なぜ、夫だけ自分のペース貫ける? 専業主婦の葛藤、家事育児抱え「上手くできない自分が悔しくて恥ずかしい」
家事・育児の分担をどこまで担当し、どこまでパートナーに頼ってよいのか。「育児をしながら働くのは当たり前」「共働きでないと食べていけない」…女性の仕事復帰を後押しする言葉が増えていくにつれて、肩身の狭い思いをしている人も多い。夫が在宅勤務になったことで、家事育児の分担に変化が見られたことを漫画で発信しているmihoさん(@miho.haha)は、次男を出産直後、家事育児による疲労の限界がきて入院を余儀なくされることに。「専業主婦なんだから、家事も育児も一人でできなくてはいけない」「上手くできない自分が悔しくて恥ずかしい」ーー当時は自分を責めるようにモヤモヤを抱えていたという。
【漫画】泣き叫ぶ子どもたち、妻はワンオペ、夫はゆっくり自分の時間…「夫が在宅勤務になりまして」
■子育ても家事も”母親の仕事” 両親の姿を見て思い込んでいた
mihoさんの夫は、出会った頃から仕事が忙しく、朝早くから夜遅くまで日々働いていた。子どもが生まれても、それが変わることはなく、mihoさんは一人で育児をする日々。引っ越したばかりで、周囲に相談できる人もおらず、「毎日孤独や不安で寂しかった」と当時を振り返る。
mihoさん自身は仕事一筋の父と専業主婦の母の家庭で育ち、母が一人で家事育児をするという環境にも慣れていた。子育ても家事も”母親の仕事”だと思い続けてきたからこそ、夫が休みの日に育児を手伝ってくれた時は「たまらなく嬉しかった」という。
「夫は子どもが生まれる前から誰よりも誕生を楽しみにしてくれ、赤ちゃんのお風呂を入れることをずっと楽しみにしていました。ですが仕事上、帰りが常に遅くほとんど家にいられませんでした。育児をやりたいと願いつつも、仕事は常に忙しい…物理的に難しい。家事育児は私がほとんどこなしている状況でした」
毎晩の夜泣きで寝不足の状態が続き、やらなければいけないことも増えていく。家事が追いつかなくなり、家の中も散らかっていた。mihoさんは日に日に強い疲れを感じるように。
mihoさんが冷めてしまった食事を急いでかきこむのに対し、帰宅した夫はご飯を食べながらゆっくりテレビを見ている。その姿に違和感を覚えて「なんで、あなたばかり自分のペースで食べられるの?」と怒りをあらわにする描写には「すっごくわかる!」「ご飯食べたかどうか記憶ない、食べてないって日もあるのに」「パパ、ママである前に、人間として思いやってほしい」など共感の声が寄せられた。
「共感をしていただけたり分かってもらえたことが、すごく嬉しかったです。あの頃の自分が救われたような気持ちになるし、あの頃の自分のように一人で抱え込んでいる方に、少しでも一人じゃないと感じてもらえたら…なんて思っています」
■「”手伝う”から”一緒に育てる”土台に上がってくれた」
夫婦で何度も話し合い、夫の姿勢にも変化が。仕事の休み時間に電話をくれて子どもに起こったことを共有することができたり、休みの日には子どもを風呂に入れるようになったり。一歩前進ではあったが、「それはあくまで、私がいての育児。育児の本当の大変さが、夫にはうまく伝わっていないような気がしていた」と振り返る。
そのままのペースで3年を過ごし、mihoさんは2人目を出産。なかなか戻らない体力、慣れない2人育児、体調を崩しがちな次男の検査や診察で病院通いも続いていた。夜遅くに帰ってくる夫に相談することができず、心に余裕が無くなり、mihoさんの体調にも変化が現れた。
蕁麻疹、めまいが頻繁に起こるため、実母にサポートを頼みながら育児家事をこなしていたが、ついには震えが止まらず倒れてしまう。産前入院していた産婦人科に再入院することを余儀なくされたという。
「夫との認識の誤差は埋まりませんでした。私が口で伝えることしか出来ず、実際に見たり体験していない夫に本当の大変さが上手く伝えることができていなかったのが原因かなぁと思います。私は常に夫に育児の悩みや大変なところは伝えていたつもりでしたが、やはり聞くだけで、経験していない夫には理解できない部分も多かったんだと思います。
育児への温度差は我が家ではずっと解決することができず、夫婦間もギクシャクした時期がありました。ですが思いがけず夫が在宅になり、初めて夫自身の目で育児を見て、少しずつ私が言ってきた育児の大変さを理解していったんだと思います」
夫が在宅勤務となり、育児の大変さ、目まぐるしさを自分の目で見て理解してくれるように。「育児において夫が手伝うという認識から、一緒に子育てをする。という土台に上がってくれたと思っています」。
「子育てとは”2人の子ども”を育てていくこと。だからこそ妻が専業主婦だとしても、育児は妻だけの仕事ではない。旦那さんは手伝うという他人行儀なポジションではなく、一緒に考え一緒に子どもたちを育てていく。そんな関係なんだと気づきました。現実的にまだまだ色々な壁にぶつかっていますが、2人で考えて子どもたちを育て上げ、子どもたちが巣立って行った後、一緒に子育ての思い出話ができる、そんな夫婦でいられたら最高だなぁと思っています」