた昴。神楽坂のデジタルブック企業でバリバリ働く営業マン。サラサラヘアで細マッチョ。クルリとした猫目。モテ度87%。音楽教室でキッズクラス担当講師をしている花音がどストライクだったらしく、猛アタックされた。


「ちっちゃい子に音楽教えるなんて夢がある仕事だよな。 花音ちゃん、すてきだ]


髪の先から爪の先までやさしくキスする愛情たっぷりなセックスにもしびれまくる。


「私にこんな完璧なカレシができるなんておかしくない? 恋愛詐欺? そろそろ金貸せって言われる?」


花音はこの恋が本物かどうか怯えている。自信がないのだ。ある夜、約束していたデートをドタキャンされた。


「上司に飲みに誘われちゃった」


全然いいよとペンギンスタンプを押したものの、内心は疑惑が大盛りあがり。上司って女? タロットでは女と出た。


慣れた手つきで、自分だとバレないインスタアカを開き、昴のストーリーを見る。「会社飲み~」とお気楽投稿をしてるが、ストーリーの画面端にスカートが写っていたような。目を見開いて25回くらい見たが、よくわからない。


翌々日、昴が埋め合わせデートに誘ってくれた。


「今日、花音、不機嫌じゃない?」


あのストーリーのスカートが気になり気もそぞろ。きっと上司と嘘ついて社内女子とデートしてたんだ。


「体調悪いんじゃない? 俺もちょっと疲れてるというか。今日はこれで解散しよう」


ありえない。カフェだけで解散? やはり浮気だ。笑顔で昴を見送った帰り道、涙がこぼれる。やっぱり本命じゃないんだ。このあと、誰かとデートなんだ。振り回されてばかりで辛いよ。


「昴君、やっぱり別れよう」


ラインすると昴から即電話。


「どうしたの? やっぱりご飯行こうか」


「私の問題だから、ほっといて」


別れてなんだかホッとした。そう言えば私を不安にさせる人ばかりと付き合ってるなあ。誠実なカレシってどこにいるんだ。

【三松さんからのコメント】

花音さんのような勝手に自虐ストーリーを仕立てて、辛い女を過剰演出してしまう女性、周りにいませんか。注目してほしい、かわいそうがってほしいという悲劇のヒロイン願望なのですが、男性にとってはめんどくさい。


なぜ悲劇のヒロインになりたがるのか?


過去付き合った浮気男のせいでトラウマをかかえていたり、束縛心が強すぎて異性を信じられなかったりするわけです。結果、自分を愛してくれるパートナーを一方的に遮断してしまう。


なんともったいない!


そういう悲劇ヒロイン願望女子に限って、占い好きだったり、インスタなどのSNSをヘビロテ見したりして、疑う理由を収集する。信頼できるカレでいて! と言うくせに、疑おう疑おうと行動してしまう。


もし自分にその兆候があるとしたら、そんな不毛で生産性のない活動に時間とエナジーを使うより、自分に自信をつける行動に力をいれましょう。彼の好みを探ってイメチェンしてみたり、資格取得を目指して勉強してみたり、人生を変えるような本を読んだり。自分に自信をつけるのです。自信がないままだと良縁に出会えても、相手を信じきることができず、悩んでしまうばかり。


恋愛は不安なもの。相手の浮気が怖いのはお互いさま。過去の恋愛にトラウマがあっても、塗り替えること。男=浮気する わけではありません。過去にとらわれず、今のカレを信じる。


「自信がない、疑惑大盛り女は、オドオドするから魅力半減。自分の強みを見つけて、カレと同じ舞台に立て」


三松 真由美

恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。日本性科学会会員。ED診療ガイドライン作成委員。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。


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