【Q&A】出会い系でひと目惚れした年上彼と半年間、音信不通です #102
文・藤島佑雪 イラスト・小迎裕美子
【クラブ佑雪】vol. 102
「出会い系でひと目惚れしたダンディ社長と半年間、音信不通です」
佑雪さん、初めまして。 今、お付き合いをしている投資ファンド経営の男性(50代)がおります。 彼とはいわゆる出会い系で知り合い、4回ほどお茶をした程度の関係です。メッセージのやりとりをしている段階で好感をもち、実際お会いしてみると、年齢よりも若々しいダンディな見た目(照明が暗めだったせいもありますが)、かつ品のよさがにじみ出るスーツを着こなす素敵な紳士で、ひと目惚れしてしまいました。お話してみると見た目とは違って、硬派でクソ真面目、仕事ひと筋という人柄が垣間見え、お茶を終えてお別れする頃にはまた絶対に会いたい! と思うようになりました。 彼が出会い系をしていたのは 元カノに浮気されて別れてから6年も恋人がおらず、さすがに心配した後輩が登録から女のコ捜しまでしてくれたと教えてくれました。
その後、会う約束は私からとりつけました。まだ素性もよくわからんけどものすごく大好きで忘れられないから、もう1回会って欲しい! という渾身の告白と共に。すると 「そんなに好きでいてくれてるとは思わなかった。僕でいいならお付き合いしましょう」 と言ってくれ、付き合うことに。その後はお茶してキス&ハグしてサヨナラなデートが1、2回続いたのですが。
前置きが長くなりましたが、悩みはここからです。会っているなかで、彼が具合悪そうな日もあり心配していたところ、メニエール病と診断されたと打ち明けられました。ひどいときは起き上がれないそうで、何日かその状態が続いて回復したらまた仕事して、の繰り返しだとのこと。症状が出ても深夜まで働き詰めの生活を続けていて、ついには音信不通になってしまいました。そんな状態が3か月続き、やっと連絡がついたと思ったら 「母親の実家で療養している。スマホはストレスの原因になるから使っていない」 と。
そんな大変なことになっているなら、どうして私にも言ってくれなかったのかショックでした。まだ付き合いの浅い関係とはいえ、大変なときこそ頼れるのが恋人なんじゃないのか? と。そしてまた音信不通になってしまい、 もう半年ほど連絡をとっていません。私としては彼が嘘をついていると思えず、 待てる限り待つつもりです。冷静に佑雪さんからみたときに、この状況ってかなりヤバいヤツを追いかけてるだけなんでしょうか? 向こうからヤバいヤツだと思われている可能性もありますが。
佑雪さんがもし、出会い系でめちゃくちゃドタイプ!もうこんな紳士とは出会えないだろう! という方と出会って恋に落ちてしまったら、そして、その彼がメニエール病で音信不通になってしまったら、どうしますか?
(焼肉大好き女 26歳未婚 OL)
見る目のない女が、出会い系で騙されないために
力の入ったお悩み、ありがとう存じます! その彼、既婚者ですよ。もうね、ガチで100%。あとね、嘘つきで詐欺師で遊び人ではありますが、とことん嘘もつき通せないし、とことん詐欺師にも遊び人にもなれない中途半端なヤツです。
ギリギリで悪人になれない情けない男なので、そこまでヤバくはありません。むしろ、26歳の社会人であるご相談者さまが、一連の流れから彼の正体を見抜けなかったことを非常に心配しています。ママに言われなかった? 「知らないひとにはついて行っちゃダメだよ」って。5歳で教わったことって、永遠に真理ですよね。
ご相談内容を上からひとつずつチェックしていきますけどね。そいつから名刺もらった? もらったなら会社の検索してみた? もし投資ファンドが本当だったとしても闇の勢力と繋がってるとこも多いし、ほんっとに気をつけないと。あと、最初から目が曇ってるみたいだから「若々しい」とか思い込んじゃってるけど、本当に50代? 60越してるんじゃないの? 免許証で確認した?
それから「見た目とは違って、硬派でクソ真面目、仕事ひと筋」とか、ありえないから。そんな50代のおっさんなら、腐っても出会い系とかやらないし、後輩うんぬんとか絶対に嘘だから! さんざんTinderやって写真と最初の挨拶だけで、男を見極めてたわたくしが断定いたします!
ただ、この推定60台既婚者のおっさんが悪人じゃないのは、結局、キス&ハグ止まりだったってところ。これね、悪い男ならやっちゃってます。やってからドロン。でも、この方、やらずにドロンでしょ? これはね、彼の良心が、純粋に自分を好きとだ言いきるご相談者さまを、騙せなかったから。出会い系で釣った20台の女に惚れられるなんて、予想もしなかったんじゃないかな。もっと簡単にエッチだけできるって妄想してたんじゃないかな。
だから、メニエール病というのはご相談者さまに対する思いやりでついた嘘なんです。いえ、本当にメニエール病かもしれませんが、動けないほどの症状ってのは絶対に嘘。そして「母親の実家で療養している」というのは正しく翻訳すると「妻の家で暮らしている」。つまり、結婚して家族と一緒に住んでるってことなんです。
そもそも実家ならともかく「母親の実家」って何? おばあちゃんちかよ。あとコレ。「スマホはストレスの原因になるから使っていない」って、そんな仕事人間がスマホ3か月使わないとかないっしょ。投資ファンドの会社経営してて、社員とかお客さんとどうやって連絡とってるの? ありえないっしょ。
結論は簡単に申し上げるとこうです。「60代の既婚者がちょっとシロウトさんと遊びたくて出会い系使ってみたら、なんとびっくり! ひと目惚れされて本気になられちゃった! 根は悪いヤツじゃないから嘘をついていることがやましいし、苦しい。でも、本当のことを言って傷つけるのも嫌だし、なにより悪者になりたくない。それに万が一、豹変して自宅に来られでもしたら大変! そうだ、病気になったってことで音信不通になろう! それでフェイドアウトしよう!」。
ま、そんな感じですかね。おそらくこれからも騙されると思いますが、
1. 知らないひとからは名刺をもらう。で、素性を調べる。
2. 友人や家族に会わせてもらう。
この2つを徹底すれば、大規模な被害は避けられるかと。今回は本物の悪人じゃなくて、よかったですね。お母さんもホッとしてらっしゃるのではないでしょうか。
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藤島佑雪(ふじしま ゆうせつ)
元リアル銀座のクラブのホステスを経て、WEB上の銀座『クラブ佑雪』オーナーママ。占い師・開運アドバイザー。著書に『元銀座ホステスが教える強運!美女になる方法』(文藝春秋社刊)。WEBサイト『TABI LABO』で「「今、ツラい」が自由になる! 12星座占い」、『食ベログマガジン』で『出世ごはん』の連載中。
©Tara Moore/Gettyimages
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