37歳で退職し、女ひとり渡米4年半。帰国目前で「得たモノ失ったモノ」。#最終話

2019年08月03日 21時00分

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14年間勤めた出版社を辞めて、なんの保証もないまま女一人アメリカに移住した筆者土居彩。大学で半分ほどの年齢の人たちと肩を並べて心理学を学んだり、先住民のみなさんと暮らしたり、恋をしたり失恋したり、禅センターでは雲水修行も行ったアメリカ生活でした。日本帰国を目前にし、この4年半を振り返って、得たもの失ったものを考察します。

写真/文・土居彩


【土居彩の会社を辞めて、こうなった。】vol. 75


ここまでのあらすじ。


私土居彩は離婚し、その後付き合った恋人とも別れ、14年間勤めた会社を辞め(当時は雑誌『アンアン』編集者)4年半前に、スーツケース二つで渡米しました。



自分もそれを提案していた人間のひとりですが、世間一般で決められた「幸せ」や「成功」のあり方を見つめ直して、私にとっての幸せとは何かを実体験の中で確かめたかったからです。


まずはバークレーで幸福心理学を学び、認知症の女性との暮らしで一緒に食卓を囲むという、もっとも基本的で大切なことを教わりました。そして2年ほど定住場所を持たず、オルタナティブ文化の発祥地であるエサレン研究所でボディ・ヒーリングを学んだり、ジョアン・ハリファックス老師のウパヤ禅センターで5か月間の雲水生活をしたり、タサハラ禅マウンテンセンターでボランティアしたりと女ひとり放浪旅をしていました。


ハッピーエンドに執着したけれど…



ここでは渡米したばかりで右も左もわからない時期からの暮らしをライブでお届けしてきましたが、ことの発端はアンアン編集部に所属していたときの班のキャップが「土居さん会社辞めてアメリカ行くんでしょ? じゃ、なんか書いてくれない?」と、何気なく放ったひと言です。『会社を辞めて、サンフランシスコへ』と題してスタートしたものの、サンフランシスコで暮らしたのは最初の半年ばかりで、最終回のこちらはサンタフェにあるウパヤ禅センターにて、作務の合間の自由時間に執筆しております。


で、最終的にこの4年半、ひたすら思うがまま行動して得たもの、失ったものはいったい何か、ということなのですが。現時点で思うことを書きたいと思います。とはいえ、これは時を経てまた新しい思いや発見があり、変わる可能性は大です。


正直言えばどこかで、この連載をキレイに終わらせたいという思いがありました。例えば「紆余曲折ありましたが、素敵なアメリカ人男性と結婚して、かわいいハーフの子どもが生まれました。めでたしめでたし」とか、「大学院に合格し、晴れて心理学者の道を目指しています。チャンチャン」のような。


でも、なんということでしょう。スタートした4年半前と同じくパートナーは居ないし、学歴だって変わっていません。むしろ仕事を失って、4年半分歳とっちゃったよ! という……。もっとも恐れていた終焉を迎えようとしております。さらには、貯金も相当使っちゃいました、馬鹿高いアメリカの学費と生活費で(こういう急降下ぶりをnose diveって言います。どうでもいいけど良かったら単語帳に加えてみてください)。


留学相談はどうか私にしないで。


だから、たまに「留学したいんですけど」というご相談をいただくのですが、私のケースは留学ということに関しておそらく世間的に見て失敗例だと思うので、私には相談しないほうがいいです(でも英語ができなくても、バークレー心理学部でオールAを取る方法という謎のメソッドは助言できるかもしれませんが)。


むしろ大学院に実際に通って研究室で良好な関係を築いている人とか、ポスドクのポジションで新しいキャリアを築いている人とか、可能なら教授にあたって情報収集してみてください。アメリカの大学院のサイトには、大抵これらの人たちのメールアドレスが全て明記されていますので、興味がある研究室を見つけたらまずはそこで出している論文をいくつか読んでみてください。


そして共感できるものや自分だったらこう発展させたいというものがあったら、あとはだめモトで彼らにコンタクトを取ってみてください。


さて、では逆に得たものは何か、ということなのですが。現状に腹がくくれるようになったことでしょうか。



先日も禅センターのレジデントのひとりに「締めくくりをハッピーエンドで結べず、連載が書けない。読者の期待を裏切りたくない」と吐露すると、


「なんでキレイにまとめる必要があるの? 人生なんて、混沌として、とっ散らかったものじゃない、そもそも。パートナーがいなきゃ幸せじゃない、良い仕事についていないと認められない? それってあなたが囚われていた過去の価値観から何も自由になれていないということじゃない? それをあなたの大事な日本の読者に伝えて何か意味があるの? ビートニクみたいに、そういう価値観と反逆するような現実をありのままに書きなよ」。


そう言われ「はい、まさにその通りです」と、とっ散らかった現状を目前にして、これを書いております。えーい、どうにでもなれい!


