広島から「西日本豪雨」を通して伝えたいこと

2018年07月14日 12時30分

ライフスタイル anan

私が住んでいる広島では、先日の西日本豪雨(気象庁は ”平成30年7月豪雨” と命名しています)で大きな被害が出ました。この豪雨は広範囲に降り続け、多くの地域が被災しました。幸い私自身は大きな被害に遭わなかったものの、正直これは ”運” だったのだと思っています。広島にいたからこそ伝えられることがあるのでは、と今筆を取っています。

豪雨と異変。そして「大丈夫だろう」という認識


7/6からの強い雨がよく取り上げられていますが、私が住んでいる地域では、前日の5日からかなり強い雨が降っていました。ここのところ豪雨注意報が出るのは珍しくないという認識だったため、そういった通知よりも「よく雨が降るなぁ」と思っていた実感ベースが強かったです。翌日も豪雨に警戒を、というのはニュースで見ていました。6日は昼過ぎから予定が入っており、支度をして外出しました。前日と同じく「雨がすごいな」と考えながら、電車に乗りました。


目的地に向かう途中、電車の中で聞いたことのない音が鳴り響きました。他人のスマホ音にも聞こえましたが、電車全体に響いたので「何だろう」と自分のスマホを見ると、”大雨特別警報”と表示されていました。”特別警報” は生まれて初めて見るもので、少し不安がよぎったのを覚えています。


それでも「大丈夫だろう」と考えた私は、予定をキャンセルせずにそのまま電車に乗っていました。

強まる雨足、鳴り響く警報。私は危機感をどこまで持てたのだろうか

帰路につく頃には、雨もさらにひどくなっていました。行きの電車で見た特別警報は、数時間に1回通知が来るように。街中では避難を促す放送も流れていました。


住んでいる地域から離れていたので、避難情報を見ようとしました。しかし、サーバダウンでハザードマップが開けない。公共機関の災害情報ページはアクセスできない状態でした。今ここにいても大丈夫なのか、どこへ行けば良いのか、私には判断できず、そのまま帰宅する選択肢を取りました。このとき、街行く人が特段パニックになっている様子はなかったです。普段より若干足早に行き交い、電停やバス停には多くの人がいました。


私は電停まで急ぎました。広島でよく利用されているローカルの公共交通機関があるのですが、それは滅多に運休にならないという認識です。ちょうど電停にたどり着いたとき、その電車は来ました。これが最終電車なのだと、そこで初めて知りました。20時過ぎです。「運休にならないだろう」という甘い認識を痛感するとともに、運が良かったという安堵感が湧きました。電車に乗っても警報音は鳴り続け、詳しい災害情報は見られないままでした。


それでも、自分が住んでいるところは災害危険箇所に指定されていないから大丈夫だと考え、「とりあえず家に着けば…」と思っていました。不安感は確かにありましたが、危機感をしっかりと持てていたかと問われるとイエスと言えないのが、今回の私の行動です。

祖母の孤立、知人友人の状況。事態の深刻さを知ってから

翌日も雨はまだ降り続いています。家族や知人・友人と安否連絡を取り、ひとまず無事であることを確認しました。最終電車になる時刻を知らないまま仕事をしていて、歩いて自宅まで帰ったという友人もいました。さらに、断水している地域や孤立している地域もあるという情報も入ってきて不安が増しました。


私の祖母は、高齢化が進んだ地域に住んでいます。そこも断水し、周囲は通行止めで孤立状態。当時避難勧告は広島県各地で出ていて、逆に広島で安全な地域がわからないと思ったほどでした。幸い停電にはならなかったので、連絡は取れます。


給水はされていたようですが、給水所まで行けない祖母のために、近所の人などが親切に持ってきてくれていたそうです。食べ物の配給は長期保存用の五目ご飯が3食分。農業をしていたため食べ物には困らなかったようです。ただ、トイレのタンクに水を入れたりお風呂に入れなかったりと大変なことは多々あったと聞きました。


被害の大きさが報道されるようになっても、祖母が住んでいる地域は取り上げられていませんでした。1週間ほど経っても復旧の目処が立たず、親が車を出して助けにいきました。それまでにも祖母の家まで向かおうとしたのですが、通行止めでどうにもならない状態。その日は復旧作業が進んで通行可能になった道を見つけ、たどり着きました。


断水したままで大変な生活をしている方はまだまだいます。豪雨のさなかも、どこが断水するか、どこが孤立するか、判断しきれませんでした。私が住んでいる地域が断水しなかったのも ”運” だと思います。

防災意識を持つ大切さ。災害は決して”他人事”ではない

広島では、平成26年に大きな土砂災害がありました。そのとき被災した知人に話を聞きました。4年前の土砂災害は、知人の想像をはるかに超えたダメージだったそうで、今回は予報を見た段階で自分なりに身構えたとのこと。暗くなるまでに貴重品や仕事用の機材、数日分の飲料水と防災グッズを2階まで運んだそうです。車も安全な場所へ移動させたと聞きました。


広島には大きな河川があり、そこが氾濫すると広範囲で甚大な被害が予想されます。氾濫した場合のシミュレーションCGが公表されており、知人はその最悪な事態をイメージしたそうです。


万が一の場合にすぐ動けるよう待機し、土砂災害と河川氾濫を意識しながら、雨雲レーダーと以前の土砂災害で氾濫した川をチェックしていました。朝方安心できるまで続けていたそうで、私自身の防災意識の低さを改めて痛感しました。知人が住んでいた地域は、以前の土砂災害後に作られた砂防堰堤が機能し無事だったようです。


恥ずかしながら、私がシミュレーションCGを見たのは今回の豪雨災害が起こってからです。それを見て恐怖心を覚え、自分が住んでいる地域を再確認しました。市のハザードマップでは危険でないという認識でしたが、国土交通省が運営しているハザードマップポータルサイトで確認すると、2階まではあっという間に浸水する地域でした。2階にいれば大丈夫という認識のまま大きな被害に遭っていれば、私はここにいないかもしれません。私は単純に運が良かっただけなのだと思いました。


全国各地で災害が起こり、そのたびにニュースを見ます。しかし、私はどこかで ”他人事” のように感じていたのだと思います。大きな被害が映し出されたとき、そこにリアリティを伴っていなかったのだと。確かに「大変そうだな」と強く思っていたのですが、それを自身に置き換えていたかといえばノーです。それが故、シミュレーションCGを見たりハザードマップを詳しく調べたりという行動に移していなかったのです。十分に対策していても被災してしまう恐れは十二分にあるのに、私はそこにすらたどり着けていませんでした。


もし今これを読んでいるあなたが豪雨前の私と同じような感覚であるとしたら、ご自身が住んでいる家、職場、地域、土地の特性などをよく調べることが大切なのだと思います。災害は日本全国どこでも起こりうるので、決して ”他人事” ではないのです。


「大変そうだな」と支援してくださるのは非常にありがたいです。こういったときに、改めて助け合いの精神を実感します。広島でもその他の地域でも、大変なことや不便なことも多々あるかと思いますが、前を向いてみんなで生きていけたら、そう願っています。




©artisticco/Gettyimages

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2018年07月14日 12時30分

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