飼い主と車に暮らして3年...国中を旅する猫さまが「最も驚いたこと」とは?
車で旅する猫さまが登場!
【フレンチ猫さま】vol. 12
猫の話をもっと聞かせて! 家は車の中。フランス各地を転々とする猫さま。

初めまして僕は4歳半の男性猫です。僕の家は改造された小さなトラックの荷台です。飼い主が手作りしてみんなでそこに寝ています。旅が始まったのは、飼い主が健康上の理由から仕事ができなくなって、リハビリも兼ねて車でいろんなところへ行こうと決めたからのようです。そしてもう3年経ちました。

僕の1日はハーネスとGPSを着けて散歩に出かけ、外でリラックスすることから始まります。僕は好奇心が強いので、リードがなかったら自然の中に飛び出してしまうので、飼い主は心配でしかたないようです。

飼い主と一緒に滝、洞窟、森、林、ドルメン(支石墓)や歴史的建造物を探して歩いています。走っている車中から流れる風景を見るのも大好きです。今度行くところを想像しているだけでも楽しいです。

旅をしていると、いろんなものに出会います。大きな犬だったり、もちろん猫も、ウサギだって、鳥だって、ネズミ、カエル、トカゲ…。
驚いたのは道を塞ぐ牛や羊に出会った時です。大きい動物を見たら腰が抜けそうになりました。

そうそう、自然の中でいちばん嬉しいことは森の木で爪研ぎをすることです。この快感は他の猫達に教えてあげたいぐらいです。

旅のハプニングはたくさんあって、いつもはキャンピング場を点々としいてますが(これは犬や猫との出会いのチャンスもあります)タイヤのパンクなど、車の調子がおかしくなったらその辺に止めて夜を過ごします。冬は大変ですが夏は快適ですよ。車の中は暑いので、外にある僕用のバスケットの中で涼みます。冬の楽しみは車の中にデコレーションをして、クリスマスのときはパーティをして飼い主からプレゼントをもらうこと。飼い主はよく僕の好きなものを知っています。ごちそうはアヒルやハム、大好物のエビが登場します。

さて次の行き先はどこかな? もしも海に行ったら魚と一緒に遊びたいな。そしてエビも獲ってみようかな。

ーーフランスはたくさんのキャンピング場があります。家族と一緒にヴァカンス時に犬を連れている人はよく見かける光景です。でもナルコさまのような旅が好きな猫さまがいるとは知りませんでした。自由だけど飼い主と共存できてお互いの楽しみを満喫できているのは素晴らしいことだと思いました。今日もナルコさまは愛する飼い主と旅を続けているでしょう。またどんな出会いがありどんなことが起こったか、聞いてみたいです。
取材・文 Manabu Matsunaga