2020年は仕事を楽しく!...上司に叱られても「ヘコまない」簡単なコツ
文・椎原茜
タイプ別! 上司から叱られたときのうまい対処法
上司のタイプによっても叱られ方やシーンは異なりますよね。そこで、典型的な上司のタイプを「仕事がデキる上司」「無頓着な上司」「クールな上司」「威圧的な上司」の4つにしぼり、それぞれの上司に叱られたときに、凹まず、前向きに対処する方法を朝倉さんに教えていただきました。
「仕事がデキる上司」に怒られたとき

「ハイレベルなことができずに怒られた!」
自分の基準が高いこのタイプの上司は、部下を自分の基準まで引っ張ろう、部下の能力を最大限に発揮しようとする意図があって叱っています。このタイプの上司に怒られるということは、期待してもらえていると受け取って良いでしょう。
「怒ってくれてありがとう」という気持ちを持ってみましょう。部下として見ているのではなく、プロの仕事人、パートナーとして見てくれているからこそ、基準値に達しないことに対して怒りの感情が湧くのです。むしろ「ありがたい」ことなのです。
「無頓着な上司」に怒られたとき

「めったに怒らない上司から怒られた!」
きっとよほどのことをしてしまったのでしょう。踏み込んではならない領域に踏み込んでしまった、地雷を踏んでしまったのかもしれません。無頓着に見えて、その人は、本当は器が大きくて寛大な人なのかもしれません。そんな人が怒るのはよっぽどです。素直に非を認め、謝るのが正しい選択です。
「クールな上司」に怒られたとき

「メールでダメ出しをしてきた!」
口頭で直接言われるよりも、メールでのダメだしはきついですよね。私も上司からの短文メールで「意味不明」「無意味」など、ズバッと切られて傷ついた経験がありますので、その気持ちはよくわかります。
しかし、事実と感情は切りわけて、「率直におっしゃっていただきありがとうございます。」とまずは上司の指摘を受け止めましょう。
この上司のようにクールに淡々と分析をするタイプの人は、メールでやりとりすると、またそのメール文に対してダメ出しがたくさん届くので、直接会う約束を取り付けて、口頭で話をすることをおすすめします。
「威圧的な上司」に怒られたとき

「感情的に怒鳴られた!」
売り言葉に買い言葉にならないように気をつけてください。まずは相手の話を最後まで聞きましょう。そして「弁解しない」「言い訳しない」ということに気をつけてください。
この上司のように威圧的なタイプの人は、自分の感情をコントロールできていません。怒りの感情がピークのときに何を言っても相手には伝わらないのです。たとえどんな正論であっても、「口答えするな!」と火に油を注ぐことになってしまいます。
上司が全部言い終わって、熱が冷めたあとに、「私のためにこれだけ真剣になっていただき、ありがとうございます」と伝えてください。『指摘を受け止めました』という意志表示をすることで上司の怒りを長引かせないようにします。
すべての上司に共通するアドバイス
–朝倉さんは、どんなタイプであっても、すべての上司に共通するポイントがあると話します。
「感情」と「事実」はわけてしっかりと事実を認めること。仕事に感情を入れると、何が問題なのかわからなくなってしまいます。そして事実に関しては、自分に非があれば認め、改めてください。
失敗したり、叱られたりして落ち込むことは誰にでもあります。お叱りを受けた後には、常に未来志向で「私のどういう部分を改善すれば、○○さんのご期待に沿えることができますか?」と質問してみましょう。未来に対するヒントをいただけることがたくさんあります。逆に過去を見て、「どこがだめだったんですか?」という聞き方は、ネガティブな部分を掘り起こしてしまうのでNGです。
自分が思う理想的な上司に、現実の上司を当てはめようとするのは、部下のおごりです。どんな上司であってもコントロールできるような『部下力』を身につけることが最善だと私は考えます。賢い部下は上司を動かす。上司も完璧ではありません。上司のよき補佐役としてご活躍ください。

–上司から怒られたときには、凹んだり、泣きたくなったり、ストレスに感じたりしてしまうものですが、これらの上司別対処法やアドバイスをもとにとらえ直してみると、意外と簡単に乗り越えられることも。自分が前向きに仕事に取り組んでいくために、ぜひヒントにしてみてくださいね。
Information

朝倉千恵子(あさくら・ちえこ)さん 株式会社新規開拓 代表取締役社長。働く女性の地位向上と真の自立支援を目指した、女性のための仕事塾TSL「トップセールスレディ育成塾」を主宰。
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