中年で会社を辞め、自分の半分ぐらいの年齢の人たちと肩を並べながら勉強することで、「もっと若かったらなぁ」「もっと英語ができたらなぁ」「もっと自由なお金があったらなぁ」といつも無意識に誰かと自分を比較して、一喜一憂している自分の存在を嫌というほどに気づかされました。プログラムを終えて日本に一時帰国したらしたで、母になったり昇進した知人たちと自分を比べて、自分の現状を恥ずかしく思ったりもしていました。渡米して3年ぐらいこれが続いたと思います。


当然まだ比較のトラップにハマることがありますが、今はそれをしているのに気づき苦笑いしているという冷静な自分もいます。このように少しは精神的に自立した自分と出会えたことがアメリカに来て得たものでしょうか。


「しゃーないしな」マインドは有責態度。


おそらくこれが違うステイタスでの渡米だったら、例えばもっと若い年齢で留学していたり、奨学金で学んでいたり、海外転勤や、パートナーに付き添ってのアメリカ生活だったとしたら、私の場合は、この両手を挙げた「しゃーないしな」という降参マインドに到達できなかったと思います。降参マインドは一見無責任にも感じられますが、私にとってそれは目の前の現実とは、大なり小なり自分が作り上げたものだと受け入れ、100%腹をくくる姿勢だと捉えています。



ちなみに先日私は友人と考えていた人をひとり失いました。辛い経験でした。ウパヤ禅センターを出たあとに彼女とその友人と3人でビジョンクエストの旅をする予定をしていたのですが、旅の前に彼女は私が滞在していた禅センターに坐禅を組むためにやってきました。そこで前もって黒い服で訪ねてほしいとリクエストしていたのですが、お尻が見えそうなホットパンツに背中全開のキャミソールでやってきた彼女。慌てて黒の作務衣を貸し出しました。そして坐禅の後、レジデントたちが私たちを昼食に招いてくれました。


彼女が共有スペースに設置されたサプリメントを取ったり、禅堂用のヨガマットをキャンプ用に借りられないかとたずねる態度にヒヤヒヤしながらやんわりと諭し、時が過ぎ無事に禅センターを早く出発したいと祈っていました。そしてレジデントたちにキャンプ用のテントを3人分借り、せっせと運び出していると、無許可で寮のシャワーを利用し、肩はむき出し胸元が大きく開いた、左胸に赤い大きなバラが刺繍された黒の超ミニドレスを着てシャワールームから出てきた彼女の姿が。


そこで私はついにハッキリと言いました。「強く聞こえたらごめんなさい。ここは僧院なの。私の家だったら何を利用してもらっても、どう自由に過ごしてもらっていいのだけど、ここは共同体の場(Place for community)なの。シャワーだって、食事だって、レジデントは労働と学びの対価として、やってきた人は寄付や滞在費を払うことで利用しているの。タダじゃないのよ。そうやってここは維持されているの。あなたはそのどちらでもない。


洋服もあなたに似合っていてとても素敵だけど、ここはみんなが教えを守って実践する場所。ここではみんな、肌の露出はなるべく控えているの。僧院がどういう場所か、という点に関して共通理解があると考えて、その点をきちんと前もって説明しなかった私が悪かった。ごめんなさい。謝ります。で、このスペースをみんなが気持ち良く共有するために、もう少し思いやりを持って配慮して行動してもらえないかな? 私の大事なプラクティスの場所なの」。


正しい、間違っているを超えて守りたいもの。


すると「あなたは規則を守ろうとする人だけど、私は規則があれば破ろうとする人間なの。人が黒を着ろといえば、私は赤を着る。私にとってのスピリチュアルな実践とは、自分を表現するということなの。集団に身をひそめるというのでは無いのよ。悪い人間だ、至らない人間だと、あなたは私を侮辱したのよ。辱めたことを忘れないでちょうだい。


