別れたのに...元彼と「セフレになりやすい」女性の特徴
文:三松真由美 イラスト:犬養ヒロ
【レスなひとびと】vol. 49
清香(31歳)、道徳心レス男だとわかっているのに呼ばれると行きたくなるのが悲しい
元カレのヨシヒサが結婚するという噂を聞いた。SHOCK。二年前に別れたヨシくん。なんで別れた? あんないい男と。あの頃ヨシくんは金融系のベンチャー起業を成功させ、シンガポールに会社を作るから一緒に来てと言ってくれた。
清香はちょうどメイクのアプリを開発するチームリーダーに選ばれたばかり。仕事ガンバリたい! タイミング悪し。心を鬼にしてヨシくんの誘いを断った。今でも大好き。忘れられない。今なら150%オッケーする。これを後悔と言わずしてなんと言う。ジクジクする思いを抱え、次なる彼氏はできてない。
そんなある日、六本木一丁目の横断歩道。あちら側にヨシくんが佇んでいる。こんなドラマみたいな事があるなんて。清香は思いっきり手を振り、駆け寄る。
「びっくり、清香かよ。海外と行ったり来たりでさ。こっちでは婚約者と一緒にそこのレジデンスに住んでるんだ」
そうだった。ヨシくんは他のオンナのものだった。こみ上げる涙を隠し、にっこり。
「おめでとう。幸せになってね」
しかし、その夜、SNS経由でメールが……。
「シャングリラにいる。飲まないか」
そりゃ行くだろう。だって未練タラタラ垂れ流し状態だもん。28階のバーでスパークリングをあおり、ヨシヒサの部屋に。
「この人、婚約してるのに、私とこんなこと……」
ヨシヒサのタッチは2年前と同じく、ソフトであたたかい。キスされると泣いてしまいそうだ。なつかしい髪の匂い、なつかしい背中の手触り。ああ、ほんとにヨシくんのこと、アイシテル。
冷静な自分がささやく。
「何やってんの。別れた男だよ。もうすぐ結婚するんだよ。彼女を裏切るような浮気男じゃない。道徳心ない男ってわかったろ。すぐにパンツ履いて帰れ!」
帰れなかった。清香の心もカラダもヨシヒサを求めている。
アッハーン♡
清香の人生史上、最高に萌えたエッチになってしまった。
夜が明ける。太陽の光を浴びてハっと我に戻った。
その日からの虚しさと言ったら例えようがない。ゾンビのようになってしまった。仕事も上の空。食欲減退。相手のオンナへの嫉妬。ヨシヒサに会いたい気持ちが膨張。わけがわからない苦しさでゾンビ化している。
ヨシヒサからたまに届くメール。
「こんどセントーサ島で会わないか? 飛行機予約してやるから」
清香はスマホを握りしめ、悶絶するのであった。
【三松さんからのコメント】ダメです! 清香さん。現実社会に戻りなさい。心の中ではわかってますよね。ヨシくんはろくなもんじゃねえって。婚約者の立場に立ってみて。ウェディング直前に元カノと寝る男。サイテー。結婚してからも浮気する要素ありあり。まさに道徳心レス男。不貞。不倫。ネガティブな未来は見えている。
恋愛相関図は自分を中心に据えず、さまざまな人物視点で想像すると進むべき道が浮き彫りになります。
ヨシくん→清香のこともやっぱ好きだわ。妻に隠れてエッチし続けよう。同時に複数好きになるってことあるっしょ。モテる俺……イケてる。
婚約者→ヨシくんは私のすべて。浮気なんかするわけない。一生仲良し夫婦よ。はやくベビちゃん欲しいな。
清香の友達→まずいでしょ。清香、こんな状態じゃいつまでたっても結婚できないし。遊ばれてるじゃん。てかずっと元カレに会うなら私、友達やめるし。不倫してる友達とは付き合いたくない。
はい。もしヨシくんが、婚約解消して清香さんに戻るというならもちろん拍手。それくらいの男意気を見せて欲しいもんだ。婚約者に対しても失礼千万。
「元カレのことそんなに好きなら、彼女と別れて戻ってきてと迫ってみろ。相手が青ざめたら砂かけて立ち去れ!」
三松 真由美
恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。日本性科学会会員。ED診療ガイドライン作成委員。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。
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