生理中に「下痢」になりやすいのはなぜ? 腸のプロが回答

腸内細菌を増やすことがお悩み解決への近道に。

便秘、下痢、おならなど、私たちを悩ませる腸の問題。そのすべてに共通しているのが、腸にいる細菌がうまく働かないことで誕生した、悪しき腸内環境だという。

「私たちの腸を整える腸内細菌は、ストレスや偏った食生活、睡眠不足といった生活リズムの崩れなどに影響を受けやすく、数が減ったり働きが鈍くなります。その結果として、下痢や便秘などの不調が引き起こされるのです」（美腸カウンセラー［R］・田和璃佳さん）

「まずは、腸内細菌の働きが弱くなったり、不調が引き起こされた原因を知り、それに合った対策をとることが解決へと向かう第一歩です」（美腸ナース・小野咲さん）

ここでは、読者が抱える「下痢」に関する腸のトラブルと独自の対処法について、先生方が解説します。同じ悩みを持つ人は、ぜひ、参考にしてみて。

下痢

キュルキュル、ゴロゴロ…。突然やってきては私たちを悩ませる、やっかいな下痢。トイレが近くにあるならまだしも、電車の中や出先での襲来に、お腹の痛みだけでなく恐怖や焦りで泣き出したい気持ちになることもあるのでは？　原因は、肉体的＆精神的の両方を原因とする、腸へのストレスであることがほとんど。いざという時に実践すべき的確なメソッドを、先生方の回答とともに紹介します！

Case1：お酒を飲んだ日の翌朝は腸がキュルキュル…。

【私なりの解決法】整腸薬を飲む。

Answer：アルコールは腸を刺激することも。飲みすぎには注意です！

「アルコールは刺激が強く、腸へのストレスとなる可能性があります。下痢をした場合は飲む量を見直して」（小野さん）

「整腸薬を飲むことは、応急処置としてはいいでしょう。ただ、頼りすぎると、もともとある腸内細菌を減らすことにもつながりかねないので、本当に困った時にだけ使うようにしてください。ただ、“整腸薬を持っているから下痢が来ても大丈夫”と前向きになることは有効。お守りのような存在として持ち歩いては」（田和さん）

Case2：電車で移動中ちょっとお腹が気になりだすと、地獄一直線。

【私なりの解決法】行きはともかく、帰りは各駅停車に乗るようにする。

Answer：体のための計画的な行動が素晴らしい。トイレマップアプリも便利です。

「下痢になりやすいという自分の体を理解し、計画的に行動できているのがすごいと思います。下痢はなかなか我慢できないものですから、事前にできる対処方法を考えておきましょう」（田和さん）

「安心して行けるトイレを知っておくと、焦る気持ちが少しは楽になり、その結果、腸へのストレスも軽減できるはずです。街の中にある公衆トイレなどの場所を教えてくれるトイレマップアプリなどもあるので、ぜひ、活用してみてください」（小野さん）

Case3：生理中はお腹を下しやすいです。生理痛だけでもツラいのにご勘弁を！

【私なりの解決法】ナプキンは神。

Answer：生理中、下痢になりやすい人は多い。ナプキンが安心材料になればよし。

「生理期間中は、いらないものを外に排出しようとする動きが普段よりも高まるため、それにともない、排泄が促されるケースもよくあります。普段は下痢をしないのに、生理期間中になるとお腹が緩くなってしまうという人も少なくありません」（小野さん）

「もとは一つの臓器だったものが分化した腸と生殖器は、連動しているといわれています。ナプキンをつけていることで、“漏れても最悪の事態は免れる”と安心できることは大切です」（田和さん）

たわ・りか　美腸カウンセラー（R）。腸内環境を整えるオリジナルメソッドを提唱する「日本美腸メソッズ協会」代表。著書に『40代からはじめる「腸活×菌活」完全マニュアル』（監修・藤田紘一郎、徳間書店）。

おの・さき　美腸ナース。一般社団法人日本美腸協会理事長。医療ベースの正しい知識をもとに美腸ケア術を考案。近著に『おとな女子の根こそぎよくなる！からだの整え方 腸もみde不調撃退！』（学研プラス）。

※『anan』2020年7月22日号より。イラスト・丸ゐまん丸　取材、文・重信 綾

（by anan編集部）