あなたは否定的なものに焦点を合わせる人だけど、私は前向きなものに焦点を合わせる人間なの。喜びや楽しさに焦点を合わせることで、そういう現実を創造してきたのよ。あなたが不快な気分を感じることに対して、私は何もできない。だってあなたが目の前の現実を不快だと解釈して、不快を感じるという選択をしたわけだから。それはあなたの選択で、それに対して私は何もできないの。すべてはあなたの投影よ」と言われました。


あまりにも雄弁に返されたものだから、「正しい、間違っているとジャッジする私のほうが狭量な人間なのかもしれない」と一瞬煙に巻かれた感じが。


でも、その後彼女たちがキャンプに必要な製品をアウトドア洋品店から“買って”使用した後、90日以内の返却保証ポリシーを利用して故意に返却して、全額返金を得ようとしている計画を「私はできない。どうしても正しいことだとは思えない」と言うと「90日返却保証ポリシーから逸脱した行為ではなく、しかも私たちが返却したことで、この高額な製品はアウトレットになり、安く適正な価格で買える人ができる。これは実際には良いことなのよ」という彼らのロジックにどうしても納得できません。


確かに正しいとか間違っているという価値判断は人によるものかもしれない。だったら正しい間違っているを超えて、私は私の信条を守りたい。そこで「やはり、この旅行に参加できない。ごめんなさい。どうしても私の価値観とは一致しない。もしあなたたちが不快な気持ちにならないなら、これを私の謝罪と旅への応援だと受け取って」と100ドル札と彼女が持っていなかったキャンプ用のマットを渡しました。


贈ったもののどこかで「受け取れないわ」と断ってくれるのを期待してもいたのですが、「ありがとう。正直レンタカー代に助かるわ」と言われ、レジデントから借りたテントや大量の荷物とともに駐車場で彼らを見送ることとなりました。


100ドルをさっとカンパすることは今の私にとって大きなことではありましたが、彼女たちが金銭的に余裕がないなかで旅をしていることはわかっていたし、表面的には彼女たちにそれを贈ったと見えますが、実際は自分の信条に投資したということだと捉えています。


禅センターで一度は「さようなら」の涙を交わしたバツの悪さから、レジデントたちが夜の坐禅を組んでいる際に忍び足で寮に入ってキャンプ製品を返却し、図書室でコッソリと、滞在するためのホテルをネット検索していました。


©Warren

すると法話の準備のために偶然坐禅に参加していなかった先生にうっかり見つかってしまったのですーー。格好悪い! そこでことの顛末を告白することになり、「で、なぜホテルを探しているの? いくらでもここに居たらいいじゃない。みんなも喜ぶわ」と先生に夕食に連れ出してもらい、涙の別れの4時間後には「新しいレジデントのアヤと言います♡ Nice to meet you!」と爆笑の渦のなか、出戻り状態。滞在を二日間延長させてもらうことになり、翌日にはまた典座とともに30人分の食事をこしらえていました。


©Tracy

写真は出戻りすることなどみじんも想像できなかった別れの前夜に「お礼に」とベジタリアン巻き寿司を振る舞ったときのもの。「すごい!」「フードトラックを始めるべきだ!」とレジデントのみんなに絶賛されましたが、実は巻き寿司を作ったのはこれが初めてという、大胆にもぶっつけ本番。うまくいって良かったです。


後ろは強く、前は柔らかく、大胆な心を。


心理学者のルネ・ブラウンが言う、”背面は強く、前面は柔らかく、大胆な心 (Strong Back, Soft Front, Wild Heart)”を持つ人でありたいと心から思います。自分が大切だと思うことを貫くためには、ときには「No」と言う必要があります。行動を取るためには常にイエスマンではいられませんし、嫌われ役を買って出る必要もあります。冷静に考えれば、すべての人から好かれることは、どうやったって無理なのです。この4年半でそれがよくわかりました。


でも60年代のフェミニズム運動のように硬いバリアを張ったような「No」では無く、ユーモアだったり、与えられるものは差し出せる寛容さを持ちながら、健康的な境界線(Healthy Boundary)を柔軟に引く在り方を模索していきたいと思います。



英語がわかると当然も変わる。


あとは月並みなことですが、やはり英語がわかるようになって世界は広がりました。知りたいことがあれば、日本語と英語両方の情報源から探れるので、ちょっと角度の異なった意見も参考にできるようになりました。


特にアメリカ生活最後に再び過ごしたウパヤ禅センターでは、いろいろなバックグラウンドや価値観の人がやってくるのですが、例えばベストセラー作家のナタリー・ゴールドバーグや、ダライ・ラマとの研究で有名な脳科学者のリチャード・ディビットソン博士を始め、トランスジェンダーのお坊さんが法話をされたりもして、「こういう形で仏教や瞑想を研究だったり執筆活動だったり、新たな創作活動に繋げる方法があるんだ」という、私の「こうあるはずだ」という、無意識の思い込みが外される新鮮な瞬間が日々ありました。



写真はウパヤ禅センターで催された、Kaz Tanahashi先生の書道ワークショップで高校生以来の書道を。まず大切なのは「スマイルです。スマイルができていないなと感じたら、一度筆を置きましょう」というKazさんの教えにビックリ。色彩を書道で使うのも初めてで、新鮮でした。アメリカ人の人たちがたった2泊3日で楷書、行書、草書と見る見る上達していく姿に驚きました。一連の出来事の10日前に撮影した写真ですが、「金」「慈」「道」と、偶然にも何かこれから起こることを暗示するような文字ばかり………。


自立だけ、依存だけ、を超えた相互存在。


ある日、レジデントのひとりに「私は日本にいるときは自立した人間だと思っていたの。でもアメリカに来てからいろいろな人に助けてもらうばかりで、早く自立しなければという思いが強くなった。でもこの4年半で、日本にいたときも決して自立していなかったことに気がついた。


今も昔も、『誰かに認められたい』といつも人の反応に一喜一憂し、彼らからどう見られるのか、彼らから承認されなければとどこか精神的に依存していた。これからはあなたのように本当の意味で自立したい」と告白しました。


すると彼女に「『私は誰の助けも必要としないわ!』と毅然と振舞うことって案外簡単なの。一番難しいのは、無防備な自分を晒して、相手を頼り、そして裸になってくれた相手にも頼られるという関係性じゃないかしら。生きていくうえでどうやったって、なんの世話にもならないなんて、無理でしょう。だから私がこれから意識的に取り組みたいのは、単に依存(dependence)するだけでもなく、自立(independence)するだけでもなく、助け合いによる相互存在(inter-being/inter-dependence)という関係性なの」と言われてハッとしました。


親切するのに、メリットが必要という隠れた思い込み



肩書きなし、職なし、女ひとり海外生活という状況に身を置くことで、いったいどれだけたくさんの人が部屋の鍵を私に貸してくれたことでしょう。「なんの得にもならないのに、なんでここまで私に良くしてくれるんですか?」とカリフォルニア州ベイエリアの恩人のひとり、あきよさんに尋ねたときに「アヤちゃん、どうして親切にするために得になるかどうかが必要なの?」と逆に質問を返され、自分の中の歪んだ価値観に気づかされたことがあります。


「何か食べたいもん、ある?」とたずねては、いつも私のリクエストのオムライスを作り、「アヤの独特のブレなさは不器用でも絶対それを手放さずに生きていて、星みたいにキラキラしていて。アヤに良くしているなんて思ってないよ? ただそれ、ずっと見ていたいだけやねん。星を見ていたいみたいに」と、パートナーのショーンと待っていてくれるゆかちゃん。



「無料は良くない」と断った時点から、KOMBUCHA2本の取引でとてもパワフルなヒーリングをしてくれ、セッション中に生まれて初めてワンネスを一瞬体験させてくれたペルー祈祷師末裔のエミリオ。旅の間中、2年以上も荷物を預かってくれ「今度またカリフォルニアに戻ってくるときまで置いておいてもいいよ」と、今なお荷物を置かせてくれているよしこさん。「あなたならできますよ。楽しんでやってくださいね」と素晴らしい本の翻訳を、翻訳なんて一度もやったことの無い私に任せてくれたカズさん。


「存在価値が無いと思ったら連絡しなさい。アヤがそう思わなくなるまで、君がどれだけ優秀な人材なのかを説明しよう」とことあるごとにチェックインしてくれる、元インターン先の社長。帰国に際して不安を拭えない私を「おばあちゃん心を自分にね」と微笑み、抱きしめてくれたハリファックス老師。あなたは涙を見せる前に去っていく人だけど、私たちは本当はあなたの涙を一緒に見たいのよ」と言って送り出してくれたウパヤ禅センターのみんな。



そして、「こうあってほしい」という娘像を破壊し続けている私を、感服の「しゃーないしな」マインドで受け入れ、帰国後に延暦寺家族旅行を企画してくれた両親。ほかにも書き出したらキリが無いほどたくさんの人にお世話になりました。


たくさん支えられてきたから、支えられる側が持つ喜びと辛さの両方の想いを身にしみるほど経験できました。支え続けられた私はこれから、いったいどうやって人を支えることができるんだろう。そしてまた誰かに支えられていくのだろう。これからの人生をどう構築していくんだろう。


まだ何も見えていませんが、宮沢賢治『雨ニモマケズ』マインドヒッピー風味をそこはかとなく醸すカリフォルニア・ベイエリアの人たちとウパヤ禅センターのみんなは、これから私がどこでどう暮らすことになったとしても、人生の師、そして友として大切にしたいと思います。


「私がしたことが、アヤの助けになったのだとしたら、私に早くお返ししなきゃと焦るんじゃなくて、それをいつか、ほかの人にやってあげて」と、たくさんの人に言われました。社会の中で無名の良き隣人として目立とうとはせず、さりげなく手を差し伸べてくれたみなさん。はい、できることから少しずつ。不器用なりに、私もやってみます。


アメリカのほうが好きか、日本が良いか、と言われるといまだによくわかりません。もちろんアメリカ人だから、日本人だから、という国民性や国のシステムの違いにイラっとしたり感心したりはします。


いまだにアメリカ人の公共スペースの使い方や、自己主張の強さには「もうちょっと周りを見ようよー」と辟易とするところがありますし、そのいっぽうで相手の気持ちを推しはかり、地雷を踏まないように話すばかりに焦点が絞りにくい日本の会議をスピードアップしたいという衝動に駆られてしまうこともあります。とはいえ一概にそれもそうとも言い切れず、4年半経って思うのはその人次第だなというところが大きいと思います。


心に従って行動した結果、好きが講じて少しずつではありますがそれが仕事にも繋がり始め、瞑想アプリの会社から“セルフ・コンパッション”に関する執筆依頼が来たり、禅センターの体験をインターネットマガジンに執筆する機会があったり、ZENに関する本の翻訳のお仕事をいただいたことも得たもののひとつです。けれども、まだ生活できるレベルには達していません。


だからこれからは、第二の冒険が始まると思っています。ひょっとしたら、この帰国後が本当の冒険になるのかもしれません。苦手だった頼んだり頼まれたり、健康的な境界線を引くことも必要になっていくのかもしれませんね。


©Yumiko Hirai

いったいこれからどういう形で生活していくのか? 私にとって正しい生計の立て方(Right Livelihood)って?? 四十路の私に仕事が見つかるのかな?? なんて私はまだ古い価値観に囚われていて、仕事は与えられるものではなく、自分で創造するものだと捉えるべき??? まったく謎だらけです。はい、”背面は強く、前面は柔らかく、大胆な心 (Strong Back, Soft Front, Wild Heart)”を忘れずに。


ひとつだけ確かなのは、ここでは機が熟せず書けなかったことを含めての4年半の体験を一年かけてまとめたいと思っていることと、結果生計を立てるのとは別の形になったとしても、なんらかの手段で文章を通じてみなさんにお伝えしたり、いつか一緒に瞑想する機会なんかも持てたらなと願っています。そしてこの一年半取ってきたように「これが人生最後の一年だと思って行動しよう」という思いで過ごしていくということ。人生は思うよりも短いのです。


最後に緩和ケア看護師のブロニー・ウェアさんによる、人生の最後に多くの人が後悔する5つのことを紹介したいと思います。彼女は死の床にある人々に「人生でいったい何を悔いているか」とたずねてきた人です。以下の5つがそのトップ5だと言います。


多くの人が死に際して後悔する5つのこと。


1. 人が私に期待する人生ではなく、自分の人生を生きる勇気が持てたら良かった。

2. そんなに働きすぎなければ良かった。

3. もっと自分の思いを表現する勇気が持てたら良かった。

4. 友達ともっと連絡を取り合えば良かった。

5. 幸せになることをもっと自分に許せたら良かった。


心から、ありがとうございました。


この不定期連載をご愛読していただき、大変ありがとうございました。

読んでくださった皆さんがいたからこそ、

不定期すぎる不定期だったのにも関わらずこちらを続けることができました。

心より御礼申し上げます。どうか良い1日をお過ごし下さい!


SEE YOU!



またお会いする日まで!

ありがとうございました。

anan

2019年08月03日 21時00分

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